劇場公開日 2025年3月7日

「オチに感動!!!(ネタバレなし)」プレゼンス 存在 ザ・アナキストさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5オチに感動!!!(ネタバレなし)

2025年3月7日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

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あまり相性が良く無い監督スティーブン・ソダーバーグさんの最新作。同監督の映画は「ローガン・ラッキー」以来なので久しぶりだった。
映画開始5秒で「これは行ける!」と思わせるわかりやすい設定だった。

内容としてはとある一軒家に引っ越してきた一家が体験する心霊現象!というよくある設定だが今作の魅力は家の中にいる「誰か」がドキュメンタリーに近いPOV視点でひたすら登場人物を背中から追いかけるというとても気持ち悪い設定。クローゼットがお気に入りスポットというのもストーカーみたいで気持ち悪い。観てる側は常に監視してる側なのでシーンから目を逸らすことが出来ない。人間ドラマがしっかりしていて物語は飽きない。ポルターガイスト現象をPOV視点で見せる工夫も面白かった。昔「パラノーマル・アクティビティ」みたいなのが流行ったがあれを固定カメラでは無くPOVでやった感じ。音楽はまぁハリウッド王道系。
映画を沢山観ていると「どうやって撮影したの?」にばかり気を取られてしまいホラー要素とかどうでも良くなってしまう。実際怖いかと言われたら衝撃は薄い映画なので怖さを求める人には物足りなさが残るかもしれない。
ただ「体験型」映画を求めてる人にはめちゃくちゃハマると思うしホラーを普段見ない人も今作は間違いなく映画館向きな作品なので是非トライしてほしい。

とにかくカメラマンが凄いと感じた。身体能力相当高く無いとこんな撮影できない。明らかに歩いて撮影しているがドローンとの違いもわからないぐらいに滑らかなシーンもある。それから長めのワンカットシーンばかりで構成された映画なので計算尽くされた登場人物達の動きにも注目した。音響もとても素晴らしい映画で木造の床が軋む音や外からの騒音なんかに聞き入ってしまう。これから撮影中の雑音を起用に抜いているのだから現代の音響技術の高さも感じさせてくれる映画だった。
面白い演出といえば登場人物が家から出たりドアを閉めた先の声がクリアに聞こえると言う演出が良かった。霊だからどこにいてもクリアに聞こえますよという。

最後にこの映画はオチが素晴らしい。個人的にはこのオチには納得したし最後の開放感も含めて満足度は高かった。誤解している人や謎に思ってる人もいるみたい。このレビューはネタバレはしないが家の中にいるものの正体が「ナディア」という名前だけの登場人物では無いことだけは付け加えておこう。ヒントは古い鏡と霊感が強い女性が登場するシーンで話る言葉。あと批評の中に幽霊は物を動かせるのに人間には触れないの?みたいなのを見たが「ゴースト/ニューヨークの幻」でもそうだったじゃん。。。と思ったりするのです。幽霊が何でも出来ちゃうみたいな最近の心霊物は過激な描写ばかりなのでこういう作品もあっていいかなと思う。
ソダーバーグ監督の映画では「トラフィック」以来の傑作だと思った。ちょっと近いものを感じる映画だった。

ザ・アナキスト