「待て、しかして希望せよ」モンテ・クリスト伯 セッキーかもめさんの映画レビュー(感想・評価)
待て、しかして希望せよ
船乗りのエドモンダンテスは、恋人との結婚を迎えていた。仕事では船長に抜擢され、すべてが順風満帆であった。しかし、結婚式当日にダンテスはあらぬ罪により逮捕されてしまう。それには3人の裏切り者が加担していた。脱獄に成功したダンテスは3人に復讐を誓う。
私が初めて読んだ長編の小説は、モンテ・クリスト伯である。読了するのに3年間ほどかかったと思う。登場人物が多く、人間関係が頭の中でぐちゃぐちゃになりながらなんとか読んだ。そんな思い入れのある作品の映画化を知り、はるばる日比谷まで足を伸ばすことにした。
鑑賞した第一の感想としては、うまく3時間にまとめたな、である。
原作は長編であり、そのまま映像化すると10時間以上は必要ではないかと思う。そこを本作は、いつくかの設定の変更により、3時間でまとめることに成功した。当然これによる面白さの半減はあるものの、モンテ・クリスト伯のお試し版としては良く出来ていると思う。特に、ヴィルフォールとダングラールを同時に復讐したのは見事であった。アルベールとエデを恋仲にしたのは賛否両論あると思うが、時間の関係上と言われれば大胆な変更でなるほどと思った。
ただし、一点だけどうしても譲れない部分がある。それは、脱獄シーンである。本作は一言で言うと「復讐劇」である。これを引き立たせるには、絶望を強く描く必要がある。これの最も重要なシーンの1つとして脱獄シーンがある。本作では、天気が良く、波も立っていないバカンス風な海へ投げ入れられる。そして、スルスル袋から出て、スイスイ泳いでしまう。これはまずい。原作では、暗い海に荒れる波、泳ぎが得意な彼でも生死の境を彷徨い、運良く孤島に辿り着く。私は、この経験がエドモンダンテスをモンテ・クリスト伯たる度量の持ち主へ変貌させるきっかけになった出来事であると思っている。
逆に原作以上に興奮したのは、オートィユでの晩餐会である。モンテ・クリスト伯がヴィルフォールとダングラール夫人を追い詰めるシーンはドキドキした。2人が過去の罪を思い出す様が表情からよく伝わった。
伝説的な原作を映像化するのはとても勇気のいることだと思う。なぜなら、どう作っても原作と比較され批評されやすいからである。映像で観れただけで感謝しなければいけない。最後のダンテスの言葉を座右の銘にしたい。
カンカン!生きてるか? にしてしまった弊害だと思います。屍体袋に潜り込むのも点呼があると難しい、あんなハラハラ要らないですよね。あとイフ城塞からひと泳ぎも酷い。
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