劇場公開日 2025年9月26日

「バンドとしての化学反応を楽しむことができる」レッド・ツェッペリン ビカミング kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 バンドとしての化学反応を楽しむことができる

2025年10月7日
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鑑賞方法:映画館

Led Zepplelinのライブって音源では聴いたことはあっても映像として観ることはほとんどなかった。しかも本作は結成してセカンドアルバムが売れたあたりまで。みんな若い!
序盤は少し退屈だし若干眠くなるが、メンバーそれぞれのバックボーンが違うことを伝える意味でなかなか興味深い。それぞれの演奏技術が高いことは当然だと思うが、4人で演奏することで化学反応を起こしている現場を見ているような感覚になる。あぁ、これがバンドってやつなんだと。この時代にあの音の分厚さは驚愕だ。さらに、新しい音を生み出そうと試行錯誤している姿勢が伝わってきた。技術的な進歩もあって 1960年代後半から様々なバンドが新しい音を追求してきた印象がある。The Beatles、The Beach Boys、The Who、そしてLed Zepplelinもそうだったってこと。
アメリカを地道にツアーで回り、徐々に人気を得ていく流れ。当時の音楽業界って、ライブで人気を出すものなんだよな。アメリカでそれなりに人気が出ても本国では認知度が今一つってのも面白い。イギリスで行われたライブ(テレビ収録?)での観客の反応もそうだ。耳をふさいでいる子どもがいたり、若干しかめっ面の人がいたりする。新しいものが生み出されたとき、一部の人はこんな拒否反応を示すのかもしれない。しかもイギリスだし。でも、そんな場所でThe BeatlesもThe Rolling Stonesも、そしてSex Pistolsも生まれたんだなと。UKロックの奥深さに感慨深くなった。
1960~1970年代のロックバンドのドキュメンタリー映画が最近増えているが、そろそろネタ切れになる可能性もあって、今後は1970年代後半から1980年代のバンドに移っていく気がする。そんな映画も楽しみに待ちたい。

kenshuchu