「當真あみに★★★★★😍😍😍😍😍」ストロベリームーン 余命半年の恋 toshijpさんの映画レビュー(感想・評価)
當真あみに★★★★★😍😍😍😍😍
話が噓っぽくてもツッコミどころだらけでもなぜか好きになってしまう
映画というのがある。今作もそんな1本。
當真あみを愛でる映画としてだったら満点。
噓っぽさの最たるものはヒロインが余命わずかの病人に見えないこと。
努めて明るく振舞おうとしているにしても、説明されなかったらどこから
見ても普通の女子生徒だ。
中学校に通えないほど病弱で自宅療養していたんじゃなかったっけ?
本人が希望して高校生活を送るにしても、急に症状が悪化したりとか
そんな心配があるから周囲には知らせておいて緊急時に備えるのが
普通ではないだろうか。親友だけが知っている秘密というのは不自然。
基本設定がそんな感じなので、現実感は期待せずに”恋に憧れる少女が
王子様みたいな男子と恋に落ちる”おとぎ話と割り切って観るしかない。
多分製作する側としては若年層の観客が観てフィクションを楽しんで、
ちょっと悲しい場面で泣いてくれればそれで良いのだろう。
それを青春時代なんて遥か昔の爺・婆(病気じゃなくても”いつか死ぬ”が
割と現実的で終活適齢期)が観てああだこうだと言うのは筋違いという
ものだ。だから爺の自分はこれ以上言うまい。
良かったのは當真あみが演じるヒロイン桜井萌の積極性。普通の高校生なら
自然と経験するであろうことが、機を逃すともうできないかもしれない。
だからせっかちになってしまう。後悔しないように全力疾走するみたいで
とても良い。
高校に通えるというだけでワクワク。親友ができる・恋に落ちる・付き合う・
手をつなぐ。叶えたかった夢が一つ一つ現実化する。その度に胸が高鳴ったり
(もちろん病気のせいではなく)、喜びを感じる。
そんな萌を、顔の表情だけでなく全身で表現する當真あみ。萌の嬉しがり方
を見てこちらも笑顔になってしまう。
萌自身が、辛い・悲しい顔を見せない努力をして両親やみんなにもそれを
要求しているのが救われる。そればかりかお茶目すぎるところもあって
和ませてくれる。
悪い人間が出てこない話で、両親(ユースケ・サンタマリア、田中麗奈)が
すごく良い人。親友・恋人・その友人たちもみんな良い人。
劇中で描かれる出来事それぞれに両親の無償の愛や厚い友情、人としての
誠実さが感じられて心地良い空気感があった。
長く生きられなかったのは残念だが全力疾走で生き抜いて、最後はちゃんと
愛の告白もして、萌は後悔のない人生だったに違いない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
余談
最近観たあの映画もそうだけど、男はアラサーになっても10代の時に好き
だった女子のことをいつまでも思い続けて、というか引きずっているのが
痛々しい。「もうあんなに素敵な女性とは出会わないだろう」とまで思わせる
相手だったというのは確かにそうで、これは女優がそれだけ魅力的だった
のと演出の良さによるものだろう。
まあ、映画の最後には新たな一歩を踏み出すきっかけができて良かった。
あと、この映画も未成年者の男女が親の心配をよそに夜のロマンチック・
デートをする。映像的に映えるのはやっぱり夜なんだな。ま、いいか。
親友の13年後を中条あやみが演じた。彼女が主演した「雪の華」(2019年製作)
のヒロインも今作と似たような境遇だった。しかし有り得ない設定・脚本・
演出・相手役(一応ダブル主演という体裁だけどプロの俳優レベルではなかった)
すべてがダメダメで共感できるところがなかった。
ダブル主演と言えば當真あみの前作「おいしくて泣くとき」は実質ダブル主演
なのだが相手が大手芸能事務所のアイドルだからか彼の単独主演という扱い。
それが不満だったけれど、作品がいまいちだったからどうでも良くなった。
今回が堂々の長編映画初主演で、良い印象の映画だったことに満足。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。
