「悲しい時代背景と現実」ナイトフラワー himabu117さんの映画レビュー(感想・評価)
悲しい時代背景と現実
今年好調の日本映画なので期待したのですが、惨敗とまでは行かなくても消化不良を解消できぬままラストまで。題材としては、面白いんだけど作り込みが足りない感が、次回作に期待と言ったところでしょうか。
原案・脚本・監督 すべて一人
『ミッドナイトスワン』は、良かったので期待したのですが。
映画が、進むうちにどこか、頭の中で作った物語の様相が見て取れて。
となると、結構ツッコミどころを探しながらの鑑賞になってしまった。
今日的な題材ではあるんだけど。
まず、北川景子演じるシングルマザー。
きれいすぎる、となると生活苦からドラッグの売人というのも飛躍がきつい。
これだけ美しければ、その前に稼げることはあるだろうに。
よりによって、違法ドラッグの売人にはちと。
それに、相棒役の森田望智もいけてるし。
闇の組織との関わりも、ある程度稼いだら足を洗うというのも。
そんなに簡単に、バイト感覚ではさせてくれないでしょ。
闇バイトとは言うけれど。
実態は、一度関わったら抜け出せないのが、常道。
それに、裏組織のリーダーもどこか情け深い一面も、本当なんですかと聞きたくなるし。
見る人を納得させる物語は、作り込まないと。
作り話だとしても、ここが大事なんですが。
保育園で、自分の子供が他の園児を喧嘩で怪我させてしまう場面。
病院で、土下座する主人公。
だって、本当に自分の息子が悪いのかどうかもはっきりしないし。
今の時代、当然幼稚園もこんな事態は想定しているし。
例えば、監視カメラ設置してるんじゃないですか。
トラブルになったときのために。
あと、相手の親から弁護士通じて賠償という話も。
まあ、今の時代ですからそうなるのでしょうが。
当然、預かる園もそれなりに不測の事態に保険もかけてあるはずですし。
それらすべてを考えての展開でないと、どこか消化不良起こしそうで。
そこで、お金の工面のための麻薬の売人となるんですが。
う〜ん、とにかくそうなるストーリーを納得させてよと思う次第で。
素材を無理やりつなげた感が、最後までぬぐえない。
売人になった主人公の客の少女。
一見何不自由ない家庭なのになぜ家出同然の生活。
なぜ、そこを納得させてもらわないと、話の奥行きが。
そして、少女が麻薬で事故死。
その復讐に、売人を殺害しようとする母。
まあ、ここまではいいでしょう。
その売人を突き止めるのに、元刑事の探偵。
挙句にその探偵から、復讐の為の拳銃を300万で手に入れる。
ありえないでしょ。
元刑事ならなおさら、わずか300万で人生終わらせるんですか。
ということで、今年好調の日本映画で期待したんですが。
あまりネガティブなことは、書かないほうがいいんですが。
かの松竹が関わっているので、あえて苦言。
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