ナイトフラワーのレビュー・感想・評価
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企画勝負だけ
シングルマザーが薬の売人って発想だけで進んだ映画、それに格闘家のバティーがいて。ただそれだけの映画。そりゃ子供との触れ合いや感動話入れればお涙頂戴映画には仕上がる。
ラストの収集の付かない感じが作品を台無しにしている。
ありがちな頭のおかしいボスも見飽きていてうんざりするし、頭がおかしいから助かるってただの幻想だろう。映画だから幻想がいいのであればシングルマザーを現実味ある感じで見せない方が良い。
犯罪に手を染めているのであれば、ラストの描き方で良いはずがない。犯罪を犯してまで子供を育てる、しかし罪は罪のラストにしなければならないと思う。「トゥルー・ロマンス」等のうやむやのラストでも成立はしただろう。
「八日目の蝉」の様なラストが相応しいし社会派映画なのではと思う。
犯罪を犯すリスクもフィクション過ぎてなんだか冷める。
女優陣
魂のこもった格闘技シーンは、ホント、よくやりきったよ😆
金を得る手段と幸福との対比
内田監督らしさあふれるシビアなシスターフッド
なんといっても北川景子さんと森田望智さんの熱演が印象的です。
社会の底辺で行き詰った生活から、逆転するための危険な賭けに出る二人。
その原動力はやはり愛する「家族」。
必死にもがけばもがくほど、不幸に足元を絡み取られ、どんどんリスキーな生活を強いられていく負の連鎖。
つかの間の幸福も描かれながら、決して明るい未来が見えない絶望的なシスターフッドとして非常に心をえぐる作品です。
内田監督らしい「雑」な部分も垣間見えながらも、緊張感あふれる映像と展開で本作ではあまり気になりませんw
また、娘の小春役を演じた渡瀬結美さんも素晴らしい……というか末恐ろしい。
終盤は特有の剛腕な展開から一転した終わり方が象徴的です。
ただ、この終わり方ですが、展開そのものには納得しても、映像的な手法にはやや疑問がありました。観客にゆだねる終わり方であり、人によっては180度違う受け取り方にもなりうるもので、どうとらえるかの部分で若干の考察の余地が生まれてしまいます。
そのことがほんの少しだけ、衝撃的な作品の切れ味を鈍らせている気もするのです。
考えさせられるが同情はできなかった
2人の子どもを育てるシングルマザーの生活は、それなりに大きな企業で働く正社員でない限りかなり厳しいことはある程度想像できる。しかも、逃げた夫の借金の返済もしなければらならないとなるとなおさらだ。
序盤から、夏希の家庭環境の厳しさがこれでもかと描かれる。ガスが止まったり、児童手当を前借りしようとしたり、スナックと昼の仕事(しかも2つ)をかけ持ちしたり。しかも会社の上司からはひどい嫌がらせを受ける。もっとこうしていたらとか、こんなことしなければいいのにとか、そんなことを考えられるような雰囲気は彼女にない。世の中、貧しい方が情弱ってことなんだよな。
そんな中、たまたま拾った違法ドラッグを使って金を得ようとしたことで犯罪の道に進むという流れ。さらに多摩恵との出会いでどんどん悪へと転がり落ちていく。観ていてつらくなることばかりだ。でも、同情心はあまりわかなかった。子どものためとはいえ、いろいろと選択を間違えている気がしたから。
北川景子は最近意欲的に従来のイメージを破ろうとする役を演じている気がする。ただ、森田望智と並んでしまうと演技力の差を感じてしまう。予告編で若干感じていた演技も大きく払拭されることはなかった。一方で森田望智の演技の幅広さは流石というところ。格闘シーンも素晴らしかった。そしてSUPER BEAVERのぶーやんもなかなかいい演技。素人らしさが逆に恐ろしさを演出していた。
そして問題のラスト。最初はそのままハッピーエンドなのかと思ったが、たくさんの違和感が後から浮かんできた。銃声が聞こえた直後に部屋に入ってきた2人が何もそのことに触れなかったり、殴られていたはずの多摩恵の顔がキレイだったり、サトウが手下に言ったセリフの意味とか、冒頭に出てきたスナック楽園のトイレに飾られていたアンリ・ルソーの夢とか。バッドエンドの匂わせもたくさん感じる。でも、これでは観る者に委ねすぎだ。ただ、悪くはない。同情はしないが、嫌な気分にさせてもらい、この社会の不条理について考えることにはなった。内田英治監督の思惑通りの反応ってことなんだろうか。
気持ちは分かる・・でもやっぱり分からない・・
夜に一度だけ咲くナイトフラワーが切ないぜ
予告で観た北川景子さんのイメージとは真逆な“貧困シングルマザー“の演技に興味を持つつ、SUPER BEAVER・渋谷龍太さんのドラッグ元締め役の雰囲気に惹かれて、それを目的で鑑賞した次第。
かなり当たりな作品でした。
シングルマザーの貧困生活の悲惨さを、北川景子さんの気迫溢れる演技で描かれて、故にその貧困から抜け出そうとドラッグ売買に手を染めてしまう彼女の母親として覚悟に胸を打ちます。同時に悪事への加担は破滅への道でしかないので、その先に待ち受けるであろう結末はいかに? 戦々恐々で観ておりました。
ところで脇を固めた女格闘家役・森田望智さんの役作りが半端なくて必見。初見だったので、短髪無骨な見た目の彼女がデリヘル嬢もやるのは無理あるっしょ、と思っていたんですが、普段の姿は見違えるほどの可愛さ。びっくり。
さて。物語は後半、悪事からの一時的な人生の持ち直しが生じつつも、やはり因果応報的な不穏な様相がひたひたと彼女たちに迫って行きます。はたして、彼女たちと子供たちの運命はどう転ぶか。衝撃のラストに注目。
ちなみにエンディングの作り方は良心的で非常に秀逸でした。
考えさせられる・・・だけどなぁと。
追いつかなかった「母親とは何か」
本作は、「母親とは何か」という普遍的なテーマを正面から扱い、その像を一面的な聖性でも感傷でもなく、多角的に提示しようとする志の高さが光る作品だ。母が抱える孤独、暴力、希望、そして諦念—その重層的な感情の揺らぎを、主人公の視点と周囲の関係性から静かにすくい上げる構造は見応えがある。
だが、その多面性へのこだわりが物語の推進力を削いでしまっているのも否めない。過酷な現実がただ積み重ねられるだけで、観客が物語に引きずられていくリズムが生まれない。起伏のなさは意図されたものなのかもしれないが、映画的なうねりを欠くことでドラマが平坦化してしまう。
さらに問題なのは後半だ。物語的な必然性の薄い「いきなり」の展開が差し込まれ、ラストでは解釈を観客に丸投げするような構図になる。余白を残す事ではなく、物語の責任を放棄に映ってしまう。前半で丁寧に積み上げたテーマ性が、後半の構成的乱れによって散漫になり、作品全体の集中が欠けてしまう。
正直、脚本兼監督の力量の不均衡が露呈てしまった印象を受ける。題材への洞察や視線の確かさは感じられる一方で、それを映画として束ね、観客を導く語りの精度が足りない。撮りたいものの「気持ち」は伝わるが、演出方針を含め映画としての「運び」が弱いため、テーマの重さに表現が耐えきれていない。
結果として本作は、意欲と主題は強いが構成と演出の脆さが惜しいと感じてしまう。母性の複雑さを見つめようとする誠実な視線ゆえにこそ、着地の甘さがより際立ってしまう。志の高さに対し、作品としての統合力が追いつかなかったか。
このような映画は増えてほしくない
日本もかなり貧困社会になったので食うに困る程の困窮も沢山あると思う。借金作って消えた夫は絶対に帰って来ないので、負わされた借金をどうするか、2人の子どもをどう養うか(或いは手放すか)、働くなら何をするかはどう考えても他に方法はあったと思う。違法薬物の売人なんぞに堕ちてしまったら抜け出せない(闇バイトに入るのも同じ)。人を不幸に陥れる行為は必ずしっぺ返しが自分と家族に来る。ラストシーンは田中麗奈は自殺で皆が助かったと解釈される方もいらっしゃるが、4人全員殺された筈なので最後のカットは明らかに幻(まぼろし)だと思う。
北川景子は美人なので汚れ役は心配したがほぼスッピンで幸が薄そうな役をこなしていた。森田望智は最近は朝ドラの抜擢でも注目されたが、今回は体づくりをして臨んだ格闘家を演じ、試合のシーンは手に汗握らせてくれた。彼女の方の主演でスポ根映画もいいかもしれない。そしてなんといっても娘役をした渡瀬結美ちゃんが良い。バイオリンもしてたようで演奏も素晴らしいし、イジメを受けても仕返しを拒絶する気丈さに涙を誘わせてくれた。
今年は「愚か者の身分」「悪い夏」などこのような闇の世界を扱う映画があったが、そんな社会を背景にせざるを得ない今の日本が悲しい。政治が解決できるとも思えない。結局、自己を強くしなければこの世は生き残れない、。
窮すれば濫す
まさかの厳しさ
苦しい
見てるのが苦しかった。
苦しいのはシングルマザーだけじゃないけど、子供が居ると色んな制約があるのは事実。
一家心中しようと思わないだけ主人公は強いのか?それとも自分勝手なのか?
とても答えは出せない。
子供を施設に入れる手段は死んでも嫌だったんだろう。でもそこが自分勝手なんだろう。
最後のシーン、楽園とはやはり天国の事だったのかなと思う。そういうシーンを映像として見なかっただけでもホッとした。
北川景子さんこれまでと違う体当たりの演技でとても良かった。森田望智さんについては知らない女優さんだったので、映画が終わってすぐに調べた。ボクサーなのかと。
試合はド迫力で凄まじかった。
歩き方や喋り方全てに置いて役になりきっていた。後で見た写真が本当にこの人なのかと疑うくらいだった。これからは、この人から目が離せない。
北川景子ってこんな役者だったんだ!
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