「月が苺のように赤く見えるわけではない」ストロベリームーン 余命半年の恋 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
月が苺のように赤く見えるわけではない
2025年映画館鑑賞106作品目
11月3日(月)イオンシネマ石巻
ハッパーマンデー1100円
監督は『はらはらなのか。』『美しい彼 eternal』『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』『恋を知らない僕たちは』『チャチャ』の酒井麻衣
脚本は『おっぱいバレー』『劇場版 そして、生きる』『おとなの事情 スマホをのぞいたら』『余命10年』『メタモルフォーゼの縁側』の岡田惠和
ロケ地
愛知県豊橋市
河合屋
豊橋医療センター
豊橋福祉村簡易郵便局
明治屋醤油
静岡県静岡市
静岡県遠西女子学園
旧エンバーソン邸住宅
粗筋
舞台は常盤市(架空)
桜井前は小学校初登校で椅子に座ったまま心臓の病で倒れてしまう
学校には通えなくなり自宅で療養を余儀なくされる
昼は母に給食のメニューを作ってもらい父に教科書で授業を受けた
中学生になり友達がほしくなった萌
唐揚げ屋から出前を取り届けにきた同い年の麗と友達になった
高校生活を送りたいという願いが叶い高校に入学した萌ではあったが余命半年を通告されていた
16歳の誕生日を迎えることができるか微妙
クラスメイトになった初恋の佐藤日向に時間がないので前倒しで告白した萌
なんやかんやで強引に付き合うことになったが萌は命僅かなことを日向に秘密にしストロベリームーンを二人で観た夜に別れを告げた
僕はこのての話が好きではない
「なら見るなよ!」とウマ娘の熱狂的ファンは抗議したりするのだが彼らと自分とでは違う人間なのだ
嫌いだけどおそらくそれでも好きなんだろう
ネット民と違い白黒右左はっきりしないのが凡人と言える
例えば虚カスがアンチ巨人の書き込みが気になって気になって仕方がなくチェックして勝手に腹を立てているような←違うか
中学生のとき保育園から一緒だった幼馴染の同学年の女子が病気で突然亡くなったことが影響しているのかもしれない
「男子も掃除マジメにやれよ」と言ってくるタイプではなく特別親しかったわけではないが人生における重大ニュースの一つだった
巷では『鬼滅の刃』だ『チェーンソーマン』だ『国宝』だと言われているが旗日と月曜日が重なったせいかこの作品もわりと客が入っていた
二人連れで席を取る場所が目立ち若いカップルが多かったような気がする
運悪く同じ列の席で少しは離れていたが最初から終盤になるまでヒソヒソ話を続けていて耳障りだったが好きなことには集中力があるため映画鑑賞には大きな影響はなかった
ネットで実況行為というものがあるがそれは書き込みだから許せるのであって映画鑑賞において観客の雑音つきともなると話が違う
もちろん全てではないしホームドラマなら当然あり得ないが若い男女の恋愛物語だと邦画の場合は
家族が描かれることが(うまく言えないが)希薄になっている傾向を感じる
海外の映画やドラマだとそんなことはない
特に韓国はガッツリ描く
物語を作る側の文化人の家族に対する考え方が日本と韓国では大きく違うのだろう
だがこの作品では萌の両親の悲しみをしっかり描いている
それでも萌の提案で悲しい顔をするとポイントがつき貯まると罰がある家族のルールが敷かれていた
河川敷の跨線橋の近くに車を停め電車の走る音に萌の母親の泣き叫ぶ声が掻き消されるシーンは秀逸
その一方で日向は母を早くに亡くし父は醤油作りの寡黙な社長だった
萌の親友の麗は日向と幼馴染で麗は日向に想いを寄せてはいたがそれを誰にも言わずに隠し萌の恋を応援した
麗は日向と違いなんでも話せる親友として萌がもう長くないことを本人から知らされていた
日向の二人の親友フーヤンとカウケンも協力的
カウケンは麗が好きなことも手伝って
おそらくフーヤンも
友人が良い人すぎると指摘する者がいる
確かにそうかもしれない
だがそれはヤフコメなどでネガティブな情報ばかり吸い取って心がどす黒いタールみたいなもので汚れきっているつまらない大人だからだと自分は想定する
例を挙げるなら相合傘に雨代わりのシャワーをかけてふざけるシーンはあり得ない
だがそれが青春というパッションというもの
萌という特別な事情がある
本心はともかく多くの人々は(特に10代は)人に好かれたいし嫌われたくないので平気でピエロを演じることもできるのだ
人を少しでも幸せにさせている実感は社会に生きる人間にとってかけがえのない喜びであるはず
萌は奇跡が起きることはなくほぼ予定通りに天国に旅立つ
日向はギリギリセーフ
萌の最期は笑顔だ
アンハッピーエンドかもしれないが決してバッドエンドではない
未来に託した萌の手紙を日向が読み上げたラストも良い
萌の絵日記的なものが次々と紹介されるエンドロールも良い
原作では萌の病名がはっきり記されているようだが映画ではそれはない
医療関係者や自称医療関係者からのクレームを避けるためだろう
あいつらは本当にめんどくさいし野暮
病気のわりに命僅かな病人には見えない
告白のシーンなんてとても元気だ
不自然かもしれないが人は死が近づくと元気になるらしい
萌の場合は極端だがこれは作り話だし映画だし映画はファンタジーだ
現実から離れて楽しんだ者が勝ち
ビビさんもレビューしていることに驚いた
全国のイオンシネマで隈無く上映されるタイプはあまり鑑賞しないイメージだ
宮城県ならフォーラム仙台でしか上映しない若しくは東北では上映しないタイプの邦画ばかり観てる印象
レビューはいつも極端に短く具体性に欠ける
レビューとしては失格だ
おそらく削除対策だろう
それが仕事じゃないのになぜ自分に合わない映画に金を払いイライラしているのか理解に苦しむが変態なら仕方がない
ビビさんはおそらく海外の伝記映画(特に音楽関係)が向いていると思うが
こうしてみると日本人はこういう話が好きなんだと
それを思うとディズニーが人魚姫を改変し事もあろうにハッピーエンドにしてしまいしかもそれが当たり前になってしまった昨今がとても悲しい
のび太の幼い従姉妹じゃなくても泣けてくる
配役
余命半年を宣告された女子高生の桜井萌に當真あみ
萌の幼少期に西原紬
萌の初恋の相手でのちに高校でクラスメートになる佐藤日向に齋藤潤
実家の醤油工場の手伝いをしながら小学校で教師をしている日向の成人期に杉野遥亮
萌の親友で日向の幼馴染の高遠麗に池端杏慈
警察官になった麗の成人期に中条あやみ
日向の親友のフーヤンこと福山凛太郎に黒崎煌代
フーヤンの成人期に泉澤祐希
日向の親友のカウケンこと川村健二に吉澤要人
カウケンの成人期に伊藤健太郎
「からあげ元気堂」の店主で麗の母の高遠晴美に池津祥子
「佐藤屋醤油工場」の社長で日向の父の佐藤修に橋本じゅん
萌の母の桜井美代子に田中麗奈
大学で教授を務める萌の父の桜井康介にユースケ・サンタマリア
醤油工場のベテラン従業員のマスオに野添義弘
高校時代の担任教師の山下に西洋亮
日向の教え子の小学生に長尾翼
路上で泣いている少女に小井圡菫玲
UFOキャッチャーの少女にかんりんか
霊園の抽選会場の司会にもろいくや
小学時代のクラスメイトに小吹奈合緒
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