「人に勧めたい。母は強い。」ナイトフラワー M hobbyさんの映画レビュー(感想・評価)
人に勧めたい。母は強い。
内田監督といえば、数年前のミッドナイトスワンですよね。あの作品を見て、こんな映画が見たかったと思い、今回もまた夜のお話ということで、期待せずにはいられませんでした。
SnowManの佐久間くんがどんな役でどんな演技をするのかも楽しみっっっ!と期待膨らませて鑑賞。
ストーリーはそれはもうめちゃくちゃヘビー。
ねぇ、神様なんていませんよね?なんでこうも次から次へと悲しいことが起こるのよ。しかもこの家族に。やめたげてぇよ。と何度思ったことか。
シングルマザーとして子供二人を抱え、蒸発した夫が作った借金をひたすら昼も夜も働いて稼ぐなつき(北川景子)。物語の冒頭に、そのなつきが働くスナックでカラオケをするのだけど、叫び声のようながなるような歌声がど迫力。
北川景子はほんとに綺麗なだけじゃないんやなぁ〜とこの作品で印象が良くなり、というか、母になってからの彼女の作品がとても良いなと思ってます。強さが感じられるので。
そしてもう一人の主人公であるたまえ(森田望智)。格闘家の彼女は、貧乏ジムの為に自ら風俗でも働き、お金を作る。ぶっきらぼうだけど、子供たちと接する時のたまちゃんはとても優しい。
そんなたまちゃんが、なつきの娘がいじめにあって、大切なバイオリンを傷つけられたのに、やられたらやり返すのはアホやと言った姿をみて、「強いね」と言うシーンがなんともジーンとしてしまった。
この娘ちゃんもほんとに素晴らしかった。
やっぱり人間、強い人っていうのは我慢できたり、頭で考えられる人なんやね。年齢なんて関係ない。ほんとに、この娘ちゃんがいることでどれだけ私はこのお話が救われたかと思う。
子供達の為に奮闘する母はきっと世の中にたくさんいて、その中にはこのお話の母のように間違った手法で稼ぐ人もいる。なんでそれしちゃうかな、、なんて思う人もいるやろし、その方法を否定する人もおるやろけど、そんな綺麗事ばかりが通るわけないやん。だからって誰かを不幸に落とすことはしたらあかんのやけど。。。
内田監督の作品は、救いの手がほんとに無いような現実で、それでも人の強さだったり、優しさだったり。そしてやっぱり犠牲になる人が必ずいるんだけど、それでも何か最後に光を見せてくれるというか。
さっくんの役、良かったなぁ。
優しさでいっぱい過ぎて、あんな最後じゃなかったらええのにって思ったけど、彼の犠牲の上に主人公達の幸せがあるのだとしたら、彼にとっては悔やむ人生でさ多分なかったのだと思いたい。
田中麗奈が演じた母も、とても難しい役だったと思うし、救ってあげたかったなぁ、、、
いろいろほんとに言いたいことあるけど、ラストシーンも、あれ?と最初は一瞬思ったけれど、嫌いじゃなかった。。。
どうか、なつきファミリーと、たまちゃんがみんなでこれから幸せに生きていけますようにと祈るばかり。
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