「コロンビアのイメージを悪くする映画」ボゴタ 彷徨いの地 estrellaさんの映画レビュー(感想・評価)
コロンビアのイメージを悪くする映画
韓国人達がよく南米を馬鹿にしたりコロンビア人に直接コロンビアはナルコ(麻薬マフィア)と犯罪が横行する超危険国とか言うのですが、中南米やコロンビアのイメージをnetflixから得た、ナルコの神、NARCOS、そしてこのボゴタの映画のせいでと言います。
韓国移民という以外は、昔の売れないハリウッド映画の2番煎じという感じのC級映画。
コロンビアの事も知らず、調べもせず、コロンビア人に意見もきかずに、てきとーにコロンビアのステレオタイプなイメージだけで作ってしまったという感じがします。
コロンビアのリアル、現実のボゴタと違うし、これ本当にコロンビアで撮影したのかなあと思いました。
ソン・ジュンギの奥さんはイギリスとコロンビアのハーフでコロンビアにも親族がいるので、ソン・ジュンギもコロンビアに行ったことがあるそうです。コロンビアを実際知ってるなら、奥さんや親族がコロンビア人ならなぜ彼らの意見をきかなかったのかなあ?
まずコロンビアの町や状況がまだパブロ・エスコバルがいた70年代~80年代という感じ。
麻薬王パブロ・エスコバルは93年に殺されたので、その後だんだんコロンビアはよくなり、2000年代の半ば位からは観光客に人気の都市となりバックパッカーの聖地となりました。
2010年代はもうボゴタやメデジンなどの大都市は殺人率ランキングの圏外だったし、欧米が選ぶ世界の行くべき観光地ランキングでもトップになったし、欧米企業等がコロンビアに投資し開発しまくってました。
なのに映画では、ボゴタがすごい危険な街という設定で、あちこちで大通りで殺人事件あるし、目の前で銃殺したり、マーケットをバイクで銃をぶっぱなしたりしてます。そんなこと実際ないですけど。アメリカみたいに普通の市民が誰でも簡単に銃持ってるわけじゃないし。
ボゴタにもスラムとか麻薬中毒者がいるような、観光客が入ってはいけないエリアもありますが。
ボゴタは高層ビルが立ち並ぶ大都市で、おしゃれなカフェやレストランや高層マンションが多数あります。
映画ではボゴタが常夏でトロピカルな街だと言っていて、ボゴタは標高が2650m位の高地でよく雨が降るし小寒い街です。ロングブーツを履いている時期の方が多いと思います。
トロピカルな都市はカリブとか全く別の地域です。
2008年に、南米にまだショッピングモールがないので南米初のショッピングモールをコロンビアに作るのが夢だ、という話をしていて、失礼すぎます。
コロンビアもそうだけど南米は2000年代なんか大規模なショッピングモールはあちこちにあるし、コロンビアだって日本より立派なショッピングモールなんかいくつでもありましたよ。
翻訳も、FARCのようなゲリラなんか世界的に有名なのに、ゲリラのことを反政府軍とか書いていてゲリラって書けばいいのにって思いました。
コロンビアでは2000年代からKPOPや韓流ドラマが流行っていて普通にTVでやってましたので、韓流が比較的早く流行したと思います。KPOPファンも多いし、ソン・ジュンギのファンも多いでしょう。そのコロンビア人がこの「ボゴタ」や「ナルコの神」を見て悲しく思ったと思います。
日本だったら、日本人は菊をめでる一方ですぐ刀で人を切る残酷な人間だ、日本人はちびで出っ歯でカメラをクビから下げてる、日本はフジヤマ、ゲイシャ、腹切りの国だ、というステレオタイプで映画作られたらどう思いますか?
コロンビア人にとってはハリウッドにNARCOSみたいな映画を作られるせいで、いつまでたっても国のイメージが悪くて困っていたのに、韓流にまで作られて気の毒だと思います。
映画のストーリーもほんとうにC級としか思えないお粗末な内容でした。
コロンビアなど中南米に移民してる日本人や韓国人達もいるのに、その人達にも失礼です。
たんに「ミナリ」みたいな韓国人の移民の話で終始した方がよかったのではないでしょうか。