「京都物まね」ぶぶ漬けどうどす La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)
京都物まね
京都のお宅に伺って、そろそろお暇しようかとした時に「いや、そんな事言わんとぶぶ漬けどうどす?」つまり、「お茶漬けでも召し上がって行って下さい」と言われて、「そうですか?」とその言葉を間に受けたら、「言葉の真意も分らぬ田舎者」と心の中で笑いものにするのが京都人の底意地の悪さと言われています。東京から夫の実家の京都に移り住んで来た女性が遭遇するそんな異文化衝突のお話です。
京都に七年暮らした僕は所詮は他所から来た者のせいか、そんな目に遭遇した事はありませんでした。でも、そんな余所者の僕から見ても、本作には何故か京都の匂いが全くしません。確かに京都でロケもしているようだし、京都らしい台詞もあるのですが、誰もが想像するであろう京都に寄せた物真似にどれも見えるのです。
そして、富永昌敬のこれまでの作品『素敵なダイナマイトスキャンダル』『白鍵と黒鍵の間に』でも感じた様に、繋いでいた手を突然放す様な投げ遣りな終わり方にただポカーンとするのでした。
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