劇場公開日 2025年5月30日

秋が来るときのレビュー・感想・評価

全89件中、81~89件目を表示

2.5キノコ日和

2025年5月31日
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怖い

驚く

パリから引っ越しブルゴーニュで一人暮らしをする婆ちゃんの。娘&孫や親友とその息子との関係のお話。

ミシェル宅に孫のルカを連れてやって娘のヴァレリーがやって来て、キノコ料理を振る舞って始まって行くけれど、いるよねーこういうのほほ〜んとしつつも我道を行っちゃうお年寄り。
そしてなんだか冷たい接し方の娘…と思ったら、そんな態度の癖に家や金の無心だけはご立派なクソ娘。

親友マリー=クロードの息子ヴァンサンの登場で、えっ!?からのえぇっ!?そんな話し!!!?

そこからの流れも、ミシェルはなんだか能天気…と思っていたけれど、これはどうみたら良いのでしょう…まさか計算?

素直にみたら良いのか捻くれた見方をしたら良いのかと、どちらともとれるという意味では面白かったけれど、素直にみてしまったら全然面白くないし、捻くれてみたら物足りないし…ちょっと中途半端だったかな。

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Bacchus

3.5「安定と信頼」のフランソワ・オゾン

2025年5月30日
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鑑賞方法:映画館

ペース良く作品を発表し、そしてどれも一定水準以上のクオリティで「安定と信頼」のフランソワ・オゾン監督。公開初日の本日はあいにくの雨天となりましたが、TOHOシネマズシャンテ11時からの回はそれなりにお客も入っていて、オゾン監督の人気が裏付けられているように思えます。
物語の主人公ミシェル(エレーヌ・ヴァンサン)は独り、自然豊かなブルゴーニュの田舎で人生の終盤を過ごしています。家庭菜園で食材を賄い、勝手知ったる台所で要領よく作られるミシェルの料理とワインに心奪われ、即、彼女に感情移入してしまう単純な私。とは言え、作品を通して彼女を取り巻く人たちの選択のアレコレに、一般的な善悪という判断だけでは収まり切れない難しさもありますが、決して否定しきれない人間臭い人々とストーリーについ、自分自身の「人生」を考え直すような一本です。
序盤、久しぶりに会う娘と可愛い孫の来訪を待ちわびつつ、二人に振舞おうと古くからの親友マリー=クロード(ジョジアーヌ・バラスコ)と連れ立ってキノコ狩りへ向かうミシェル。図鑑と見比べながら注意深く選別したつもりでしたが、そのキノコの料理がまさか、その後のミシェルの人生を揺るがすような、思いもよらぬストーリーの幕開けとなります。紆余曲折していく展開と、その都度「どちらに転ぶか」の岐路の連続に、観ているこちらも試されている気分になって気づけば夢中に。そして、わざとらしくならない範囲で判りやすく且つ巧みに「伏線」を置いてくれるため、後のシーンで早々に「あれの回収」だと気づいて見入ることで感慨が深まって、より一層印象に残ります。
結果はあくまで結果であり、それは抗うことのできない「さだめ」。大切なのは相手のために「善かれ」と思って採る選択と行動。人生には思い通りにならないことが多々ありますが、そのことで誰かを恨むのではなく許す(赦す)ことで、自分を苛む苦しみから解かれて安らぎます。まさかの運命が待っていたミシェルの人生終盤、苦労や不幸を感じることも少なくありませんでしたが、最後のシーンを観ればミシェルが「報われた」と感じたに違いないと確信を持てて「良かったね」と声を掛けたくなります。
本来なら、キリスト教(カトリック)に関する理解があればより深みを感じるだろう本作ですが、無宗教或いは無神論であってもしみじみ自分の人生を思い返し、わだかまっていることを解消したくなるような前向きさをもらえる一作。やはりフランソワ・オゾンは見逃せない。

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TWDera

3.5ルカは良い子

2025年5月30日
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鑑賞方法:映画館

フランス伝統のちょっと捻った人情噺。
「何が言いたいのかわからん」と怒る人は幸いなり。きっと過ちや挫折を自覚したことがないに違いない。カミがシュクフクしてくれるだろう。
それはともかく、人生の秋にこういう収穫の仕方があるんだなぁ…

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ひろちゃんのカレシ

3.5分かりあえたなら。

2025年5月30日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

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SAKURAI

4.5あちこちにいろんなものが隠れてる

2025年5月30日
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鑑賞方法:映画館

怖い

知的

幸せ

オゾン監督の映画を見る幸せ(「サブスタンス」を見た後だったので特にほっとした)。ファスビンダーloveのオゾン作品とも異なり、今作はとても静かで穏やかでセリフも最小限。主役ミシェルを演じるのは80才の女優、エレーヌ・バンサン。小柄で、顔立ちも仕草も表情も話し方も可愛い、しっかり者。でも落ち込んだらまだ日が高くてもベッドにもぐり込む。

親友マリー=クロードの息子ヴァンサンは久しぶりに彼女を見て言う:「ミシェル、相変わらず可愛いね!」。ミシェルは人生の色々な局面で幸せも辛さも悔しさも悲しみもすべて経験してきた。人生の最後に近づいた今、親友や孫や森や本やクロスワードパズルと共に、お料理しながら、死の到来を待ちながら、前向きに生活している。

舞台は、秋のブルゴーニュの森。静かで木々はまだ葉を完全には落としていない。地面は湿気をたっぷり含んだ土と落ち葉で覆われている。オゾン監督は映画のあちこちに秘密や優しさや怖さや複雑な感情をポンと置く。それだけで後追いしない。だから後から私たちは、あれは何だっけ?あれは・・・えっ?など私たちを考えさせてくれる、自由に。その自由が嬉しかった。

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talisman

5.0文句なし!オゾンワールドにハマってしまう作品

2025年5月30日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

癒される

文句なし!さすがオゾン監督。オゾン監督作品にしては重いが、何故か観やすく音楽も◎。心が穏やかになっていく魔力もある。作品のテーマとしてはよくある題材だが、今、希薄になっている家族関係を考えさせてくれる作品だった。ミシェルは娘とは過去の事で関係が悪化したままだが、友人、友人の息子、娘の孫のサポート・愛に支えられる。家族との関係、人生の最後をどう過ごすか色々考えさせられた作品だった。素晴らしかった!

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ナベさん

3.0演技とは思えないエレーヌ・バンサンにひたすら絶句!

2025年5月30日
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鑑賞方法:映画館

エレーヌ・バンサンのお婆ちゃんに心が大きく揺さぶれてしまいました。
細やかな仕草、目と口元だけの動き、軽く吐いた溜め息だけで、彼女の心境が直に伝わってきます。
全てが自然で、演技しているように見えませんでした。
しかも、彼女の立場が変わる度、悲しくなったり、不安になったり、嫌な気持ちになったりとこちらも穏やかな心情のまま鑑賞できなくなっていきます。
穏やかな映像からは想像も付きません。
オゾン監督の思う壺。
見事に嵌められてしまいました。

「全ては○○れと思う事」には様々な意見もあるでしょうから一緒に観た人と話してみる価値は大いにあると思います。

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かもしだ

3.0心のひだに潜む影の存在への気づき

2025年5月6日
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鑑賞方法:VOD

知的

癒される

 主人公のミッシェル(エレーヌ・バンサン)がパリで仕事をしていた時代からのい友人マリー=クロード(ジョジアーヌ・バラスコ)と二人で語り合いながらブルゴーニュの紅葉の森の中をキノコ採りに歩く情景は、人生の実りの秋(とき)が感じられて美しい。司教が語る
 物語の冒頭、主人公ミシェルが教会の礼拝で祭司が語るナルドの香油を惜しげもなくイエス・キリストに塗る説教に耳を傾けているシークエンスが描かれている。しばらく観ていて、なぜこの礼拝のシークエンスが挿入されているのか分からなかったが、物語の終わりに近づき気づかされた。ミッシェルが語らずに守り続けた秘密と、家族との和解と赦しにつながる、見応えのあるサルペンス要素をもったドラマでした。

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JC-LORD

3.0落ち葉は葛藤を覆い隠す

2025年3月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

知的

関係が良好とは言えない母ミシェルと娘が久々に再会するも、ミシェルが作ったキノコ料理を食べた娘が病院に担ぎ込まれた事で生じる疑念を発端に、ミシェルの親友とその息子が絡み…
人の為に行う善意は、必ずしも善き事になるのか?他方から見れば有難迷惑でしかないのか?…そんな倫理的葛藤が描かれるわけだが、これがなかなか深い。秋という設定にしたのは、大量の落ち葉がそうした葛藤を覆い隠すというメタファーに感じた。
葛藤の末に導かれる「嘘」と「選択」。それは自分勝手と捉えられるかもしれないが、平穏に生きていきたい、もしくは安らかに終活を迎えたいという人の真理なのかもしれない。
日本公開は初夏だけど、物語設定と同じ秋シーズンに観るとよりまた染みるかも。

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regency
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