「役者さんが素晴らしい」ナイトフラワー ジョディさんの映画レビュー(感想・評価)
役者さんが素晴らしい
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結末は賛否両論あるかもしれないが、どう考えてもハッピーエンドは無理な展開で、だからといって悲惨な末路をまざまざと見せつけられてもしんどい。あちこちにヒントを散りばめ、こちらの想像に委ねる形にしてくれて私は助かった。
北川景子さんの演技をしっかり見たことがなかったが、思っていた以上に演技が上手かった。特に子供に八つ当たりした後に泣きながら抱きしめるところが、あまりに自然で印象的。
森田望智さんの頑張りには脱帽。何かしらの賞にはノミネートされると思う。普段の振る舞いとのギャップが大きく、憑依型の俳優さんなのかなと思った。
佐久間大介さんの役どころが一番不憫で切なかった。元不良というよりは、悲しい生い立ちながらも大切な人を一途に思う温かい青年で、悲哀と慈愛を醸し出す表情が切ない。
渋谷龍太さんは目に狂気をはらんだ物静かな演技だが、あれだけコワモテの手下たちを束ねている男のカリスマ性を体現していたと思う。
役者さんが皆素晴らしいが、特に子役の渡瀬結美さんに驚いた。バイオリンの上手さはもちろん、わがままを言わず母親を助けようとする大人びた姿、同級生にバイオリンの弦を切られて泣きじゃくりながら多摩恵に言った言葉。強烈な印象を残す演技だった。
全編通して『女性の貧困』『母性』『罪と罰』を考えさせられる作品。
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