「ラストで全てが氷解する」プレゼンス 存在 かもしださんの映画レビュー(感想・評価)
ラストで全てが氷解する
カメラのブレを補正するステディカムと映る範囲を広げる広角レンズを使って撮影された視点映像で綴られた本作。
がらんとした家の中を移動する映像により観客を霊と同一化させてきます。
霊となった我々は物語の傍観者となり、入居してきた家族の顛末をひたすら観察する事となる訳です。
アイデアとしては良い試みなんですが、怖い映画とはかけ離れた作品になっているため、ホラー映画だと思って鑑賞すると安眠映画に早変わりしてしまうので注意が必要です。
特に、中盤でクローゼットの棚が壊れるまで音楽がなく、隣の席のおじさんは鼾をかいて撃沈しておりました。
それでも、徐々に明かされていく家族の(中でも娘の)物語に興味が抱けると途端に化ける作品でもあります。
観ているだけで娘から目が離せなくなり、しまいには娘が心配で仕方なくなります。
その答えはラストで明らかとなります。
人によっては疑問符が頭の中に渦巻いてしまうかもしれませんが、途中で顔を突っ込んでくる如何わしい霊媒師の言葉を覚えていれば理解できると思います。
思わず胸が熱くなってしまいました。
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