「【守護霊付きスマートホーム】」プレゼンス 存在 ジャパニーズ先住民さんの映画レビュー(感想・評価)
【守護霊付きスマートホーム】
「存在」は家族、特に娘を観察し物を操作する能力を持ち、娘の感情状態や危険を検知し最適な環境調整をする。「見えない監視者」としての幽霊の役割は、カメラやセンサーの機能と酷似している。視点が家の中だけに限定されることからスマートホームの機能と言って差し支えない。
その機能が善意を持つ反面、生活に土足で侵入する二面性をホラーとして描き出している。独特のカメラワークを駆使し、「存在」の目線から家族を覗き見るが、これはスマートデバイスの「視線」を可視化する試みとも言える。若者の薬物汚染という由々しき事態を見守り、ここぞとばかりに干渉する。
幽霊映画のお決まりの文法を借りながら、存在への依存とそれに対する不安を扱っている。私たちは「見守られている安心感」と「監視されている違和感」の狭間で揺れ動く。その両義性こそまさに親しい者に対する態度そのものだ。
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