「ぶれずにテーマを伝え続けていた」それいけ!アンパンマン チャポンのヒーロー! コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ぶれずにテーマを伝え続けていた

2025年7月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

出だしの「2歳児を喜ばせるためにまず歌う」シーンに、おっさんとしては少々眠気が生じたのはご愛敬。

アンパンマン誕生秘話が、ゲストキャラ・チャポン誕生に重なる作り。
「誰が親でどこから来たのか」が重要ではなく、主題歌の如く「何のために生まれて、何をして生きるのか」という、アイデンティティー、生き様の物語。
TV本編でも映画でも、何度でも扱ってきた、作品そのもののテーマ。

というか、永遠の「2歳児メイン5歳まで向け」という課題を持ち、子どもは卒業して次の世代へ入れ替わっていく『アンパンマン』は、作品の持つ根幹を手を変え品を変え、ぶれずに見せていく必要があると思います。
2006年の『いのちの星のドーリィ』が、ほぼ同じ題材でしたから。
といっても『ドーリィ』には「生と死」というテーマが重ねられていたのと。
「いい子なんだけど、初めて知った自由に限度を知らず悪いことをしてしまうドーリィ」と、「悪い親から生まれたんだけど、いい子でいたいチャポン」という真逆の見せ方をしていたのではあるのだけれども。

ただ、小学生以上でも好きな人は好きだし、下手すりゃ私のようにおっさんになってから観始めた人間もいるわけで、面白いけどもどこかで見た既視感とともに、小さくまとまっちゃっていて刺さる部分が少ない気もしました。
『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』などと同様に、子供向けプログラムピクチャー発の年1スピンオフ映画には、大人も子供も楽しめる要素をこれでもかと詰め込んでほしい。
その結果、子供を置いてきぼりにするのは意味がないし、その辺の匙加減がむずかしいから、スタッフも大変なんだろうなと毎年思います。

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