俺ではない炎上のレビュー・感想・評価
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僕が悪いんじゃない…、俺が悪かった…
『6人の嘘つきな大学生』に続いての、浅倉秋成原作の映画化。原作も発刊当時に既読。SNSを介してのサスペンスということで、若い感性に彩られたテーマをモチーフに、張り巡らされた緻密なネットの罠と、逃亡者となった主人公の緊迫感のある心理状況が描かれている。原作を読んでない人にとっては、意外性のある結末に、固唾を飲んで見守ったことだろう。
自分の知らない所で、誰かが自分に成り済ましてアカウントを作成し、あたかも殺人
事件の犯人であるかのような内容をSNSにアップし、大炎上したら…!ネット社会にお
いては、こうした魔の手は、決して非日常な事ではなく、私達の生活にいつでも忍び込
んでくる怖さをも感じる。
また、本作の面白さは、逃亡者となった主人公の男の様に、がむしゃらに会社の為には働き、世の中や企業の上に立った昭和世代の人と、生まれた時からネット社会で、新しい情報に溢れて育ってきた若き世代の人との、それぞれの視点や考え方のギャップを、ストーリーの展開に練り込んでいるところにもある。
大手ハウスメーカーに勤めるエリート・サラリーマン・山縣泰介が、ある日突然、ネット上で、女子大生の殺人犯の嫌疑をかけられ、大炎上してしまう。身に覚えのない山縣だが、見ず知らずの人々やYouTuberから、カメラを向けられる中、身を護るために、必死の逃亡劇繰り広げるストーリー展開。
そんな中、自分をハメタ見えない犯人への怒りから、ある手がかりを元に、自ら犯人捜しに立ち向かっていく決意をする。しかし、犯人捜しは思うようにはいかず、世間やSNSからの厳しい目に曝されて、窮地に陥っていく。そんな中、何とか辿り着き、明らかになった女子大生の殺人犯と自分をハメタ見えない敵は、あまりにも意外な人物だった。
逃亡者となるサラリーマンには阿部寛が、いつもながら、眉間に皺を寄せながらも最後まで諦めない逞しい演技を見せていた。また大学生のサクラ役には、芦田愛菜が務めていたが、彼女が、ドスの効いたセリフで豹変するシーンでは、役者としての凄味を感じた。他には、藤原大祐、長尾謙杜等の若手俳優の中に、夏川結衣や美保純等のベテラン陣も脇を固めていた。
理由のない自己保身と身勝手な正義を暴く映画
阿部さん、かなり頑張っていました。走って走って、飛び降りて。最後は、パンツ一丁で身体張っています。
この映画、1人の何気ないSNSのリツイートが、ネット民に火を付けて、無実の人を犯人に仕立てて追いかけ回す、といったもの。
ただそこには、ネット民を始めとして自分は安全なところにいて、相手だけを責め立てる。自分は一切悪くないという感覚がある。
最初にリツイートした彼にしても、周りのネット民から叩かれたあとでも、「私が悪かったのかもしれませんね」と呟くあたり、どこまでも自己保身の感覚が残っている。
そして、もう一つは身勝手な正義感。
犯人は、自分が悪を倒さねばならぬとの身勝手な考えで、犯行を重ねてしまう。そこには小さい時に絶対的な正義と信奉していた、警察官の父親の過ちがある。その呪縛から自らを解き放てなかった自分自身の弱さを認めきれず、「俺は正しい。俺が世の中を正す。」と自己中心的な方向に行ってしまった。
その他、夫婦関係を良好に保つには、相手を責めず自分の言動を反省することの大切さが伝わってきた。
最後に。娘(芦田愛菜)の子供時代(10年前)のエピソードが重要になるので、過去と現在をしっかりと切り分けて観てください。
警察は真犯人を捜してなかったの?
阿部寛演じる山縣泰介はハウスメーカーの社員で、最初に仕事先でクレームを伝える。もしかしてクレームを言われた奴が犯人なのかと思ってた。突然SNSで殺人犯扱いされた山縣、沢山の人々が山縣の写真を撮ってアップロードする。えっ!?勝手に撮って公開していいの?かなり違和感。犯人扱いされた山縣が真犯人を探す展開かと思っていたが、山縣は逃走する。何で逃げなきゃいけないのよ。ちゃんと警察に話せば犯人じゃない事が伝えられたんじゃないかな。あら、娘かなり若いなと思ってたら、過去の話だったのね。何より驚いたのは芦田愛菜演じるサクラ、山縣と全く関係ないのに山縣を探すなんて、もしかしたら事件の関係者なのかなと想像してたら、まさかの関係だった。それにしても山縣は何でパンツイッチョウになって、落ちちゃったのよ。危ないの分かりきってんじゃん。笑えなかったけど最初から最後までドキドキハラハラで楽しめました。
何も情報を見ずに観て欲しい
感想を言うと全部ネタバレになってしまいそうで、感想がすごく難しい作品だった笑 SNSが当たり前の時代だからこそ、SNSを使ってる人は誰でもこうゆう立場になることもあるのかもと思うとすごく怖い。映画を観る前に炎上体験というのをやったから余計に怖くなったし、良い掴みすぎて期待しかなかった!!
是非、なるべく情報何も見ずに観て欲しい。私は原作を読んでからまた見に行きたい!
自分の棚卸しをする恐怖
ネット社会での無責任な発言の怖さをを語る話なんだろうなぁと思っていましたが、想定外に評価が高いので鑑賞しました。
なるほど。
ネット社会での恐怖は想定どおりですが、構成に一捻りある点は意外で楽しめました。
凝りまくった伏線も劇場を後にしてからようやく気付きました(笑)
ネット社会の匿名性についてはさんざ喧伝されていますが、私達はいつしか対面での発言についても責任を感じなくなっているのではないがという恐怖を改めて感じました。
昔から前言を恥ずかしげもなく覆す人はいましたが、現在はそれが多数派になってしまったのではないかという…
匿名で行っている行為がリアルを侵食しているとすれば恐ろしいことです。
自認している自己像とネット上での評価の乖離。
トラウマになりそうです。
コメディかと思ったが…
予告編からコメディ映画とばかり思っていたんですが、どちらかと言うとストーリーはしっかりサスペンス映画でした。
だけど、演出はコメディの演出をしていて、何かアンバランスで、どう観たら良いか分からない作品。
登場人物が、いちいち「そういう行動は取らんやろ…」と思う事ばかりなので、ストーリーの為に、キャラクターが動かされているよう。
また、作中、場所の距離感が全く分からないので、サスペンス的緊迫感もコメディ的徒労感も出せていない。
SNS風画面表現も、昨今では見慣れたありきたりなモノで、緊迫感を無くし、煩く感じる。
ラストのどんでん返しは驚かされたが、冷静さが戻ると何だかなぁと、思わされたり。
残念ながら、説教臭さが前面に出て来る結果となってる気がする。
#俺ではない炎上
#映画三昧
ソーシャル・ジャスティス・ウォーリアー
SNSの闇
やっぱり誹謗中傷、思い込み怖い
確かに発端は身から出た錆だけどさすがに主人公(阿部寛)が可哀想に思えた。
でも最初から最後まで娘だけが潔癖を信じてて泣ける
部下も部下で犯人ではと疑いながらも協力してあげてて、この人にとって阿部寛(上司)はパワハラ等で嫌いではあるけど、完全に悪というわけでもないんだなと思った。
公開前にブランチで特集されてたのを見た時芦田愛菜ちゃんが珍しくブチ切れで怒鳴るシーンって紹介されてるの見てめちゃくちゃ気になってたのですが、思ってた以上に最高でした。
おまえが諸悪の根源だからだろうが!!って
ちょっとスッキリします笑
結局SNSって分かってはいても怖いなと思いました
RTしただけ、引用しただけ、思ったことを書いただけ
自分は悪くない
最後に阿部寛もっと活躍するかと思いきや逃亡劇があっさり過ぎて残念だった
運が悪かったという話じゃなくて良かった
SNSの恐怖
噂が一瞬で拡散する怖さ。真相がわからない事を安易にリツイートし大炎上。まさに俺ではない炎上から逃げる…何故か逃げる…警察を巻き込んで大捜査。あたかも〝犯人〟のように騒ぎ立て追い詰めるネット民。歪んだ正義で連続殺人を犯す真犯人も怖いが、騒ぐだけ騒ぎ、違った途端、掌を返す人々にも呆れる。芦田愛菜の意外な一面が良い。
正直、前半はイライラしましたw
まんまとスタッフにやられた感じです、術中にはまりましたw
前半のネットで犯人に仕立て上げれる様子、(この辺りは予告でもやってたんで言っても大丈夫ですよね?)ネットで匿名だから皆が言いたい放題の、コメンテーター気取りのヤツだったり「正義マン」だったり、見てる人間でちと胸が痛むのがいるんじゃあないかなー?考えてコメントしろよー、とか思いながら見てましたw
後はちょっと間延び感もありましたが、十分楽しませて貰いました。
相変わらずネットは怖いなーと言うのと、無責任だなーと腹立つのと、原作が言いたかったであろう事はフィルムから確実に溢れてました。
冒頭で犯人がわかるって
冒頭でこいつかな、と思ってまんまそのとおりだったのは明らかに原作にない脚本ミス
ネット民を非難する作品が近年多いなか、本作品もご多聞にもれず、その類
阿部ひろしさんが好きなのでオマケで星3つ
家族愛
場内からおじさんの悲鳴が聞こえた「おじさんホラー」
自分でも気づかないうちに会社でパワハラ気質になってるサラリーマンが、SNSで濡れ衣を着せられる。
この気づかないうちにおじさんがパワハラ気質になる、という描写がリアリティがありまくり。若手の社員に親愛の情でフランクにタメ口をきいてるつもりが、馴れ馴れしすぎて圧迫感を与え、逆に溝を深める。本人はスキを作って弱みを見せてるつもりが若い人からみたら不気味なだけ。
そのため周囲の人が、実はあの人苦手だったと態度を変えていく。ごめんなさい、ボクも思い当たる。新ジャンルおじさんホラーですか。
ある人物が刑事の聞き取りで主人公への態度を豹変させるシーンがおじさんホラーとしての頂点。ここで、場内のおじさんから「え!?」と悲鳴にも似た声があがり、自分の心の声が出ちゃったかとビクッとする。
SNSの使われ方についても、自分を正当化して自分の正義を振りかざして、時には上から目線で罪もない人を踏みつけるというメッセージが伝わる。
ボクらも映画みて、時にはクソつまんないとか、意味不明とかひどいことを言ってしまう。
でも、あえて言う。
この犯人の犯行動機には共感出来なかった。原作ありきなので曲げられなかったのかもしれないが、ミステリー的に説明したのが蛇足に感じてしまった。
オレも悪かった、私も悪かった。気をつけよう、で充分だったんじゃないか。
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