劇場公開日 2025年9月26日

「唯一無二のバンド」レッド・ツェッペリン ビカミング custard pieさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 唯一無二のバンド

2025年10月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

半世紀近くファンを続けてきて、オフィシャル以外のものも含めていろいろ音源も聴き映像も見てきたので、音声が同期した演奏では目新しいものはありませんでした。

が、それでもこのドキュメンタリーが圧倒的なのは、45年前に亡くなったジョン・ボーナム以外は現在のメンバーだけが語り、ボンゾ(ジョン・ボーナム)も生前のインタビューで語っていて、メンバー以外の発言は一切ないということ。このバンドについてインタビューされることを嫌っているロバート・プラントが、そういう態度を微塵も見せずに素直に語っているということ。ジョン・ポール・ジョーンズも含めて現在も存命の3人の発言の偏りがないということ。これまでほとんど露出のなかったジミー・ペイジ以外のバンド結成前の写真がふんだんに見られること。

そして何よりもボンゾが他のメンバー3人について語っているインタビューを他のメンバーがさも愛おしい表情で聞き入っているのが見られたこと。

もちろんLed Zeppelin を知らない若者が見ても、演奏シーンだけでおそらく充分に驚き楽しめる内容だったと思います。今から56〜55年前、アポロが月に行き、太陽の塔で世界の国からこんにちはと言っていた同じ時期にこんなライブパフォーマンスをしていたバンドがあったなんて。できたての見たこともないパワーがみなぎる演奏を、当惑するオーディエンス尻目にぶっ飛ばして行くのですから。

アルバムでは多重録音を駆使して緻密な音の積み上げをするバンドですが、ライブで楽器隊3人にボーカルだけでサポートのミュージシャン一切なしで即興演奏の比率の高いスリリングで、ど迫力の演奏をする、ライブとアルバムのアプローチがここまで違うバンドは他に知りません。

ボンゾが不慮の事故で亡くなって、他のドラマーを入れて存続しなかったことは必然であったこと、この4人でしか出せない音、音楽がLed Zeppelinだと残りのメンバーが強く思っていることがやっと理解できたように思います。

8月からオフィシャルのスタジオアルバム8つとライブアルバム3つ、広島と東京でのブートレグを繰り返し聴くZep三昧の日々の後に映画を観て、このバンドの音は本当に唯一無二であると感じています。アルバムでもライブでも全ての楽器とボーカルが絡み合い不可分の音の塊となってそこにある、彼らのアルバムの一つタイトルであるPresenceを感じられる映像と音でした。今回はIMAX 上映館ではなかったので、IMAXでもう一度見に行くことにします。

custard pie
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