「約束のネバーランドのイザベラ以来、5年ぶりの「悪いママ」役の北川景子。美人はどんな役をやっても画になりますね。」ナイトフラワー おつろくさんの映画レビュー(感想・評価)
約束のネバーランドのイザベラ以来、5年ぶりの「悪いママ」役の北川景子。美人はどんな役をやっても画になりますね。
冒頭のトイレの中で叫びだすシーン。予告を観て大まかな話のスジが分かっていたから、この時点で「いけないお薬」をやっているんじゃないかという危なさを感じましたが、単純に寝ぼけていたことが分かってひとまず安心。
自分もシングルファーザーを経験しているので、シングルマザーの夏希(北川景子)のバイト掛け持ちが心に刺さりました。固定の正社員にはなかなかなれなくて、父親は母親より公的支援を受けにくいので、カメラマン・消防設備点検・印刷の営業・整形外科の看護補助etc・・・ラブホテルの清掃もやってましたよ!
で、夏希はバイト先で吐きそうになるまで飲まされた帰り道、小太郎の好きな餃子弁当の廃棄を目撃する。餃子弁当を拾ってサッサと帰ればよかったのに、お薬の売人(薬剤師ではない)がボコられるのを目撃してしまい、落ちていたお薬を持ち帰ったことで運命の歯車が狂った方向に回りだす。自分だったらどうするか考えたら、悪事を減らすために警察に通報しますね。犯罪の被疑者が口にする「魔が差した」というのは、この時の夏希みたいな状態だと思う。
家に帰れば、純度の高いケチャップライスを作ってくれる優しい小春と、止まる事を知らない暴走機関車の小太郎がいる。ウチは娘の方が暴走機関車だったけど、どんな子供でも半分は自分の遺伝子で出来ているから、やっぱり守りたいと思いますよね。
生活費を稼ぐために恐る恐るお薬の販売(ドラッグストアではない)に手を染める夏希。当然「本職」に見つかったらボコられるわけで、グッドなタイミングで夏希を救出した多摩恵(森田望智)に用心棒(三船敏郎ではない)をやって守ってやると持ち掛けられる。
多摩恵は格闘家で天下を取る事を目指しているけど、ファイトマネーだけでは食えないし、幼馴染の池田(佐久間大介)が女衒(緒形拳ではない)をしているホテトルでも働いている。森田望智は「全裸監督」で黒木香を熱演していたので、このキャスティングはドはまりです。
当然、池田には闇の世界とのつながりがある訳で、町田を介してお薬の製造元(小林製薬ではない)に行って夏希と多摩恵にお薬の売人(富山の薬売りではない)をさせたいと頼み込む。
この組織の元締めのサトウ(渋谷龍太)が、アレな見た目のわりに変に情に厚い部分があって、度々子育てのために必死で働いている母親であることを確認してはお薬の販売を許可(厚生労働省ではない)するところが優しかったりする。
夏希は小春にバイオリンを習わせていて金がかかる上に、小太郎が保育園の友達にケガをさせたことで示談金が必要になってしまう。運の悪い事に多摩恵のジムの会長もギャンブルで借金を作って飛んで飛んで(円広志ではない)しまったので、試合を組むことも難しくなってしまう。
夏希と多摩恵は揃って元締めのサトウにお薬の増量(処方箋ではない)を頼み込むのだけど、手下にバカヤロウ(荒井注ではない)と恫喝される。しかしここでも優しいサトウは、例の確認でお薬の増量を許すことになる。
このまま上手く事が運べば良いのだけれど、夏希からお薬を買っていた女子大生が職質から逃げる途中で車にはねられて死亡。娘が死んだことを知った母のみゆき(田中麗奈)は、あぶない元刑事(柴田恭兵ではない)の探偵、岩倉(渋川清彦)にお薬の売人の調査と拳銃の入手を依頼する。
調査のために岩倉はサトウに接触するが、サトウは証拠隠滅のために頑張っているお母さんの夏希以外の関係者を56す事を計画。池田はあっさりボコられて、たぶん「森の栄養」になるために運ばれてしまう。多摩恵もジムに来たサトウの手下にボコられてしまうが、サトウの三つの質問(内容はヒ・ミ・ツ♡)の回答で許してもらえる。
一方みゆきは手に入れた拳銃を持って夏希の家に向かうが、途中で小春に出会って拳銃を小春に向ける。家では暴走機関車があろうことかお薬をおもちゃにして遊んでいるというダブルピンチ! どうする家康、もとい、夏希。
夏希が小太郎を叱っているところで外から銃声が聞こえて、観客がヤバいよヤバいよ(出川哲朗ではない)と思っているところで玄関のドアノブがガチャガチャ、カギを開けに行く小太郎、開けちゃダメと叫ぶ夏希、殺人鬼と化したみゆきが乱入するのかと思ったら、ニコニコ顔の多摩恵と小春が帰宅してハッピーエンドという無難なオチ。良かった良かった。
個人的には優しいところのあるサトウに、闇の世界から足を洗って平穏に暮らしてもらいたいなと思うのでした。
森田望智の気合い入った役作りには、びっくりです。これから期待ができます。
ラストはナイトフワラーが見せてくれた幻想だと解釈しました。フランダースの犬のように、あのままみんなで天国に向かったと思います。
コメントありがとうございます。
ラストは、想像にお任せ・・・で、人それぞれの
考えでいいのかもしれませんね。
私も半信半疑です。
(すごく駄洒落の楽しいレビューですね。
大笑いしました)
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