劇場公開日 2025年9月26日

「自分の中に人と違うものがあるなら、才能を信じて努力すべきだ」レッド・ツェッペリン ビカミング とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 自分の中に人と違うものがあるなら、才能を信じて努力すべきだ

2025年9月27日
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ツェッペリンになりたい?「レッド・ツェッペリンになる」方法は、自分を信じてチャンスに飛び込む・賭けることだ!!!! 成功の秘訣は、目の前の仕事に全力を尽くすことと、チャンスが目の前に転がってきたら逃さずに掴むこと。でないといくら才能があっても埋もれてしまう。
彼らもまたレールに敷かれた人生や成功を保証された方法で楽にそこまでの成功を掴んだわけでなく、他の人達と同じ人生の選択に迫られ、その度に自らの意志でリスクを取ってきたということ。彼らがその一歩を踏み出さなければ他の人と同じように、会計士や譜面をめくり続けるセッション・ミュージシャンで終わっていたかもしれない。誰しもが安定志向より夢を追いかけてチャレンジするリスクを取ったからこそ、伝説は生まれた。チャンスを逃さない覚悟、普遍的なテーマではあるがやっぱり一度きりの人生"やりたいことやろうぜ"ってことに尽きると思う。強いて言えば、他の誰かでなくこの4人が同じバンドに集い、組んだということが運命だ!そして、仲間同士で切磋琢磨して高め合う。
本作冒頭は、絶対にGood Times Bad Timesのあのアイコニックなイントロで始まるだろうと賭けていた。その正解は、ぜひ映画館で確認して!

「シングルなんか出したくなかった」アルバム・バンド。ファンだからその考えは前から知っていたけど、その考えがここまで他の点にまで具体的な影響を及ぼしていることを再確認できてよかった。
例えば、ビートルズ中後期以降やビーチボーイズのブライアン・ウィルソンなど、革新的なレコーディング技術へ貪欲にトライ試行錯誤してきた創造主ジミー・ペイジ。…だけど、彼も元々は他のセッション・ミュージシャンと変わらない一人だったはずだ。それが一歩を踏み出したことで人生変わって、ここまで偉大な存在であると証明できる。つまり誰もが勇気を持って一歩踏み出せばそうなり得る無限の可能性を秘めているにもかかわらず自ら摘み取ってしまっている"Your Time Is Gonna Come"ってことで、夢中こそ最強のクリエイティビティ!
アルバムを作って売り込んだほうがいい。アトランティックとの、レーベルが作品に口を挟めないアーティストファーストな異例の契約。レーベルの重役たちはスタジオに入れない。

音楽という"女"に心底惚れ込み人生をかけて胸いっぱいの愛を注いだ4人。レッド・ゼップ!レッド・ゼップ!
バンド史上初公式ドキュメンタリー映画は、タイトルからもわかる通りキャリア全体を総括するのでなく、あくまでセカンドアルバムまでのバンド史の始まりを描き再訪する。ボウイもストーンズもフーもキンクスも(ビートルズはいなかった)、シャーリー・バッシーのゴールドフィンガーも、名のしれたミュージシャン達の後ろで演奏していたペイジとジョーンズ、そして妻の尻に敷かれていたボンゾとヤンチャなプラント。彼らの中でそれぞれの今なお息づく、今日まで続く影響。そうした違うバックグラウンドから、運命の出逢い。からのメンバー中3人既婚者の米ツアー生活。
亡くなったボンゾの1980年当時の貴重なインタビュー音源も聴くことができて、最後には目頭が熱くなる瞬間もあった。王室が座りそうなくらい豪華絢爛イカつい椅子に座ってのインタビューと、貴重なアーカイブの数々。映画館の音響で聴く迫力のサウンドと、スクリーンで見るライブ映像には思わずノらずにいられない!幻惑された。

自分とツェッペリンとの出会いは、中学生のときにベストアルバム『マザーシップ』のCMを見て、そこで流れていたImmigrant Songに惚れ込んだこと。あるいはそれ以前に聞いたことがあったのだろうか、名曲あるあるで初めて聴いても、既に聴いたことあるようなくらいスッと自分の中に入ってきて遺伝子レベルで反応してしま既視感(デジャヴ)すらあったかも。高校のときには軽音でドラムを担当していたけど、ボンゾはそのときから今でも変わらず一番好きなドラマー(本作でもそうだけど、ライブ映像のときについつい目が行っちゃう)。大学のときには、サマソニでロバート・プラントをほぼ最前列に近い場所で見られた思い出。

字幕監修:山崎洋一郎

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