ネタバレ! クリックして本文を読む
偏見によるレビューですからお好きな方は見ないで下さい。MyOxfordYearを見た時あれこれって前に公開されてなかったっけと思ったのは少し前に同じソフィアカーソンが主人公をつとめるThe Life Listというのを見たからです。NetFlixのシークバーが途中で止まっていたので、また見始めました。NetFlix内には沢山の動画がありますが、シークバーのほとんどが5分の1辺りまで見た食いかけ状態になっていて、どの食いかけも見始めたことも内容も忘れているのです。おそらくソフィアカーソンが嫌になって断念したのでしょうがMyOxfordYearも見てしまったことですし毒を食らわば皿までって言うじゃないですか。それにしてもNetFlix映画のヒロインを矢継ぎ早に2本務めるなんてソフィアカーソンてどんだけ人気者なのでしょう。世間とじぶんの感覚のズレを確認する意味でも見ておきましょう。
ライフリストとはバケットリスト(やりたいこと目録)の言い換えだと思われます。
ニューイヤーズイブ(2011)というラブアクチュアリー(2003)を薄口変換した群像映画があったでしょう。あれに既に若くない内気な秘書という設定でミシェルファイファーが出てて、ザックエフロンが彼女のバケットリストをじゅんばんに叶えてやるんですよ。あの感じ良かったし、ふたりとも素敵だった。
でもThe Life Listは富者のアレックス(カーソン)が遺産を受け取る条件として、死者から訳のわからない課題(The Life List)を課せられるという話です。さいしょからきな臭くてアレックスは佐兵衛翁の遺言を聞いて激高する竹子か梅子みたいです。
RottenTomatoesの一人の批評家がこう言っています。
『『ザ・ライフ・リスト』を観た今、私は、富裕層は死という普遍的な経験においても、他者とは共感できない存在であるということに気づかされました。』
この映画は見る人のあざとさ耐性を測る映画です。サブリナカーペンターViveが大丈夫ならきっといけます。サブリナカーペンターViveとはエロス資産を使った濃厚なあざとさのことです。ステージ上でサブリナカーペンターは裾の短いのを履くのでスパッツにくっきりしたCameltoeがちらちら見えます。Cameltoeとはまんすじのことです。それはセックスアピールに他ならないものであり本人は完全に自覚しておきながら無自覚であるという皮相を装っています。女が人前でまんを晒すことなどあり得ないからですし「あらあカーペンターさんやあんたのまんまんのおすじが見えちゃってますがな」という指摘も出来ません。させることもありません。そもそもカーペンターは人気者ですからそんな指摘をしたら非難され疎外され訴えられることだってあるでしょう。
この現象はTiktok上に転がっているcleavageと同じです。まろび出るほどに胸を強調しておきながら、何も知らない処女のような涼しい顔をして、供給と需要の暗黙の了解のなかで自己顕示しているのです。
結局それはSNSが浸透した現代社会では一般化した自己アピール術であって性的なことに限りません。ただし濃厚なあざとさは秘匿することができません。必ず露呈します。ソフィアカーソンもときどき角度によってすこしだけリリーコリンズかザキトワに見えることがあるんだけど、なんかやっぱどうしてもメーガンに見えちまう、その外貌が表すものは真性です。人間のあざとさは隠せるわけがありません。
アレックスもなんだかんだ純情を装っておきながら顧問弁護士のブラッド(カイルアレン)を寝取ってしまいます。遺産管理を任された弁護士を寝取ってしまうのですから野々宮珠世が古舘弁護士を寝取るみたいなもんですわ。現象だけ見たらどんだけ姦悪なんでしょうという話ですよ。それをエロス資産を用いた戦略的愚直といわずしてなんというのでしょうか。つまり濃厚なあざとさの露呈です。もしこれにときめきを感じたならあざとさ耐性テスト合格です。ノーバン始球式の見出しが濁点か半濁点かについて少しも気にならないはずです。
原作The Life ListはLori Nelson Spielmanが2013年に発表し世界的ベストセラーになったそうですが、少なくとも映画はお股が濡れ濡れな女が遺産のために母親を哀悼するふりをしているだけです。ライフリストを通じて、アレックスは解っていなかったじぶんを反省するという展開になっていますが、この展開は後出しジャンケン型主人公擁護構造であり、ちゃんとライフリストが未達成だったときのプライズも用意されています。
ただしもちろん母役Connie Brittonに罪はありませんしMyOxfordYear同様ソフィアカーソン以外の出演者はみんな魅力的でした。まるでNetFlixに大口出資したメーガンがじぶんをヒロインした映画をつくることを条件にしたような映画でした。カメラを外れた途端にソフィアカーソンがキャストやスタッフに怒鳴り散らしている様子が簡単に想像できます。長さも悪意にしか感じられません。きっとあなたもニューイヤーズイブのミシェルファイファーを見て口直ししようって気分になるでしょう。
imdb6.8、RottenTomatoes46%と72%。