Mr.ノボカインのレビュー・感想・評価
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障害者コメディはハードル高い
夜や暗室でのアクションシーンが多く、肝心の激痛ゴア描写がよく見えません。
お上品なお客様連中のためにあえてそうしたのは分かってるけど、折角の良いアイディアが去勢されてるぜ。
あと結局、この主人公が暴れ回らない方が被害は少なく済んだのでは…懲役30年分くらいの罪を重ねとるぞ。
重要人物○○にも、事件の責任がない訳ナイのに何かなぁなぁに済まされてるし。
問題提起作としては面白いけど、娯楽作としてはアラが目立つ1本。
こういう障害者コメディもっと増えて欲しいんだけどね。難しいわね。
観ている方は痛いの何のって・・・
笑えるかどうかの分岐点‼️❓
見せ方がイマイチ
自分を変える
だいたい予想道理な感じ
人生に灯りがともる瞬間
痛覚を持たない主人公・ネイトが、銀行強盗の人質にされてしまった同僚・シェリーを奪還するため体を張って強盗チームを追う物語。
予告編を観て、いきなり騒動が始まるタイプのドタバタコメディかと思っていたが、波乱のスタートまでには、痛覚がない生活の危機管理方法やネイトがシェリーに深く惹かれる過程、痛覚はないが触覚はあるムーブの描写など、丁寧な導入がされていた。そのおかげで、ネイトの心配や応援をしながら物語により深く入れたように思う。
予告編で強調されていたR描写も、無暗に凄惨さを加速させたり茶化したりするタイプの品の無いグロではなく、様々なピンチのシチュエーションを作り出すことによってストーリーの中で緩急として効いていた。
アクション映画や戦争映画で痛みの演技に目を見張ることはあるが、痛みゼロ・痛みエアプぶりに着目する日が来るとは思わなかった(笑)。体に受ける衝撃よりも心に衝撃を受けた時の表情が壮絶なのも心憎い。
アクションコメディとしても異色主人公モノとしても面白く、また実在する難病を扱うエンタメ作品として、物語やキャラクターづくりに注意を払っているのが伝わった。
以前、病名は失念してしまったがドキュメンタリーで痛覚がない病気のルポを見たことがある。ネイトと同じか類似した病気だったのだろう。痛覚がないことは生物として自分の危険を回避するための経験が積めないことはもちろん、物や他者に触れる力加減がわからない困難さもあるようだった。
作品の説明ではネイトを『全く痛みを感じないが、それ以外には何も特別なものをもたない男』とダメ主人公として表現しているが、彼がここまで生きてきた事実と社会参加できている現状は、彼が病気と真剣に向き合った両親に愛されて育ち、彼自身も慎重かつ冷静に生きてきた証明だと思う。
主人公のキャラ設定が良い!
恋した彼女が銀行強盗に誘拐され、その彼女を救おうとする痛みを感じない主人公ネイサンのアクションコメディ。
あまり女の子慣れしてない理由、銀行マンだけどお金を返せない人に優しい人柄って事が序盤にわかります。
慎重派に見えたネイサンだったのに銀行強盗を追う正義のヒーローに。
痛みを感じないからこそ力がなくても戦えるネイサン。
直視できないくらいかなり痛そうなバトルシーンの連続でそれがラストまで続きます。
ナイスキャラの助っ人とかも出てきて、全然飽きる事なくラストまで楽しめました。
でもずっと軽い気持ちで観れるだけじゃなくて、痛みを感じないのは良い事だけじゃないし、それでネイサンが苦労した事や不自由な事もあって切なさも感じさせられました。
体は痛みを感じなくても心は感じますもんね。
ネイサンを演じたのはデニス・クエイドとメグ・ライアンの息子のジャック・クエイド、ちょっと小物観があるわりに極悪だった銀行強盗を演じたのはジャック・ニコルソンの息子のレイ・ニコルソン、「へー」って感じでした。
最初は
観ているこちらも、ストレスという「痛みを感じず」観られる1作
《ADMIX》にて鑑賞。
【イントロダクション】
先天的な疾患により痛みを感じない男、通称“ノボカイン(局部麻酔薬)”が、攫われた恋人を救出する為奔走するアクション・コメディ。
監督はダン・バーク、ロバート・オーセン。脚本はラース・ジェイコブソン。
【ストーリー】
サンディエゴの信用金庫で副支店長を務めるネイサン・ケイン(ジャック・クエイド)は、“先天性無痛無汗症(CIPA)”によって「痛みを感じない」体質だった。彼は同僚のシェリー(アンバー・ミッドサンダー)に好意を抱いているが、その特異な体質と奥手な性格から声を掛けられず、ネットのゲーム仲間のロスコー(ジェイコブ・バタロン)だけが友達という孤独な独身男性だった。
12月23日。シェリーもまたネイサンが気になる様子であり、彼をランチに誘う。ネイサンは最初こそ躊躇して断ってしまうが、意を決してランチを共にする。シェリーはネイサンの特異体質を「スーパーヒーローみたい」と好意的に受け止め、更に彼をバーに誘う。
バーを訪れたネイサン達の前に、偶然にも学生時代に特異体質のネイサンを面白がって暴力を振るっていたいじめっ子が声を掛けてくる。ネイサンは、その特異な体質から“ノボカイン”と呼ばれていたのだ。シェリーはネイサンといじめっ子に酒を振る舞うが、その中身は激辛ソース。ネイサンは痛みを感じないので平静なのに対し、いじめっ子は顔を真っ赤にして悶絶する。
すっかり意気投合した2人はネイサンの自宅へ行き、愛し合う。
12月24日、クリスマス・イヴ。昨日の出来事ですっかり有頂天になったネイサンは、昨日までの憂鬱な出勤時間や仕事も何のその。
しかし、突如銀行にサンダ姿の3人の銀行強盗が訪れ、金庫の金を寄越せと銃で脅してくる。支店長は要求を拒み、リーダー格のサイモン(レイ・ニコルソン)に殺害されてしまう。ネイサンは、シェリーを助ける為に金庫を開ける。ところが、金を強奪した強盗団は、人質としてシェリーを連れ去ってしまう。駆け付けた警察官達を殺害し、強盗団は逃走。ネイサンはシェリーを救出する為、パトカーを盗んで追跡する。
強盗団は追跡してくるネイサンに気付き、二手に分かれる。シェリーが乗せられた車両を追いたいネイサンだが、追いついた先に居た車にシェリーの姿はなく、強盗団メンバーで退役軍人のベン(エヴァン・ヘンスト)とレストランの厨房にて対決することになる。痛みを感じないネイサンは、フライヤーに落ちた銃を拾い上げ、ベンの顎から頭部を撃ち抜いて射殺する。大火傷を負ったネイサンだが、それも構わずにベンの腕にあったタトゥーから犯人達の正体を探ろうと、ロスコーに調査を依頼する。
ネイサンが去った後の厨房には、警察官のミンシー・ラングストン(ベティ・ガブリエル)と相棒のコルトレイン・ダフィーが駆け付け、パトカーを盗んだ事から、ネイサンが犯人グループのメンバーではないかと疑う。
やがて、ネイサンは警察に追われながら、屈強な肉体の彫り師・ゼノやベンの兄であるアンドレ(コンラッド・ケンプ)、サイモン(レイ・ニコルソン)らと対決していく事になる。
【感想】
「痛みを感じない」という疾患以外はごく普通の男が、屈強な男達に次々と戦いを挑んでいく姿が面白い。最初は奥手だったネイサンだが、物語が進むに連れて愛と正義感に突き動かされ、困難な状況下でも前へ前へと進んで行くので、キャラクターにストレスを感じる事なく鑑賞出来るのもポイント。
また、30歳の冴えない独身男性(とはいえ、その年齢で銀行の副支店長なら十分成功してはいるが)が、恋を皮切りに愛の力で突っ走るというのは、共感しやすく応援したくなる。
「痛みを感じない」からこその、床に散らばったガラス片を拳に突き刺して戦ったり、相手の頭を両脚で抑えた際に刺さっていた矢で頭をブチ抜くといった捨て身の戦法が見ていて新鮮。ラストの骨折して露出した腕の骨で相手の顎から脳天を突き刺すのはやり過ぎ感あって若干引いたが。
ロスコー役でトム・ホランド版『スパイダーマン』シリーズでネッド役を務めていたジェイコブ・バタロンが、本作でも主人公の良き理解者・協力者として活躍しているのも面白かった。詰めの甘さから、ここぞと言う瞬間に輝けないのも、お喋りな性格から女性に「黙って!」と言われる姿も憎めない。
警察側もネイサンの行動に対して物語の流れを止めてしまうような妨害はせず、絶えずストーリーが前へと進んでいくので、そうした脚本の配慮からもスムーズに鑑賞出来る。
クライマックスのアクションには、もう少し派手さが欲しかったところではあるが、全体的にアクションの組み立て方も面白く、印象的なシーンも多かったので満足度は高い。
【総評】
冴えない男がヒーローとして覚醒していく姿をストレス無く見せ、コミカルなやり取りと爽やかなラストからも、気軽に観られるポップコーン・ムービーとして優れた1作。
興行収入は損得ラインを超えてはいないのだが、「もう1作くらいは、このキャラクター達を観たい」と思わせてくれたので、気長に続編も期待したい。
痛くないけど怪我はします。
意外とうまい設定と脚本
痛みを感じない人間と聞くと、本作でシェリーが発言したようにスーパーヒーローみたいじゃん!と思ってしまう人が多いと思う。でも痛みを感じるということは、身体の危険信号でもある。重要な器官をやられたら命を落とすし、傷を負った個所は止血もしないといけない。だから、主人公ネイトが様々な医療知識や雑学を持っているのはなかなかうまい設定だった。
さらにうまいと感じたのは無痛という疾患のためにネイトが人との関わりを避けて生きてきたという設定。シェリーという女性に出会い、人生を前向きにリセットする物語に仕上げていた。
そして肝心のアクションシーンも面白かった。無痛だからこその攻撃・反撃みたいなシーンがふんだんに散りばめられている。なかなか斬新な敵の殺し方もあって、何回も顔をしかめつつニヤリとしてしまった。制作前の企画段階で、無痛の人間に何ができるのか、もしくはどんなことをされたら痛そうか。そんなことを会議で列挙していったに違いない。そんな想像が膨らむ映画だった。
ちなみに悪党が拷問をかける時、Chiacgoの「You're The Inspiration」が流れたのは笑えた。こんな甘い曲かけられてるのに痛い思いするってギャップを味わせるためってことか。イカれた選曲だ。
最後のシェリーのセリフを聴いて、続編あるんじゃないか!?と思ったのは自分だけだろうか。十分あり得る。期待してしまう。
マイナスイメージなトレーラーを覆される本編
劇場で何度もトレーラーを観て、その「悪ノリ」っぽい印象から正直なところ劇場鑑賞を迷っていた作品。他にも候補にしていた作品はあったのですが、結局、天候やタイムスケジュールなどを考慮して観やすい本作をチョイスし、会員サービスデイにTOHOシネマズ日本橋で鑑賞です。
まず、本作は先天性無痛無汗症(CIPA)という難病の症状を、「身体的特徴」と捉えてスーパーパワーのように扱う(或いは、そのように見える)点や、容赦のない暴力とその結果生ずる結構なゴア表現の数々に、作品に対してネガティブな感情をお持ちの方が少なからずいらっしゃるはずです。ですが、そのストーリー自体は思いのほか骨太な印象。自身の疾病を考慮するあまり「Nobody(何者でもない)な存在」であることを選び、出来る限りの人付き合いを避けてきたネイサン“ネイト”・カイン(ジャック・クエイド)が、人を想う気持ちをきっかけに積極性が引き出される、まるで奇跡のようなクリスマス2日間の出来事です。
真面目さだけが取り柄のような存在である銀行員ネイサン。顧客であるアール(ルー・ビーティ・Jr.)の亡き妻への想いが頭に残り、ついつい考え込んでいるタイミングに声を掛けてきた部下(の一人である)シェリー(アンバー・ミッドサンダー)に驚き、粗相をしたことがきっかけで思わぬ展開が始まります。
学生時代、自分の身体的特徴によって暴力を振るわれていたネイサンは、“ノボカイン(局所麻酔薬の一つ。薬品名)”と呼ばれて虐められていましたが、シェリーはネイサンの持つ身体的特徴を「それってスーパーパワーね」と肯定し、少しの戸惑いや違和感もなく受け入れます。更にシェリー自身の過去や弱みまでも打ち明けることで、二人の仲は一気に縮まっていきます。ところが翌日、突如襲ってくる事件が元で連れ去られるシェリー。ネイサンは居ても立っても居られず、シェリーを追いかけて自ら災難に巻き込まれていきます。
それまで、自分のリスクになる可能性がほんの僅かでも(それが、他人にとって全く考えもしないことだとしても)、近づくことさえ避けてきたネイサン。それが一転、何なら「中2かよ」とさえ思える衝動的な決断と行動にでるネイサンに「踏み出す勇気」をくれたシェリーは、彼に新しい世界を開かせるきっかけをくれた初めての存在。そんな彼女を救うためなら、例え茨であっても最短距離の手段を取り、そして自己犠牲も厭いません。また、そんな無鉄砲極まりないネイサンを度々救うこととなる、オンラインゲーム内(だけ)のチームメイト・ロスコー(ジェイコブ・バタロン)がそのキャラクター性も含めて「待ってました!」な存在感。“トムホ版スパイダーマン”におけるネットさながらに、主人公との絶妙な距離感、そして天然スーパーパワー(?)を感じさせる予想外の活躍があって最高です。
不謹慎さを責められかねないくらい「自主規制なし」な暴力的シーンと、思わず目を逸らしたくなるほどの痛々しい表現連続ですが、ネイサンの想いの強さから「最後まで行く」一心不乱さに、ついつい熱くなる涙腺。「果たしてそんな映画か」と否定されたとしても、私としては観て良かったと思えた作品。勿論、個人差はありますので、観る観ないの選択は自己判断でお願いいたします。
意外なほどウェルメイド
まぁよくあるアクション・コメディだろうなと、あまり期待せず、というか空き時間があったので観てみたら、これが意外なほどウェルメイドな作品だった。
主人公が痛みを感じられないことを単にコメディの素材として扱うのではなく、そのためにどんな不便があるか、だったりそのことで彼女と通じ合えた経緯なども描くのでけっこう序盤でかなり掴まれた。
いざ事が起こってからのアクション・コメディ部分においても主人公のパーソナリティを上手く使って物語をドライブさせる。単に退屈させないってだけでなくて、応援したくさせる。ホント拾いもの、といっては失礼だけど、良かった。
ただ、だからこそただのドタバタしたフザケた映画だと思わせる予告編やポスターはいただけない。もうちょっと作品を愛してほしいところ。
分析しない寛容力と鈍感力が必要
出落ち感満載。
痛みを感じない主人公が、銀行強盗犯に人質として誘拐された好きな女の子を助けたくて追跡するだけの話で、基本強盗犯の攻撃を受け止めて、そのまま返すだけ。
見ていて「いたたた」となるかは、観ている側の想像力・共感力と、加えて寛容力と鈍感力次第。
「感じないのは痛みだけで、触ったり当たったりする感覚はある」という設定なのが、ある種ご都合すぎて、シーンごとに「なんで攻撃を受けて動きが止まるの?」みたいに思うし。
そもそも「痛くなくても、失血や欠損では肉体活動そのものが止まるでしょう?」という人体構造の基本や、「この病気は発汗しないため体温調節できず、興奮もしちゃいけないし、過激な運動も命取りのはずだが?」という実際の病気に関するわずかな知識に基づき、違和感や疑問も沸く。
ましてや「身体に物が刺さるところはCG主体だな」と冷静に分析しちゃったら、それっきり。
私はそんな具合に分析しちゃう派なんで、のめり込めず……どころか割とダメでした。
ただ、映画としての主題は、「出会ってピンときた、運命の女性との心の結びつき」にあり、そのために奮闘する主人公ってあたりは、オチも含めて割と王道なエンタメに仕上がっているので、細かいことを気にしない鈍感さで楽しめば許容できると思います。
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