「赤を塗って」ナイトフラワー ブレミンガーさんの映画レビュー(感想・評価)
赤を塗って
予告やあらすじからめちゃくちゃ重いだろうな〜と思いつつも、やっぱり観たい気持ちが勝ったので鑑賞。
特典はステッカーでした。
物語は重くありつつ、母は強しと言わんばかりの奮起奮闘の物語で、シスターフッド的な展開もありつつ、とにかく明るい未来と暗い未来のどちらにも進んでいく展開に振り回されながらもじっくり鑑賞することができました。
生活苦から抜け出すための一つの手段としてドラッグを売るという選択肢を取った夏希の判断は本当に窮地なんだなと感じましたし、そこで合流する多摩恵がボディガードとして強すぎるので、どんよりとした雰囲気を打ち負かしてくれるような爽快感もあったりして徐々に物語が上向きになっていくのが良かったです。
多摩恵が夏希家にいてどんどん雰囲気が和やかになっていくのが良かったですし、生活苦を抱えながらも鬱屈とした雰囲気が一つ抜け出せたようなものもありとても良かったです。
大量のドラッグを手にし、朝晴れの青空を2人で見上げるショットが抜群にカッコよく、このシーンを観れただけでも観にきて良かったなと思えました。
展開が悪い方向に転がっていく原因が基本的に長男の行動でお金が必要になったり、責めてしまっての自己嫌悪だったりするので、相手の子をすぐ殴ってしまう長男の暴力性は「ん?」ってなってしまいますし、それによって慰謝料が必要になったりする展開はかなりキツイなと思ったのと同時にバランス調整で雑に組み込まれたんじゃとも邪推してしまいました。
多摩恵のボクシングの試合の見応えがエゲツなかったので思わず前のめりで応援してしまうくらいの熱量でした。
練習&訓練の賜物で拝めて感動です。
終盤はそれぞれの人物のその後を描いており、拉致り拉致られの展開もあり、復讐に走るものもおり、夢を追いかけるものもおり、未来を見据えるものもおり、様々な人間模様があるのですが、かなりざっくばらんに描かれているので観ている側の解釈委ねになってしまっていたので、どこか一つのエピソードは明確なオチがあったら良かったなとは思いました。
にしてもサトウさんの母への優しさは一体どこから…そこのバックボーンはやはり詳しく知りたかったです。
ラストシーンは最初はハッピーエンドなのかな?と思いましたが、展開的なものやタイトル回収の秀逸さ含めこれは…という終わり方は強烈でした。
ナイトフラワーの意味合いをここに持ってくるか…。
役者陣の熱演が凄まじく、北川景子さんのやつれた感じから森田望智さんのフィジカルに佐久間くんの熱い感じ、ぶーやんの演技ってどうなんだろうなと思いましたが、思いの外ボスが似合っていて最高でした。
中々にヘビーでしたが、やっぱ力のある邦画を観れるのはありがたいですね。
気になるところはありつつも面白くそしてずっしりする作品でした。
鑑賞日 11/30
鑑賞時間 17:35〜19:50
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