「ちゃんと観なアカン。」ナイトフラワー 観たい日は休みますさんの映画レビュー(感想・評価)
ちゃんと観なアカン。
小春のあのひと言は、きっと制作陣からのメッセージでもあったのだと思う。
私たちは、自分に関係ないこと、痛くて辛くて直視したくない現実に、つい目を瞑ってしまう。
けれど、この作品はそのまなざしを優しく、しかし確かにこちらへ向けてくる。
ラストシーンは、ぜひ “ちゃんと観て” ほしい。
そこには正解なんてなくて、彼女たちに直接手を差し伸べる明快な方法も示されない。
それでも――これは彼女たちだけの問題じゃなく、
社会の、そして「私たち自身の問題なんだ」と静かに語りかけてくる。
みんなが当たり前に笑っていられるために、
社会は何ができるのだろう。
観終わった後、その問いがふっと胸に残り続ける。
Cateen(角野隼人)がエンディングの音楽を手がけると知り、観るきっかけになった作品。
期待を裏切らず優しく温かな音色に胸を締め付けられた。
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(追記)以下、盛大にネタバレ(私の解釈ですが)
自分のレビューを投稿した後、皆さんのレビューをたくさん読みました。この映画のラストシーンにモヤモヤするというレビューの方が多かったので。私なりの解釈ですが、映像は現実ではないだろうと思っています。多摩恵はサトウ達に、永島一家は星崎母に始末される。悪事に手を染め、他の人を不幸にした報いです。散々殴られたはずの多摩恵が綺麗な顔をして部屋に入ってきた時点で違和感を感じました。そして昼間に咲くナイトフラワー。これは現実ではないという象徴。彼女達の理想が映像になっただけ。銃声と小太郎がドアを開けるまでの間に、理想と現実が交錯したのだと思いました。
ハッピーエンドじゃない、と思わずにはいられなかったので、追記しましたm(__)m
Spring Lullabyは一番真っ直ぐだった小春のためのレクイエムだと思うと、やっぱり辛いですね。
(さらに追記)
映画冒頭にスナック楽園で北川景子が深夜高速をシャウトしますが、時系列的には一番最後で、子供達を失った後の夏希なのかも。と思いました。
トイレで居眠りの寝言からのシャウト。
星崎母は、自分の子供を失う苦しみを与えるために、小春と小太郎だけを手にかけた。生きる気力を失った夏希は、かつて働いていた(ナイトフラワーをもらった)スナックでまた働き始め、生きてる意味を探してるのかも。
深夜高速の歌詞にも当てはまるし、夏希のやさぐれ感も納得できるかも。と考察は深まるばかりです。
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