ナイトフラワーのレビュー・感想・評価
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本当の悪は見えづらい
本当の悪とは誰だろう……。私が見た悪党は、優しい振りして違法品を贈る元刑事の探偵や泣いて懇願している者の目の前で嫌がらせの為だけに大切な物を切り裂く同級生、また金をギャンブルで溶かした挙句飛ぶ会長とか、娘を無視し続ける金持ちの父親とか、良い顔をしながら他者を、そして家族すら踏み躙る奴らはごまんといる。本当の悪は見えづらい。いろいろ考えさせられるストーリーでモヤモヤが残りますね。ラストは彼女のこうありたいという妄想なのではないかと思う。あまりにも不可解で素直に笑えず、ドアの向こう側のこと考えるとゾッとする風景しか思い浮かばない。
なんといっても北川景子さんと森田望智さんが素晴らしい。ところどころ印象的なところがあるけど、試合のシーンが一番心に残りました。あと娘さんも凄くいいですね。バイオリンは素直に聴き惚れた。
ラストシーンまでテンポ良く進んで。。。ネタバレあり
ハッピーエンド?バッドエンド?どちらに感じた?
ナイトフラワーは噓を付くのか(ラスト考察)
いやぁ凄い映画だった。
映画の日だけどちょうどよい時間に開始するものが無かったからと言う理由で鑑賞してみたら思いのほか衝撃を受けた。特に結末に対して色々と考察が止まらず興奮したまま筆を取る、ならぬキーボードを叩こうと思う。
まずは北川景子、本当に素晴らしかった。美しい。そして儚い。たまに玉を蹴り上げる。素敵。前蹴りだったっけ?まぁいいや。乱暴な貴女にも、優し気な貴女にも、虚ろな貴女にも目が奪われた。特に餃子弁当を食べる時の表情の変化とか鳥肌もの。彼女を代表する作品になるだろうと確信した。
次に森田望智、ド迫力!面構えからしておっかない。そしてめちゃくちゃガラが悪い(笑)食い方が下品だったりするのに子供と遊ぶのはやんちゃな面が垣間見えて不器用な優しさとか全部込みで実力を感じた。格闘シーンの激しさは極悪女王を遥かに上回り(ダンプも好きよ)顔面の壊れ方はNHKに出るような女優さんとは到底思えず、朝ドラ出演のニュースで見た白いドレス姿なんか絶対同じ女性だなんて思えないくらいだった。ちなみにこちらもネトフリで恐縮だがシティハンターの香役も確かに良かった。
さてここから容赦のない結末ネタバレ考察に入っていく。
月下美人は夜にしか咲かない。
しかも劇中ではベランダに置いてあるのだから日照調整も行えないわけだし夜にしか咲かないと考えるのが普通だし自然だし事実だろう。
そしてあの特殊な演出。この世の楽園のような全員集合の幸せなワンシーンをブラックアウトして終幕かと見せかけてからの月下美人だけが画面に映し出されてゆっくりと花が開く演出が入ってくる。とても意味深。
この解釈を巡って人によって意見が大きく別れる所だろう。
そもそもラストに至るまでの10分間(感覚値)に違和感しかない。
少し遡ると、まず海がリンチされて車に乗せて山に捨てられるために運ばれていくシーンがある。つまり探偵からのアプローチに対してサトウは「売人たちを消す」方向に舵を切ったのは確実だろう。
続いて多摩恵とデカ男との闘い……とは到底言えない力の差を見せつけられて、ある意味、多摩恵の夢を打ち砕かれた後にさらなる無力感を味合わせる演出が残酷だと思うわけだが……ともかくサトウからの「三つの質問」の末にどうなったかという点について。
サトウがジムから出ていく際に「お前、母ちゃんとかいねーのか」と問いただし「俺にはいなかったっす」といった台詞があるのだが、これはサトウが夏希に情けをかけたように、お前らにも人の情けはないのか?とボヤいていると考えるのが自然ではないだろうか。つまり、情け容赦なく、あのダンベルで、どうにかされたのだろうと推察される。
続いてキラキラの一切を消した田中麗奈の銃声について。
銃声があった。
これは作中の現実世界において事実だ。
銃声が聞こえて「運動会……?」と呟いたのであればピストルを連想するのが最も自然(というか他の解釈があれば教えて欲しい)そこから嫌な予感が広がったがために小太郎がドアを開けようとした時に悲鳴を上げたのだろう。
銃声が鳴って、その眼前に立っていた小春が何もなかったかのように部屋に入ってくるはずがない。劇中で利発な子というのは十分にわかるのに、このシーンの小春はまるで「ママに抱かれるためのお人形さん」だ。事実をすっ飛ばして本人らしくない行動をしていると言う事はつまり事実というより夏希の想像の産物と言った方が正しくないだろうか。
そして一緒に部屋に入ってくる多摩恵。少なくともデカ男のパンチを浴びて鉄柱に頭を打ち付けジム機材の棚に放り投げられたはずなのに怪我一つない。これもラストにおいて明らかにおかしな点。もはや真実がどこにあるか分からなくなると同時に、最も道理が通らない点だろう。
極めつけは真昼間に咲く月下美人。
通常19時から22時ころに咲いて数時間で萎むこの花が、この時たまたま昼間にも関わらず偶然咲いたのだろうか?
売人の罪が全て赦されたような奇跡のように?
警察の捜査の手も伸びてこない幸運の証のように?
月下美人の花言葉である「儚い美」「ただ一度だけ会いたくて」を思い浮かべてみると、普段なら何気なく受け止められる言葉が、事ここに至っては実に不穏な調べに聞こえることに気づかないだろうか?
人の見る夢のようなはかない美しさ、それは幻想のように幸せなラストシーンと一致する。こと切れた多摩恵と小春が最後にただ一度だけでも会いたくてあの部屋に魂だけでも帰ってきたと言われた方がまだ違和感がない。
楽園に行くんだよって旅先のことを言うのも不自然だし、この台詞と前後してライティングが増していき幻想的かつ幸福感のある映像になっていく事からしても、このシーンは夏希の見る夢か幻なのだろう。
更に残酷な想像をしてしまうと、サトウ達があの部屋に乗り込んできて、夏希と小太郎は、あるいは夏希は、サトウの情けによって月下美人が咲く頃までは生かされていたのかもしれないとさえ考えた。なんて辛い。書いているだけでも辛い。
中盤で玉蹴りをされた男は「ヤクが少ない」と文句を言っていた。あの時だけは多摩恵の護衛に頼らず自力で撃退していたが、それを本人がやさぐれて強くなった結果だと受け取るか、多摩恵が近くに寄って来る前に黙らせる必要があったと受け取るか意味合いが大きく異なるだろう。となると、夏希は途中からヤク中だった可能性が高いのだろうと思う。
夏希のいないシーンは事実。夏希のいるシーンは幻覚もあり得ると考えると最も辻褄が合う。
でなければ、どうして小太郎はMDMAで遊べたんだろう、冷蔵庫の上の絶対に届かない所にあるはずなのに。商品をバッグに入れた後に置き忘れた?しまい忘れた?あのシーンは劇中で一二を争う冷や汗もののシーンだったが、子供にとっては劇毒であることは十二分に理解しているだろう夏希がそんなミスを正常な状態で犯すとは思えない。
考察は以上。
全体を貫くテーマとしての家族、貧困、顧みられない弱者を描いた映画としての完成度は素晴らしく、見ごたえがあり、色々と考えさせられた映画であった。
最後に月下美人と聞いて最初に思い浮かんだのが恥ずかしながら「美人薄命」だったわけだが、そんなところも自分の考察と一致するなあとのんきに考えた結果、これはレビューの締めとして肩透かし感があるので書かないでおく事とする。
皮肉な映画
ドラッグ ダメ、ゼッタイ。 テーマは母。
まだまだ生育が必要な子供二人のシングルマザー夏希(=北川景子)と格闘家多摩恵(=森田望智)のシスターフッドの物語。
北川景子は最近朝ドラ「ばけばけ」で没落士族からさらに身を落として物乞いまでやるなど思い切った演技を見せ、今作品では超貧困からドラッグの売人までやる夏希になりきり、
森田望智は、「憑依型俳優」で多彩な役に憑依し、今回は体重を7kg増やして夏希を守る格闘家になり切っていた。
2人は「マグダラのマリア」の絵のかかってるラブホテルで、夏希は従業員として、多摩恵はホテトル嬢(格闘技の資金)として働いてて、時々見かけてて、夏希がボロボロになってる時にちゃんと出会った。
その二人が貧困に立ち向かうのだが、その手段が「ドラッグの売人」だったので、私自身としては引いてしまった。やっぱりダメ、ゼッタイでしょ。
いくらドラッグで幸せになったって、そのドラッグがどれだけの人を蝕むか。
夜だけに咲く花「ナイトフラワー」。映画冒頭で夏希が客からもらって、部屋に飾っているが
ラストでは明るい時間に咲いていた、てことはラストの幸せな時間は幻、ってことかな。
やっぱ、ドラッグ売人で幸せになろうなんて、間違ってるでしょう。
もっと性根を入れ替えて、まっとうに暮らしてほしかった。
最後の方で、母親について何か考えてる元締めのボスのサトウのTシャツにも「マグダラのマリア」の絵が書いてあるのが意味深。
エンディングテーマの、ピアニスト角野隼斗による「Spring Lullaby」は良かった。
あと森田望智の役作りはすごかった。
テーマは母かな。
二輪の役者馬鹿満開スペシャル
2025年映画館鑑賞118作品目
11月30日(日)イオンシネマ石巻
FSシネマチケット1300円
監督と脚本は『雨に叫べば』『異動辞令は音楽隊!』『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』『サイレントラブ』『マッチング』の内田英治
ロケ地
東京都日野市
中国家庭料理麒麟坊
東京都大田区
南蒲田二丁目町内会館
東京都新宿区
GENスポーツパレス
東京都足立区
NOGUCHI BOXING GYM
東京都国立市
小百合幼稚園
ユリ・ミトリック教室
大阪から子供を2人連れて借金取りから東京に逃げてきたシングルマザーの永島夏希はバイトを掛け持ちをしていたがそれでも生活は苦しかった
市役所に相談しても生活保護を断られた
なんやかんやで格闘家の芳井多摩恵と親友になり子供2人も多摩恵に打ち解けた
子供のためにもカネがもっと欲しい夏希は元締めの佐藤に頼み込みMDMAの路上密売を始めることに
多摩恵も夏希のボディーガードとして彼女に協力することに
話の内容がハード
しかしラストはまさかのハッピーエンド?
いやいやヤクザが身を引いても警察は見逃さないでしょ
多摩恵はヤクザに殺され永島親子3人はみゆきに射殺される展開を覚悟したが
内田監督の人間性が垣間見えた
よくよく考えてみたら池田とか芳井とか理不尽な扱い
なぜそういう展開になるのか理解に苦しむ
それがリスクなのか
とにかく北川景子と森田望智の怪演が凄い
やっぱり北川景子は関西弁の方が良い芝居ができる
『謎解きはディナーのあとで』に続く北川景子の代表作爆誕
彼女独特の「悔しいです」顔が今回最高潮に達した
森田望智は体重増量でまるで別人
役作りで格闘技もマスターした
太ると声まで変わったと感じたのは気のせいか
彼女こそ令和の役者バカ
朝ドラヒロイン決定おめでとう
配役
夫に逃げられラブホベッドメイクと地球儀制作とホステスを掛け持ちしているシングルマザーの永島夏希に北川景子
デリヘル嬢と格闘家を掛け持ちしている芳井多摩恵に森田望智
多摩恵の幼馴染でデリヘルの送迎をしている池田海に佐久間大介
麻薬密売の元締めの佐藤に渋谷龍太
夏希の小学生の娘でバイオリンが得意な永島小春に渡瀬結美
夏希の幼稚園児の息子の永島小太郎に加藤侑大
元刑事の探偵の岩倉に渋川清彦
総合病院院長夫人の星崎みゆきに田中麗奈
みゆきの夫に松崎謙二
みゆきの家出しがちの娘の星崎桜に瀧七海
MDMAを買わせる桜の悪友に坂巻有紗
多摩恵のジムのコーチの柳一郎に池内博之
ギャンブルで借金を抱え夜逃げしてしまうジムの会長の多田真司に光石研
小太郎の幼稚園の先生の日菜に瀬戸真莉奈
小太郎の幼稚園の先生に名越志保
上級者向けバイオリン教室の先生の木村楓に岡谷瞳
初心者向けバイオリン教室の先生のノリコに亀岡園子
佐藤の金髪の部下に木原勝利
佐藤の巨漢の部下の河瀬に荒岡龍星
スナックの客で工場の社長に近藤強
スナックの客で工場社長の部下に東野良平
スナックのセクハラ客に滝雄二郎
デリヘルの店長に八木光太郎
デリヘル嬢に桜井萌衣
デリヘル嬢のみーあに藤本夏芽
弱者職員の西谷に千賀由紀子
夏希を罵倒する市役所の市民にジジ・ぷぅ
地球儀制作作業所のイヤミな上司に嶺豪一
作業所の同僚に西谷麻耶
作業所の同僚に川俣しのぶ
ドラッグを買う若者に海谷遠音
ドラッグを買う若者を止める友人に岡野海斗
路上の女に堂ノ下沙羅
路上の女にReina
池田の先輩の内海に小野塚渉悟
路地の老婆に蓮池桂子
佐藤の部下のドラッグ製造担当にBOXER
ドラッグ配達人にチャリタA
小春を虐めるいじめっ子に石丸紗希
小春を虐めるいじめっ子に中村芽生
小春を虐めるいじめっ子に草竹緒
楓の生徒に高橋愛花
幼稚園で小太郎と喧嘩して目を怪我する慶太に竹内優翔
怪我する子供の父に平岡亮
職務質問する警官に赤松新
発表会のピアニストに松谷安佐子
ラウンドガールに塚越愛実
電話の声に奥居元雅
対戦相手に山口芽生/V.V.Mei
対戦相手に虎流清花
対戦相手に和田崎愛
練習相手に山崎桃子
ウォリアーズのレフリーに和田良覚
レフリーにミスター小菅
リングアナに福田亨
親であること…⭐︎
内田英二監督の作品で期待しての鑑賞。
底辺に生きる女性二人が出逢い、最初は金のためだったけどいつか家族のような絆で助け合う。
深夜までパートを掛け持ちして二人の子供を育てる北川景子演じる永島夏希、デリヘル嬢を
やりながら格闘技をする森田望智演じる芳井多摩恵。
北川景子は安定した演技で母親の葛藤と優しさを表現しているけど
森田望智が全くいままでとは違うキャラクターを演じていて素晴らしかった。
練習して臨んだという格闘技のシーンがとても良くて、試合の鬼気迫る演技、目線など
本当にいつもの穏やかな彼女なのかとびっくりだった。
でも、すごく印象的で来年の朝ドラのヒロインとのことなので楽しみ。
物語は後半どんどん辛い方向になって行き ドラッグを売りながら、娘のバイオリンを買ったり
順調に稼いできた二人があるきっかけで追い詰められて行く。
それでも、親であろうと頑張る夏希と支える多摩恵に報復するドラッグのグループが絡み終盤に向かうけど
自分にはどうもラストがはっきりとしなかった。
これで終わり?どうなったの?とちょっと疑問符だらけ。
でも、森田望智の演技を見れただけで充分に価値があった作品。
楽しみにしていたナイトフラワーだったけど…
家に帰って来てからもどうもモヤモヤが残りスッキリしてません。
北川景子さん大好きだし(映画の日で混んでいた為前列でドアップで観てました)内容も面白く、森田望智さんの格闘技の迫力も最高でした。
ラスト!何とかして〜
拳銃音は何?!
ナイトフラワーが昼間に咲いた?!
新たに借金増えたのに(園児の怪我の示談金等)楽園に旅行?!
突然のエンドロールに未来の姿が出てくるかと観てましたが…何もなし
ご想像にお任せしますは苦手です。
辛くなった
予想外だけどホッとした
初めから心えぐられるような映画
また、北川景子さんの演技に、ほんとの辛い母子家庭を思い起こさせる様な驚きを感じる
こんな結末になるんだろうと思っていたが、予想外な展開。
ただ、映画で良かったが、こんな家庭が実際にはあるんだろうか、そんな事を考えながら、泣きながら見てしまう作品。
頭が痛くなってしまう、目を背けてしまう、だけど真正面に向かって行かなければならない現実、それを子供に教えられる。
現実世界でも子供に多く教わる、だが大人はそれを理想だと切り捨てる。
全国の親に見てほしい、そんな映画だ。
追記
こういうコメント欄で追記というのはそんなに無いかもしれませんが、2回目のコメント経験でして笑
森田望智さん、元ボクサーかなと思っていました、調べたら妻は小学生で出てた可憐な大人しい系な人だったんですね!あんな変貌される方久し振りに見ました、これからも重要な人ですね
絶妙な終わり方
親が「親」である事
俺はこの物語を「なんじゃこりゃ?」と吐き捨てる程には恵まれてるのかと思う。
自分が生きてる世界以外の世界はあるのだろう。自分が持ってる価値観はおそらく自分だけの物なのだろう。
この物語は何を訴えたかったのだろうか?
この物語で救われる人はいるのだろうか?
1度落ちてしまえば這い上がれない世界観。
不幸は連鎖してくし、呼応し集うような描き方でもあった。その沼に突如足を囚われたのなら沈んでいくしかない。元凶は「金」なのか。
確かにソレが無くては何も出来ない。
メシは食えない。
卑屈にもならざるを得ない。
自己否定も始まるし、未来も見えないのだろう。
「金」に支配された人生…そんな事がやけに目立つ。
次に「子供」
コレは鶏が先か卵が先かみたいな話でもあんだけど、子供がいなければそこまで追い込まれもしないだろうと思う。
いや、親になってしまったからなのかもしれないし、母性が産み出すものを俺は分からないからこんな話をするのかもしれない。
2人の母親はいずれも子供がいたからこそ不幸になっていったようにも見える。
とはいえ、親である事を途中棄権出来るわけでもない。実際棄権する奴はいるのだろうけど、自分に連なる命に無責任でいるワケにもいかない。
子供を産むって事がリスクにしか思えない。
一定量の「金」が無ければ。
そして「親」だ。
劇中の裏社会の連中は一様に「親」って単語を使う。
そしてどいつもこいつも唾棄すべき存在のように語る。
裕福な家庭であってもその現象は起こる。
一定量以上の「金」がある家庭でも、転落は始まるし、その子は笑わない。
対して「金」に苦しめられている家庭の子は笑っている。
彼女は、シングルマザーの彼女は、不幸の連鎖を断ち切りたかったのかもしれない。
自分がどうなろうと、降り注ぐ不幸を堰き止めたかったのかもしれない。
どんな子供にも「親」はいる。
子供の成長には親から受ける影響が絶大だ。なんせ無垢のまんま生まれてくる。まっさらで白紙の状態だ。
親から学ぶ。親を真似る。
自我の根幹を形成するのは親から受ける思考と思想だ。
本能的に彼女はその血脈を食い止めたかったのかと思う。
自分だけで終わって。
子供まで巻き込まないで。
「ママ、負けへんからな。」
そう思うと、この台詞はとてつもなく深い。
なんかそんな事をレビューを書きながら思う。
どんな子供にも親はいる。
俺には孫までいる。
この映画、特に親をATM扱いする女の子を見てだけど、彼女達が帰ってきたら必ず笑顔で「おかえり」を言おうと思う。あなたが家に帰ってきた事が親である俺にはとても喜ばしい事なんだよと伝えよう。
あなたの居場所はここにある。
あなたが居て嬉しいと思う人達がいる。
そんな単純で当たり前の事を手を抜かずちゃんと伝えようと思う。
と、ここまで書いたが夜にだけ咲く花の意図が分からない。母親そのものの揶揄なんだろうか?
格闘家の子が凄かったなぁ…。
誰だろうと思って出演者をみたら全裸監督で黒木さんを演じた女優さんだとか。
めちゃくちゃ納得するも、同一人物とは思えない程で感服した。
北川さんも熱演だった。ご本人のブランドを凌駕する程でなかったけれど、しんどい役だったと思う。
冒頭、何を訴えたかったんだろうって書いたけれど、多分、母親になった時点で有無を言わさず背負わされる子供への影響を描いていたのかなぁとも思う。
理想とか幻想とか願望ではなく、根源的なもののように思う。盾にも矛にもなり得る。
親ってなぁ、偉大だな。
そう思える人間に育って良かったなと思うし、そう思ってもらえる親であればいいなと遠慮がちに思う。
あ、断っとくけど感動巨編でもなんでもない。どっちかと言うと人生には絶望しか待ってないと終始言われてる気分になる映画である。
最後は笑顔で終わるんだけど、状況は何も変わってなくて希望の所在は見えもしない。そして夜にだけ咲く花が日中に咲いてた。
尻切れ蜻蛉感、満載で終わった作品だった。
◾️追記
タイトルを「そりゃ少子化にもなるわ…」に変えようかと思う。
「ミッドナイトスワン」同様の世界観
完全にスルーしてたのですが、大好きな「ミッドナイトスワン」の監督作だと知り、急遽観ることにしました。
スルーしなくて良かったです。遅かれ早かれ大ヒットし、結局観ることになったとは思いますが。
ドラマの北川景子さんとはちょっと違いました。上から目線のようで大変恐縮ですが、演技指導が良かったのではないかと感じています。
ラストにモヤモヤする人がいるようですが、個人的にはこれ以上のラストはないと思っています。はっきり描いたらあまりにも救いがなさすぎて辛い。幻想の世界で開花のカットも美しい余韻を残して良かったです。
きちんと解釈できるようにできていますので、どこかで見た「尻切れとんぼでラストに何も描かれてない!観客に丸投げしてる」というような批評は、さすがに監督が気の毒だと思ってしまいました。
芸術や格闘技の絡め方も「ミッドナイトスワン」を思わせ、物語に深みをもたせています。
田中麗奈さんの星崎一家は、裕福なのにちっとも幸せそうじゃない。一方、主人公たちは貧しくずっとギリギリの状態なのに、強い絆で結びついていて幸せな時も。お金が全てじゃないけれど、同時にお金の絶対的な必要性も突きつけられました。
星崎家の娘さんのストーリーは、できればもう少し見たかったと思います。
これを機に、内田監督の作品をもっとチェックしたいと思いました。
悪事に手を染めるということは
原案、脚本、監督を1人で製作した映画。
日本が抱える問題を総まとめにしながらも母が我が子を愛し子供のためになら何でも出来る、いや何でもする。
片や母親の愛情を知らず、いや 知らないなら良いが親により辛い人生を送ってきた人間、裕福で何一つ不自由ない環境でさえ満ち足りず落ちていく人間。
今、日本に蔓延る薬物問題とその根源を舞台として問題点を描いて幸せとは何なのか、どこにあるのか、どう手にするのかを描き出しながらも一度悪事に手を染めれば落ちるいっぽうで結局は不幸のドン底にしか行き場はない。
貧困が不幸にするのか裕福でも幸せだと思えない、堂々巡りなのであります。
それでも真っ当に働くということこそが幸せになるための土俵に上がれるのであるということ。
平凡で幸せな暮らしがあっても楽園というのはこの世にはないのだと思う。
ラストの旅行先が楽園というのはつまりそういうことなのでしょう。
それにしても北川景子は泣く演技が上手いなと感心しました。
地球を6個壊した女
北川景子がどこまで汚れられるか不安があったが、冒頭のカラオケで吹っ飛んだ。笑
役所での一件は残念ながら爺さんが正論。
顔面に青痣のあるデリヘル嬢はイヤだなぁ。
ホテル名に聞き覚えあると思ったら地元、というかすぐ脇を通ってきましたわ。
吐きそうなのにボコられた売人に声掛けて優し…かったのに、クスリと廃棄弁当持って逃走。
いくら困窮してても、クスリ売る発想になるかな。
幸せな時間は意外と長く描かれる。
しかし観てる方からすればこれは落とす前フリでしかなく、ハラハラしながら見守ることに。
この辺の描写や空気感は非常によかったが、途中から急に散らかりだす。
光石研がトんだ件も上級バイオリン教室の話も不要。
探偵は何故か娘ではなく売人の方をマークし、更にそちらを追加調査。(娘を連れ戻せよ)
タマちゃんの試合は、迫力の凄まじさも尺を取りすぎな点も『若き見知らぬ者たち』と酷似。
夏希の「5倍」は示談金の件があっても違和感。
海やタマちゃんがシメられた原因は足抜けくらいしか考えられないが、あそこまでやる?
「3つの質問」の中身は?タマが見逃された理由は?
最後の銃声もハッキリせず、あんなオチならサクラ側の描写はあんなに要らない。
サトウもみゆきも本当に許したか明確でないため、不穏さは消えず…
北川景子は芝居自体はよかったのに、やはり綺麗すぎたのでメイクさんに頑張ってほしい。
渋谷龍太の雰囲気は中々だが、台詞が聞きづらい。
アクションは勿論、擦れた態度や子供と戯れる様子、カラダ作りまで森田望智は素晴らしかった。
他キャスト(特に長女)も好演していただけに、終盤の雑さや曖昧さが非常に惜しい。
親なら観るべし
大きなネタバレを避ける為
モヤモヤするコメでスミマセン
主人公北川景子さんの素が出せた関西弁
相方の森田さんが染まる関西弁
ふたりの親密度が相方の方言の
染まり方で現れる
脚本が素晴らしく伏線の張り方も絶妙で
娘のツッコミの為に
主人公のボケ(実は失敗エピソード)が
作られているのかな?
主人公の相方の職業を設定されたのは
主人公へケガの応急処置ができたり
何より、主人公を守る為
しかも同性の相方にしたのも
全ては、子供の為であり
主人公は色ボケしたアバズレで無い事
相方も幸せな家族に憧れている設定が
後の話へつながる
この作品は映画を観た方へ
問いかけ、想像させるモヤモヤする
手法です
久々にこのタイプを観て哲学的でした。
エンディングの考察は覚悟して下さいね。
主人公の下の子ども弟君は
餃子何故が好きなのか?
私的見解として
心理学的に言えば、包む=愛情表現
幼いゆえに愛情確認したいのでは?
SPEC好きにはたまらないシーンが
ありますよ。
妥当な終わり方かな。
子供たちが映える作品
母を、その強さを謳っているようで、本作のキモは子供たちのように感じられてならなかった。
ボロボロになりながら困難な状況を生き抜こうと身を削る二人の女性が、特に母親が主人公だが、その感情をあおるべく唯一無二の存在、子供たちの健気さ、強さ、賢さが作品全体を底支えしていたように思う。
作品のはしばしで何度も登場する苦労する母親を思いやるシーンが、とにかくいじらしい。主演の二人も振り切った演技で天晴であったが、同様に子供たちの目には映らない部分で揺れ動く、巡らせる内面の広がりが繊細とスクリーンには写し出されていたと思う。
コレにノックアウトされず、本作に心を動かされるなどとあり得ない。
バイオリン絡みが特に刺さった。
買い与えられても満面の笑みで大喜びさせない演出に、貧乏なのにこんなものを受け取っていいのか、買ってもらったからにはしくじれないというプレッシャーが垣間見え、子供らしく喜べない様に涙が出た。
あと、森田さんのなりきり加減に圧倒される。
そうそう、ラストについても感想は二分しそうだが、前振りが「パラダイス」だったのでお察しだとひとりごちる。
全395件中、181~200件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。











