「二本の枝、二つの技、一つの道」ベスト・キッド レジェンズ うぐいすさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 二本の枝、二つの技、一つの道

2025年8月28日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

スポーツと青春とアジア格闘技の神秘を濃縮した『ベスト・キッド』シリーズのクロスオーバー作品。

シリーズのセオリーの踏襲、新しい要素、過去作へのリスペクトのバランスが取れた良い作品だったと思う。

少年だけのいざこざに留まらず、大人を巻き込み、開幕からハードなアクションが続く背景の作り方が面白い。
主人公の成長と同時に師の過去を掘り下げ、シリアスなパートもじっくり描いていた過去作とは異なり、本作のストーリーはハイペースかつコミカルなパートを多めに進んでいく。慌ただしくはあるが、濃い登場人物が勢ぞろいする中、リーを主人公とした2025年の物語としてブレさせない強い意志を感じた。

過去作を観た身としては、ダニエルさんがしっかりした大人になったこと、時間が止まってしまっていたMr.ハンが活力を取り戻したことが嬉しかった。2つの流派と2人の師の魅せ方のバランスが上手く、過去作のエッセンスの取り入れ方も併せて、1980年代と2010年、どちらの作品にもリスペクトを感じた。
技を磨き己を鍛え、得た力を「いつ何のために使うのか」を問い続ける『ベスト・キッド』シリーズのテーマは、リーだけでなく劇中でリーに関わる多くの登場人物達にも通じている。世界の延長や翻案から一歩踏み出し、師弟のみならず周囲も共に成長するドラマとして発展した点が、続編としての完成度を押し上げていた。

ジャッキー・チェンとラルフ・マッチオという映画界・作品世界の2大レジェンドに囲まれても、喰われることなくアクション面でもドラマ面でも主役を演じきったベン・ウォン氏を称えたい。

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うぐいす
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