端くれ賭博人のバラードのレビュー・感想・評価
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マカオの煌びやかなネオン色が主人公の心理を照らし出す
『教皇選挙』で血や炎よりも鮮烈な真紅の世界を印象深く描いたエドワード・バーガー監督は、ギャンブルの聖地マカオを舞台にした本作でまたも他者に真似できない独自の視覚世界を創り出した。ラスベガスを舞台にした同様の作品なら過去にいくつも見た覚えがあるが、マカオがこれほどの煌びやかなネオンに包まれた幻想都市だとは。挟み込まれるアジア色、漢字、言葉、寺院、水辺の風景も手伝って、そこはどこか冥界への入り口のようにも思える。文字通り、主人公ドイルはすでに棺桶に片足を突っ込んだ状態なのだが。目くるめく色彩感覚やコリン・ファレルが熱烈に表現するギャンブル狂の精神世界は、それだけで触れる価値あり。だが基本、その心理を投影した”彷徨い”が続くので、こういったタイプのストーリーに耐性のある人なら身を委ねて楽しめるが、逆に明快な展開を求める人にはいささか辛いところもあるかも。ただ、バカラのルールが知れて勉強にはなる。
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依存症のギャツビー
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