俺ではない炎上のレビュー・感想・評価
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総合的に素晴らしい傑作
面白かった!
原作未読のまま先に見たが、浅倉秋成作品らしいミスリードが心地よかった。主人公の娘にしては…?娘の友達のえばたんの発言内容がどうもおかしい…?という疑念があったし、同じ気持ちの人も多かったはず。しかし、その疑念は他に作られたフックのおかげで一度萎んだ。だから最後の急展開を物足りなさを感じずに楽しめたのだろう。
そして、ネットに蔓延る歪んだ正義の扱い方が実にうまい。周囲の人物のほとんどが主人公を疑い、自分が正しいとの態度を崩さないのに、主人公が無実と分かった瞬間態度を翻す。人間の醜悪さも存分に描かれていて、ネットリテラシーを学ぶ教材にしても良いくらい。
ほか本筋と外れるが、阿部寛と夏川結衣の夫婦役は某フジドラマを知っていれば、念願叶った気にさせられる。頑強なのに逃亡劇で憔悴しきる阿部寛や、真相追求のため素性を隠すミステリアスな芦田愛菜、夫への複雑な感情を隠さない夏川結衣は勿論、板倉やハマケン、三宅弘城の小市民感溢れる演技も良い。キャスティングの妙を楽しむのも一興かも。テーマもストーリーもキャストも総合的に楽しめる傑作。
炎上で回復した「家族の絆」。
SNSで突然身に覚えのない殺人犯にされてしまったかわいそうな男の話である。最初は余裕で「自分は関係ない」と言っていたが、会社からは迷惑だから出社するなと言われ、警察からは迷惑な人としてぞんざいに扱われ、世間からは殺人犯として非難の的になり、追い詰められて逃げ出してしまう。自信満々だった男が転落していく姿を、阿部寛が何とも滑稽で哀れさを感じさせる演技で楽しませてくれる。
SNSでの炎上をテーマにしているが、その描き方はとても戯画化(カリカチュアライズ)されているようだ。現実にはこんなにひどくはないだろうが、実際ネットの中では個人情報をすぐに特定する探偵もどきや、自分で捕まえてやるという自警団、目撃情報を逐一報告するモニター達であふれている。あやふやな情報であっという間に犯人確定となり、それに反する情報は排除されてしまう。炎上に参加するのはごく一部の考えの浅い人であり、大半は理性的で客観的であるという指摘もあるが、炎上が大きな影響力を持つのも事実である。このくらい単純化して描いた方がネットの危うさが伝わりやすいと思う。
この映画は、SNSの危険性に目を向けさせることを意図したものではない。そんなことは既に誰もが知っていて、それでも改まらないのが人間の本姓である。むしろこの現代的な騒動を通して浮かび上がる人間ドラマを描こうとした印象が強い。主人公泰介が部下から「あなたは人から恨みを買いやすい」と言われる場面が転換点になっている。自信家で、誰からも好かれているとうぬぼれていた泰介には大きなショックであった。そのおかげで自分を省みることができて、妻や娘との関係を修復できた。妻と娘も自身の問題を泰介のせいにして避けてきたが、素直に向き合えるようになった。この家族の絆は物語の重要な部分であるが、少し描き方が弱かったように感じた。泰介の逃走劇の割合が大きいので、家族劇を深く描き切れなかった印象だ。
なぜ短期間の上映だったんでしょ?
ギャップと展開がよかった。
無自覚な人々によって無自覚な人々が騒動に巻き込まれるオハナシ
オチが読めない面白さは原作の力なのだが、脚本の構成が巧みだと感じた。
原作の持つリアリティの部分よりも滑稽な部分に力点を置きつつ、〝巻き込まれ型〟のサスペンスをスリリングに組み立てている。
そういえば、林民夫が脚色した『ゴールデンスランバー』(’10)も巻き込まれ型の佳作だった…。
その脚本をオーソドックスではあるが、堅実でテンポのよい演出が意図どおりに物語をみせていく。
加えて、SNSのコメントを画面に映し出すCGの映像効果が面白くて、画面にメリハリが効いている。
山田篤宏監督作品は本作で初めて観た。
あまり期待せず劇場へ行ったので、これはラッキーだった。
125分という尺も、ヨロシイ。
ネット上での拡散・炎上という、もはや最近起き始めたわけではない現象の理不尽さや恐ろしさというモチーフよりも、誰からも好かれていると思い込んでいた自分が実は嫌われ者だったと知らされる男の哀れが、可笑しいやら、身につまされるやら…。
そっちの面で、これは他人事ではないのだ。
阿部寛と夏川結衣が何度目かの夫婦役だというのが話題になっていた本作。だが、やはり見どころは芦田愛菜だった。
PR映像で流れていた芦田愛菜が悪態をつくシーンは、意外なシチュエーションで出てくる。事前に阿部寛の娘役だと発表されていたのでネタバレなんじゃないかと気になったが、PR映像の切り取り方が上手くミスリードしてくれて、気にならなかった。
芦田愛菜としてはミステリアスな役が新鮮で、しかも一気に大団円に流れこむ展開に違和感を持たせないのも、芦田愛菜が放つ雰囲気の所以だと思う。
荒唐無稽なのだが、部分的には起こり得る事象が混ぜ込まれているから、全くありえなくもない…と思わせるところがミソだ。
各キャラクターも極端に誇張されてはいるが、いそうだから面白い。
バイオニック・ジェミーこと田島令子がコミックリリーフ的に笑わせる。
「僕は悪くない」(真犯人)
「俺たちは悪くない」(刑事)
「悪いのは私」(娘)
「私が悪かったのよ」(妻)
「いや、悪いのは俺の方だ」(オレ)
♪悪いのは〜僕のほうさ〜、君じゃな〜い〜♫
と唄ったのは堺正章だった…「さらば恋人」
雰囲気とは裏腹にメッセージ性のある作品
迷ったけどやっぱ観といて良かった!!
1日おいてまた映画館来てしまった。コレももう1日1回上映になってた。朝正直迷っていたがやっぱり思い切って観に来て良かった。予想以上に面白かった。現代の世相やネットの怖さを上手に描かれていたと思います。わしも人のフリ見て我がフリなおせやないけどYouTubeの動画などは気をつけて投稿しようと思います。まあわしの場合全然無名なんやけど。何かブッ飛んだことになったらその時はこう言おうと思います。オレは悪くない。また話しが全然それてしまったけど物語のストーリー展開やオチも悪くなかったです。自分にあてはめて考えられる映画だった。付け加えて何ですが芦田愛菜さんの演技最高でした。思わず脳裏に焼き付いてしまった。何回も付け足してゴメン、いや、子役も凄かったよ
もはや炎上自体がエンターテイメントな時代だよね
身に覚えのない殺人事件の犯人として、SNSで仕立て上げられて、炎上現象の渦中に巻き込まれた主人公のドタバタ逃走劇。
誰が炎上させたのか? そもそも殺人事件の犯人は誰なのか? といったフーダニットよりも、色々とミスリードさせる物語の構造はオーソドックスながらも面白かった。
阿部寛扮する主人公のモーレツ社員がSNSの炎上に巻き込まれては、事あるごとに選択を間違えた行動を取ることで、犯人としての疑いが濃厚になっていく様は、本来、笑いに転じるところなんだろうが、薄ら「炎上怖えー」という意識も過ぎるんで、笑うに笑えず中盤ぐらいまでは中弛みな心持ちでした。
信頼する部下の自宅に押しかけてスマホを借りにいくあたりから、グッと面白くなったので、そこまでは少々我慢ね。
小粒ではあるものの、しっかりオチもあって最後まで楽しく観られる作品でした。
いやーしかし芦田愛菜さんの涙する演技が、なんかうまい。なぜか釣られて感極まったよ。
「阿部寛が体現する現代の冤罪サスペンス」
率直に言って面白かったです。
ここ最近観た『ブラック・ショーマン』や『宝島』は期待外れだったので、本作もあまり期待せず、同世代の阿部ちゃん、そして芦田愛菜の出演に惹かれて観た。
まず、この映画の妙味は、身長190センチ近い大男が逃げ惑う姿。車の陰やソファ横に隠れるシーンなど、どうしても「頭隠して尻隠さず」感が漂い、シリアスな状況なのに思わず笑ってしまう。阿部寛の存在感を逆手に取った演出が光る。
また、若手俳優陣の“今どき感”は世代ギャップを感じさせつつも新鮮。懐かしい顔ぶれも登場し、田島玲子さんがスクリーンに現れた時は驚きと嬉しさが。。。彼女は『バイオニック・ジェミー』の主演・リンゼイ・ワーグナーさんの吹き替えで一世を風靡し、まさに「テレビに出ていない番組はない」と言えるほどの女優さん。更に美保純さんも出演しており、日活ロマンポルノ『ピンクのカーテン』や『男はつらいよ』シリーズを知る世代にはたまらないキャスティング。二人のクセの強い女優さんが作品に独特のスパイスを加えていた。
テーマはまさに現代的。ネットでの誹謗中傷や不確かな情報の拡散による人格攻撃が、どれほど人を追い詰めるかを描いている。しかもそれが誤情報だったとしても誰も謝らない社会の怖さを突きつけ、幅広い世代が考えさせられる内容であった。
評価は 3.5。
阿部寛のキャラクターを生かした演出と、女子大生連続殺人事件と並行して進むサスペンス展開は分かりやすく、最後までテンポ良く楽しめた。映画は一度観ただけで物語を理解できることが重要だが、その点も十分に合格点。
あえて難を言えば、国民的娘・孫のイメージが強い芦田愛菜は、ややミスキャストに感じる部分もあった。とはいえ、全体としては見応えある作品で、鑑賞後に考えさせられる部分もあった。
時系列が難しい
何故始まり いつ終わるか知らぬまま 今日を生きる
近くの劇場でもう公開終わりそうだったので急いで観に行ってきました 面白そうなタイトルと阿部ちゃん作品で気になってました😳
SNS炎上やネットの悪い部分描く作品増えてきましたかね 時代ですかね
炎上するまでの過程が結構早かったり人々気づくの早すぎたりしますがまぁそこは創作なのでね
嫌がらせに関しては現実で起きた炎上事件の方が過激でしたな(笑)
封筒開けたらカミソリ入ってて怪我しないよな…?車のタイヤパンクしてて逃げられないとかないよな…?とか勝手に不安がってました
半ばから最後まで阿部ちゃん走ってばっかりで炎上してる感は薄かったな〜
芦田愛菜がSUZUKIの車乗ってるの笑いました
SWIFTくん迫真の演技
ハマケン出てくるといいよなー 面白い😆
長尾くんの演技は…うん…
どの世代も悪い部分描いてる所はいいと思います😌
自分が悪かった 自分は悪くない この意識の差はかなり大きいですよね
人間何かしら間違えることは誰にしもあると思います
それを反省して成長の糧に出来るかですな
最近だとよく炎上加担するSNSやヤフコメとか間違ってた後ちゃんと反省してるんかな?(笑)興味ないけども
動画削除コメント削除するだけなのなー
ありえそうでありえない・・・
早い段階でリアリティのあるお話ではなくなってしまったのが、少し残念...
いつもの阿部寛さんを、確認しに行く映画
面白いかと言うより身につまされるお話
物語はとある学生の真偽が定かではない殺人リツイートから始まり、それが拡散されて無実の人間が特定され、被害者側とネット民の振る舞いを面白おかしく進めたのが前半部分。
被害者は身に覚えがないので当然何が起こっているのか解らず、誰彼からも犯人扱いされて逃亡する羽目になるのだが、予想された内容なのでここまでは観ていて中だるみな感じ。
被害者の冒頭の振る舞いを見れば何となく解るが、本人が思っていたより人望がなく、炎上してからの周りの人間の態度に胸が痛くなる。。。
ここからどう解決に持っていくのかなぁと思っていたが、展開が早くなって子供時代と大人時代がうまくリンクしなくて、愛菜ちゃん犯人?まさか子供が犯人?とかドキドキしたり、レンタルハウスに逃げ込む際の件で突っ込みどころが多数あって気づけよとか思ったり、学生を諭すシーンに同感だったりと後半は面白かった。
ただ、犯人が予想通り過ぎた(最初の直観は正しかった)のが少し拍子抜けだが、途中途中で張ってあった伏線が動機に絡んでくるのが解るところまではミステリーっぽい感じで良かった。
最後に、劇中で投稿がポップアップされる描写があるが、物語に関連しそうな重要なものが遠くの席からだと見づらいですTT
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