劇場公開日 2025年6月20日

「だんだんと癖になる視覚的痛みに笑うしかない」Mr.ノボカイン 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5だんだんと癖になる視覚的痛みに笑うしかない

2025年6月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

彼は全く痛みを感じない。それは今の映画潮流からすると速攻でスーパーパワーおよび地球を救うヒーローとして分類されがちな特性ではあるが、本作の主演が「The Boys」のジャック・クエイドであることはその可能性に早々にフタをする。あくまで現実に根ざしたコメディ的範疇で遊ぶのが本作の面白さだ。この主人公は無痛だから強いのではなく、むしろ生きるために慎重にならざるを得ない。でも状況次第では自分に課したリミッターを解除して、命がけの大爆走もできるのだという、二重三重の価値転換を経た上で辿り着くごく普遍的な境地にも親しみを覚える。そこからはもう矢継ぎ早で繰り出される視覚的痛みの波状攻撃に身を委ねるのみ。普通のアクションなら敵の一発をテンポ良くよけるところを、本作では絶妙なタイミングで辛うじて受ける、もしくは殴られ、ぶっ刺される。痛い。でも楽しい。そんな新感覚の刺激が癖になってる自分にもう笑うしかない。

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牛津厚信
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