「曖昧なラストが残念でした…」ナイトフラワー 魚丼さんの映画レビュー(感想・評価)
曖昧なラストが残念でした…
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作品全体はシングルマザーの孤立や追い詰められていく過程を丁寧に描いていて非常に胸を打たれました。しかし、物語の核心である “犯罪に手を染めざるを得ない状況” の現実を示すなら、最後をぼかさず描き切ってほしかったです。
エンディングがハッピーエンドでしたが、昼に花が咲いたり等不自然に感じ、よく考えたところ、銃声が聞こえた後、娘が何事も無かったように帰宅し、さらに多摩恵に偶然会っというのは、それまでリアルに描かれていた内容とは異なるため、やはり死後の世界か、願望であるはずです。監督は観客に結果を委ねているようですが、終盤の出来事をじっくり考察すると、実ははっきりと結果を書いていることに気が付きました。
犯罪の先には「死」か「逮捕」しかないという厳しい現実こそ、この映画のテーマだったはず。ところが終盤を曖昧にしたことで、重い社会問題が“解釈ゲーム”のように薄まってしまい、広い層に本来のメッセージが届きにくくなっていると感じました。
役者の演技や前半の緊張感が素晴らしかっただけに、登場人物全員の結末をしっかり描いていれば、さらに強烈で忘れられない作品になったと思います。余韻よりも、現実の過酷さを真正面から描く勇気が欲しかった作品です。
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