「分析しない寛容力と鈍感力が必要」Mr.ノボカイン コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
分析しない寛容力と鈍感力が必要
出落ち感満載。
痛みを感じない主人公が、銀行強盗犯に人質として誘拐された好きな女の子を助けたくて追跡するだけの話で、基本強盗犯の攻撃を受け止めて、そのまま返すだけ。
見ていて「いたたた」となるかは、観ている側の想像力・共感力と、加えて寛容力と鈍感力次第。
「感じないのは痛みだけで、触ったり当たったりする感覚はある」という設定なのが、ある種ご都合すぎて、シーンごとに「なんで攻撃を受けて動きが止まるの?」みたいに思うし。
そもそも「痛くなくても、失血や欠損では肉体活動そのものが止まるでしょう?」という人体構造の基本や、「この病気は発汗しないため体温調節できず、興奮もしちゃいけないし、過激な運動も命取りのはずだが?」という実際の病気に関するわずかな知識に基づき、違和感や疑問も沸く。
ましてや「身体に物が刺さるところはCG主体だな」と冷静に分析しちゃったら、それっきり。
私はそんな具合に分析しちゃう派なんで、のめり込めず……どころか割とダメでした。
ただ、映画としての主題は、「出会ってピンときた、運命の女性との心の結びつき」にあり、そのために奮闘する主人公ってあたりは、オチも含めて割と王道なエンタメに仕上がっているので、細かいことを気にしない鈍感さで楽しめば許容できると思います。
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