「監督のマスターベーションによる貧困ポルノ」ナイトフラワー ビカミングさんの映画レビュー(感想・評価)
監督のマスターベーションによる貧困ポルノ
展開がデタラメ過ぎて笑うしかありません。原因は監督が自分にとって都合の良い貧困を嘘八百で作り出してるからてすが、熱演している役者の皆さんが本当に可愛そうになります。以下が問題点
・指摘している方もいますが、何故に自己破産しないのか?全く理解出来ない。自己破産して借金が無くなれば裕福とはいきませんが、普通に生活出来ます。実際に多くのシングルマザーが生活してます。上手くいかない場合はお母さんの体が弱い場合。これはけっこう大変なことになりますが、本作のヒロインは体が丈夫そうだから問題なさそうです。
・役所で児童手当の前借りを頼むシーンがありますが、対応職員が生活支援課、若しくは困窮者相談係的な部署へ案内すると思います。そのまま帰すことはありません。例え自己破産を知らなくても、その課で対応してくれます。
・小学生と未就学児の二人だけで街角でお金を稼いでいたら、間違いなく補導されます。あり得ません。
・元刑事から300万で拳銃を手に入れる件。直ぐにバレるのに300万で刑務所に入る元刑事はいません。めちゃくちゃ目先の金に困ってるのならあり得るかもしれませんが、だったらそこを描かないと無理筋です。
・主婦が拳銃で敵討ち?一般的に考えて凶器は包丁を選ぶと思います。拳銃にしたのは荷造りしているヒロインに拳銃の発射音を聞かせたかったからではないでしょうか。不穏な空気を作り出し、その後のファンタジー的展開に繋げる効果音として発射音が欲しかった、その為に主婦が拳銃を手に入れるという不自然な流れになったような気がします。ご都合主義のシナリオ。
・これは貧困とは関係ないですが、髪の毛を青に染めてる意味があった方が良かったと思います。何方かも書いてましたが、青に染めてる主婦なんてほとんど見ないので、特別な何かがあった方がしっくり来ます。
ざっと以上ですが、あまりに評価が高いので驚いてしまい、書いてしまいました。貧困や何らかの理由で社会と上手く付き合えないような状況を描くのなら(『あんのこと』も酷かった、良かったのは『すばらしき世界』)、現在の日本におけるセーフティネット(福祉や困窮者支援等)を蔑ろにしないで欲しいです。多くの方のレビューはあまりに現実を知らなさ過ぎだと感じました。
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