「単なるコメディではないコメディ」犬の裁判 関東Bluesさんの映画レビュー(感想・評価)
単なるコメディではないコメディ
実話に基づいたフランスの法廷コメディ。なんとワンコが被告人!…という事でずっと楽しみにしていたので早速映画館へ。
フランス映画好きにはたまらない、かなりオープンなセクシャルトークに顔を赤らめることもなく話しを聞き、何ならそのセンテンスを後ろの人が振り返るぐらいの声で繰り返してしまう主人公のうだつの上がらない弁護士のアヴリル。この方、レティシア•ドッシユはなんとこの映画の監督だったという!素晴らしい。
コミカルな掛け合いが多く、笑っちゃうシーンもたくさんあったが、実はこの映画、様々な考えさせるテーマが盛り込まれている。本来は野生動物なのに、ペットが野生の顔を見せると慌てる人間。ワンコのコスモスが女性を特に襲うということから、女性蔑視だと相手側に言われ、くだらないと思いつつも男女平等に接する事が出来るようにトレーニングするアヴリル。人間の身勝手さは、動物にとって気の毒でしかない。かなり重い内容ではあるが、コメディにしてる所で重すぎず助かった。コスモスが森の中で遠吠えするシーンはとても綺麗で、やはり野生の中にいる方が幸せなんじゃないかと考えさせられた。コスモスを殺傷処分にするなんてやめて〜!と思いながら観ていたが、ロレネのマスクを外した瞬間に露わになった顔の傷には複雑な心境になった。ま、それでも面白い掛け合いが続く法廷だが、コスモスを理解すべくあらゆる専門家を呼んだ裁判官には心温まる。
感想が長くなったが、コスモス演じるワンコといい、全ての役者の演技が素晴らしかった。
全く個人的ではあるが、アヴリルのアパートの色使いが素敵で、いつかあんな風にしたいなーと。引っ越した暁にはまたこの映画を観て参考にしたいと思う。
あ、あと、隣の方、遅れて入ってきて欲しくなかったなー。体避けたり荷物動かしたりして冒頭の面白い掛け合い、ちょっと見逃しました(涙)。その後も、4,5人が本編始まってからゾロゾロ入ってきて… あれ、迷惑ですよー、ホント。
今後、私が何らかの事情で遅れたら… 帰ります。
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