「瑞々しい」ストロベリームーン 余命半年の恋 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
瑞々しい
映画館で流れる予告で彼女に惹かれた。
「誰だ?この子??」
その期待は裏切られる事はなく鮮烈な印象だった。
もう泣かせにきてる話しなので大号泣。
冒頭の子役から始まり、十数年の月日を自宅で過ごしたのであろうエピソードの見せ方が上手く鷲掴みにされる。
どの年齢のヒロインもすこぶる良かった。
監督が女性の方だからなのか、當眞さんが持ってる資質なのか、彼女の感情がダイレクトに伝わってくる。
UPカットはどれもグッときた。
講堂で返事を聞いた時の反論は新鮮で…なんて強いヒロインなのだ思いつつも、それが余命を受け入れた潔さに繋がってるとなると、ガラスのような儚さが加味されてもう手に負えない。
彼女の言動の全てがそうなのだ。
それを演じきったというか魅せきった當眞さんは素晴らしかった。
ラストにかかり病室で、彼女の手を取り「僕の方が先に…」なんて話しだすくだりとか、母の死がこんなに豊かな伏線を産むんだと原作者の感受性に感服したりもする。
思い返せば台詞がどれも良かったような気がする。
その一言、その一行に含まれるものがあって、耳に聞こえてくる音と同義ではないような感覚が残る。
勿論、それを嫌味なく体現できる俳優陣がいればこその話ではあるのだけれど。
何でか知らないけど、16歳の誕生日に煽り気味の田中さんのカットの「ね。」の一言に泣かされてみたり…なんの魔法をかけられたんだろうか、俺は。
余命物は刺さる作品も多いのだけど、生きてる内にやりたい事出来る事を前向きに貪欲に、さながらこのまま生命を謳歌せずに死んでしまったら、私が私に申し訳ないとでも言い切りそうなヒロインが鮮烈だった。
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