「【”怒涛の如く襲い来る不幸の中に見えた、仄かなる未来の光。”今作は貧困の中で必死に子を育てる母と、子に見放された母の愛情の形を対比的に描いた哀しくも確かな未来を感じるヒューマンドラマなのである。】」ナイトフラワー NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”怒涛の如く襲い来る不幸の中に見えた、仄かなる未来の光。”今作は貧困の中で必死に子を育てる母と、子に見放された母の愛情の形を対比的に描いた哀しくも確かな未来を感じるヒューマンドラマなのである。】
ー 内田監督の代表作と言えば「ミッドナイトスワン」であろう。ナイト繋がりで、今作は「ミッドナイトスワン」のテイストとやや似ている気がする。-
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・冒頭から、逃げた夫が作った借金返済に追われつつ、二人の子を育てるナツキ(北川景子)は、夜はスナック、昼はラブホテルの掃除婦と地球儀作りに奔走する日々を送るのだが、観ていてキツイ。
で、彼女はひょんなことから知った合成麻薬を勝手に売っていたために⿇薬密売の元締めであるサトウ(渋谷龍太)の手下に殴られるのだが、彼女を助けた格闘家のタマエ(森田望智)をボディガードにして、彼女の幼馴染海(佐久間大介)を介してサトウ(渋谷龍太)から薬を調達し、売り始めるのである。
一方、病院長夫人として何不自由なく暮らすミユキ(田中麗奈)は、忙しいのか家族に興味を持たない夫と家に金だけ取りに来る大学生の娘は居るが”孤独に能面のような無表情”で暮らしている。
今作では、この二人の対照的な母親の子に対する愛情の形の対比が印象的なのである。
■今作は、ナツキを演じた北川景子と、半年間の訓練を経て撮影に臨んだタマエを演じた森田望智の結びつきが主軸だが、ミユキを演じた田中麗奈さん(この名女優さんだけ、さん付け。)を影のMVPとして個人的には挙げたいのである。
何故ならば、あの哀しきラストは田中さんの抑制した無表情演技があってこそ、観ている側に響くからである。
・街の⿇薬密売の元締めであるサトウも、手下たちの母親の事を矢鱈と聞き、ナツキに対しても”頑張る母親”として一目置いている。彼も又、母親の愛情なしに育った男なのであろう。
・今作は全編を通して、二人の母親に怒涛の如く不幸が押し寄せるのである。ナツキは幼稚園児の多動性障害(ADHD)を持つと思われる息子コタローの行動に悩まされ、バイオリンの得意な娘コハルは、級友から苛めを受けるのである。観ていてキツイ。
だが、彼女には三人を支える格闘家のタマエが居るのである。徐々にナツキの家族に溶け込むタマエ。四人が並んで寝ているシーンは良いのだな。
そしてタマエが大舞台の試合に立つ時には、ナツキ、コハル、コタローは揃って応援に行くのである。
タマエが奮闘するも元チャンピオンにノックアウトされた時に、コハルがナツキに”目を逸らしちゃ駄目だよ!”と言うシーンは少し沁みる。強い娘である。”あの母にしてこの娘あり”なのである。
・一方、ミユキは終始孤独である。無表情である。夫が彼女の顔を一切見ずに”珈琲を入れて。”と言えば、無表情にロボットの様に”ハイ”と答えるのである。
だが、娘が合成麻薬の過剰摂取により目が虚ろになり大量の水を飲みながら街をフラフラと歩く異様な姿を見た警官に呼び止められ、逃げ出し交通事故死してから、ミユキは素行調査を依頼していた探偵( 渋川清彦)から300万で拳銃と、ナツキとタマエの住所とナツキとコハルの写真を手に入れるのである。
・フラフラと歩きながら、ナツキ一家が住む団地に近づいて行くミユキ。そこに学校から帰って来たコハルが心配そうな声で”おばちゃん、大丈夫?”と声を掛けるシーンは、ハラハラしたなあ。
カメラは二人を映さずに、ナツキ一家の楽し気な姿を映すのである。そこに響く乾いた”パン!”と言う音。
だが、家の扉を開けて入って来たのは、ナツキが買ってあげた中古のバイオリンが入った青いケースを下げたコハルなのである。ホッとするとともに、ミユキはどうなったのだろうと思うのである。
ここからは私の推論だが、ミユキはコハルの善良な表情を見てしまい、自らの娘と比較し、且つ”自ら行おうとした行為に絶望して自死したのでは・・”と、咄嗟に思ったのである。
そして、ナツキ一家の陽光が差し込むベランダには、夜にしか咲かない筈の”ナイトフラワー”が大輪の花を咲かせているのである。
ー このシーンは様々な解釈が出来るが、私の考えは【夜にしか咲かない筈の”ナイトフラワー”が大輪の花を陽光が差し込むベランダで咲いている】意味は、
1.家の扉を開けて入って来たコハルを含め、全ては幻であり、悲劇的なシーンの暗喩と観るか。
2.ナツキ一家が、怒涛の如く襲い来る不幸の中からの脱出と観るかであろう。
【私は、オプティミストなので、2だと思うのである。】
<今作は貧困の中で必死に子を育てる母と、子に見放された母の愛情の形を対比的に描いた哀しくも微かな未来を感じるヒューマンドラマなのである。>
おはようございます。
本作のMr.C.B.2さんのコメント欄に、私、NOBUさん、SAKURAIさんが続けてコメントしていたそうで、「3人揃いぶみで受ける」とのコメント頂いちゃいました😆
お二人のお仲間として認識されている?のカナ嬉しかったです🤭
(SAKURAIさんとのイチャイチャはいつもちゃんと見ていますヨ😎)
結婚記念日おめでとうございます🎊
NOBUさんの奥様に対するいつもダダ漏れの愛が素敵です🥰
明日はアイラブマブリーの新作!
楽しみです😊
朝から失礼しました。
返信お気遣いなく。。😌
私は
1.家の扉を開けて入って来たコハルを含め、全ては幻であり、悲劇的なシーンの暗喩と観るか。
だと思いました。
昼間に咲いているナイトフラワーが、ホラーばりに怖かったです。
おはようございます。いつもありがとうございます。
ペース落として再開します。
本文をいつも感心して読ませていただいてるんですが、いただいたコメントの奥様に感謝も泣けちゃいました😊
こんばんは。
オプティミスト何それ美味しいの??
聞いた事ない言葉で調べちゃいました。
おお!NOBUさんらしい!
ポジティブで良いですね♪
私はバッドエンドを想像したのですが、ラストのあの4人の笑顔は現実であって欲しいと思わされました。。
子供達が不憫で健気で泣けました。
自分も2だと解釈しましたが、タマちゃんの「会いたくなって」の表情から“別れの挨拶”にも見えて…
終盤に曖昧なところが多すぎてモヤモヤしました。
探偵の撮った写真、親子のスリーショットはまだ分かるのですが、コハルのソロには悪意しか感じなかったです。
サトウの組織を潰したいのかと考えた時もありましたが、コハル関係ないし、アイツの意図が分かりません。
共感ありがとうございます!
「がんばっていきまっしょい」で溌溂とした女子高生、「ゲゲゲの鬼太郎」ではニャーニャー元気な猫娘と、わりと活発な役回りを演じてきた田中麗奈が、劇中ずっと死んだ魚の目だったのにはファンとして悲しくなりました。
NOBUさんの考察のみゆきの自死ですが、自分もそう思いました。しかし証拠が提示されていないし、小太郎の運動会説も否定できないし、最後の四人そろってキャッキャウフフの部分だけは本当だと信じたいです。
考察系といったらNOBU、NOBUと言ったら私のなかでは怪物レビューって印象で、ラストの“燦々と”のフレーズがずっと残ってますよ!
おでんと寿司はちょっとミスマッチの様な(笑)
こんばんは!
私もミユキは自死かなと思いました、殺すつもりで行ったものの、コハルのあの純粋な姿を見たら心変わりしますよね…ミユキも1人の娘がいたわけですし。
このラストの終わり方色々な説ありますよね、楽しそうなの四人の姿は幻想、もしかしたら多摩恵が銃を奪ってミユキを殺った、ホントにハッピーエンドと、この委ね系の終わり方、人によって解釈変わるからやめて欲しいです(笑)
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。







