「北蒲田を舞台にしためちゃ危ない作品でも惚れてしまう！」ナイトフラワー　三輪さんの映画レビュー（感想・評価）

北川景子と娘と森田望智（格闘家）の名演技に惚れてしまいました！タイトルが「ナイトフラワー」ということで、いかにも片足を悪に突っ込みながらも、幸せな未来（花を咲かせる）を作ろうと孤軍奮闘している出演者に静かな感動が溢れるようでした。それにしても借金を作り逃げていった北川の夫のおかげで生活は半端ない貧しさです。その苦しさは少しありがちで安っぽさもあるかもしれないが、そんな脆弱さを冒頭の3人は蹴散らすかのように大きな弧線を描いて演じ続けていました。特に北川景子のドアップの顔は、今までにない醜さをわざと演出しているようで、まさに怪演だと思いました（借金を抱えたシングルマザーの悲哀を存分に表現していました）。それでも森田が試合で負けた時に寄り添って励ます北川の顔は、まるで聖母のように美しかったです涙。確かに子供への深い愛のために、他人の不幸を作るという所作は間違いなく悪です！それゆえモヤモヤ感はずっとありました。ですので、きっと二人は復讐に燃えた田中麗奈に殺されるか、薬の売人の元締めに殺されるか、警察に捕まってしまうのかと、後半はめちゃくちゃハラハラドキドキして椅子から転げ落ちそうなくらい？の気持ちでした笑。それがなんと、うまい具合に着地してくれて、本当にホッとしてまた涙が出ました。佐久間大介や田中麗奈の娘は悲しい最後でしたが、メインの皆んなが生きていてくれてありがとう、と叫びたいくらいでした。それだけ没入感のある傑作なのかもしれません。感謝です！
追記　森田の格闘シーンのリアルさは鮮烈でした。血まみれの顔の中で、眼光の鋭さが不気味なくらいに輝いていました。