俺ではない炎上のレビュー・感想・評価
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終いは自省してしまったけど、主人公の言うことはもっともだと思いました。
映画作品としての評価はともかく、“自分は悪くない”という風潮の世の中を憂い、それを肯定して助長するシステムを憂うセリフは、本当にその通りだと思いまって同意しました。
主人公・山縣(阿部寛さん)の言ってることとやってることもその通りだと思いましたが(物置に閉じ込めるのはやりすぎですが、昔は藏や押し入れに閉じ込められることなんかはありましたね)、まあそれが「昭和オヤジ」で反感を買うこと、今は亜流ということを踏まえて、気を付けたいと思いました。
作品としてはその身近で時流のテーマを、なるほどこういう展開にしたかという感じでした。
出演者の皆さんそれぞれ魅力的でしたが、出番が少なくて端的に終わってしまった方も。
浜野謙太さんがもっと絡む役なのかなという期待がありましたが、それからすると少しもったいなかったです。
巧妙
最近センター分けしてる若手俳優さんの見分けがつかないとです・・・
原作未読。
時間軸を頻繁に入れ替えるストーリー展開って間違いなく映像の方が効果的に伝えられると思うのだが、逆に文章でどのように表現しているのかは俄然興味が湧いた。
一方、主人公の行動が全く共感ができなかったことは非常に残念に思った。
警察に通報せず逃げ続ける事でその先で遭遇する人達との絡みが増え物語に厚みは出るのは確かだろうが、明確な理由がなくただ冷静さを失ったという理由のみで逃げるというのはあまりにも安易で、主人公が大人として良識の無い人間であるという事をただ強調するだけになってしまった。
(上半身着るものがなくなってしまう事を承知でガケを降りたのも理解不能でした)
阿部寛は逃亡しても目立ち過ぎちゃってドラマとは言え気の毒に思った。
反則なくらい全く似ても似つかない子役を使った事も功を奏し自分はしっかりと騙された。
ただ犯人の尋常じゃない執念やここまでの人生の中でもっと正さないといけない人に会わなかったという不自然さにはさすがに無理を感じた。
SNSの功罪を問う話の一つだけど、現実はあんな簡単には元に戻らないと言うところを本当にクローズアップして欲しいと思う。
自分の正義を押し付けてしまう。アメリカ映画のヒーローって、皆んなそうじゃない。
自分が悪かったことは、認めて謝罪し反省する、それは敗北ではありません。
やつは、子供のころに聞いたPWを使って山縣家に入り、そこからツィートしていたってことですか、怖っ!
全く身に覚えがないのにある日突然SNSで殺人事件の犯人に仕立て上げられプライバシーを暴かれ日本中から追われる身になるのは恐ろしいがそういう展開は想定済。
でも、今時警察までが証拠もないのに犯人と決めつけるってあり得うるのか(と思いながらもつい最近でも大川原化工機事件などあったわ)、それに、「ツィートはずっと山縣家のルーターを経由してされている」と言われてどういう意味か分からないから考慮から除外って、仕事できない捜査員だわ、詳しくは分からなくても山縣家から発信されているくらいは見当つきそう。だからいい年でもヒラなんだろう。
山縣家の物置から新たな死体が発見されたところからサスペンスモードが強くなる。
どうして入れることができたのか(山縣家に入れる?)、犯人の目的は何か。謎解きががぜん面白くなるが、動機や理由を推理する前に犯人そのものはすぐわかってしまう。やつが芦田愛菜ちゃんの顔見たとたんに意味ありげに表情変えたところで確定です。
時間が交錯するので仕組みが分かるまでは謎多し。
絶対自分は悪くない人、世の中に溢れてますね。自爆するならすればいいが、うかうかしているとこちらに責任転嫁されることがあるので、そういう人には警戒と自衛は怠りませんが、社会で生きていくのは大変です。
まあ何度も同じ失敗しても反省しない人は信用されないからそれなりに処遇されるけど、それすら自分は悪くない他人が周囲が悪い、と考えるからずっとそれなり。自業自得なんだけど。
自分が悪かったことは、認めて謝罪し反省する。それは敗北ではない、前進ですね。
それから、いわゆる「正義厨」、ネットで培養され増殖してそうです。
アパートの一室で何人も手にかけたような、自分の異常な嗜好を勝手な正義感に結び付けて正当化し殺人鬼と化すパターンも、正義厨のバリエーションと考えられそう。
被害者も加害者も闇世界の住人のようだが、SNSでお手軽にマッチングでき、お手軽に犯罪ができてしまう世の中なのだ。
ツッコミどころは多々あるが面白かった。
アベちゃんが、いつもながら良い。
基本彫が深い長身の二枚目なのに、ちょっと胡散臭くかなり嫌な奴っぽく、大真面目ぶりがコミカルで全体として高感度高めになるのが絶妙な味だといつも思っています。
人の気持ちなんて解らない
良い意味で予想を裏切られ、面白かった!
SNSの闇がテーマだけど、本当は?
お話しの構造が上手く作られていて飽きさせない
犯人がすぐ予想できた
原作がおもしろかったし好きな役者さん阿部寛さんが主演なので期待していましたが…犯人がすぐ予想できてしまい、予想がついても面白かったと思える程のストーリー性、演技ではなかったのが残念です。また、SNSでアイドルのファン?の方達の騒ぎを目にして犯人であることが一目瞭然だったのも見る前に萎えてしまった要因です(よくわからないですがアカデミー賞がとれる、見たい彼が見られるはちょっと…作品を利用しないで欲しいですね)
俳優さんの演技対決期待してたから残念でした。
いろいろと考えさせられる作品でした
なぜか笑ってしまう
89点/☆3.9
『六人の嘘つきな大学生』で知られる浅倉秋成の同名小説を『AWAKE』の山田篤宏監督が映画化した炎上サスペンス。
SNSが日常を支配する時代に「冤罪」と「炎上」という現代人が誰しも直面しうる恐怖を描いた作品。
主人公を演じるのは『ショウタイムセブン』『キャンドルスティック』に続き今年3本目の主演となる阿部寛。これまで数々の作品で圧倒的な存在感を示してきた彼だが、本作で挑むのはヒーローとは程遠い、ごく平凡なサラリーマン。
突然SNS上で「殺人犯」に仕立て上げられ、必死に「俺ではない」と訴えても誰にも信じてもらえない孤独な男を、迫真の演技で体現する。
山縣泰介(阿部寛)はハウスメーカーの営業マン。妻(夏川結衣)と穏やかな日常を送っていたが、ある日、自分のものとされるSNSから女子大生の遺体画像が拡散され、一気に炎上の渦中へ。会社も家庭も崩壊し、匿名の群衆の暴走に追い詰められ、ついには逃亡を余儀なくされる。ネット上の火種が、現実の生活を容赦なく焼き尽くしていく恐怖が息苦しいほどに迫ってくる。
物語を加速させるのは、拡散力を持つ大学生インフルエンサー・初羽馬(藤原大祐)の軽率な発信。取引先の若手社員・青江(長尾謙杜)は山縣に怒りを募らせている。信頼を置いている部下や同僚も騒動によって誰も近寄らない。妻を演じる夏川結衣は夫を信じたい気持ちと疑念の間で揺れ動く。そして彼を執拗に追う謎多き女子大生サクラ(芦田愛菜)の存在が、物語を思わぬ方向へと転換させる。
89点/☆3.9
序盤はコメディタッチで『テルマエ・ロマエ』を思わせる阿部寛の顔芸や体を張ったシーンもあり、思わず笑ってしまう。しかし物語が進むにつれ、山縣の愚かさと孤独さが浮彫になっていく。
次第に真犯人は誰なのかというミステリー要素が強まり、終盤は家族との再生へと向かうヒューマンドラマへ。サスペンス、コメディ、ミステリー、家族劇と、ジャンルを乗り継ぐような展開は大胆であり、賛否を呼ぶところだろう。
ただし「なぜ濡れ衣を着せられたのか」という本筋のミステリー部分はやや弱く、真犯人の動機や存在感は物足りなさも残る。
だが本作が本当に描きたかったのは「犯人探し」ではなく、炎上を通じて主人公が自分自身の愚かさや過去の過ちと向き合い、家族との絆を取り戻す物語。
娘との関係、妻との距離感、日常の中で見過ごしてきた思いやりの欠如。それらがすべて今の事態の根底にあることを、山縣は痛感させられる。
彼自身が抱えていた過ちが暴かれていく過程は、まるで人間そのものの愚かさを浮き彫りにしているようでもあった。
「誰が悪いのか」軽率な発信者か、それを拡散した者か、止めようとしなかった者か、ただ傍観していた者か。あるいは彼自身か。小さな火種が雪だるま式に膨らみ、誰も止められなくなるSNS社会の恐ろしさが、リアルな迫力で描かれる。
特に終盤の彼の過ちが明るみになってからの怒涛の展開は見応え十分。
謎の女子大生のサクラの鬼気迫る想いを体現した芦田愛菜の演技も記憶に残る。
本作が本当に射抜いているのは「真犯人は誰か」ではなく、「私たちはなぜこんなにも簡単に他者を裁いてしまうのか」という問いである。
阿部寛の体を張った熱演と若手俳優たちとの化学反応から生まれる緊張の連続。
SNSの危うさを描きつつ、最終的には家族の存在の大きさに気づいた心温まる再生の物語。
スリルと家族愛の二面性を持った炎上エンターテイメント。
ホラーか?
大手ハウスメーカーの営業部長・山縣泰介は、ある日突然、彼のものと思われるSNSアカウントから若い女性の遺体画像が拡散され、殺人犯としてネット上で名指しされてしまった。身に覚えのない事態に無実を訴えたが、あっという間に拡散し、炎上状態になった。泰介の個人情報はネットに晒され、どこにいても追いかけかけ回されるようになった。謎の大学生・サクラや、大学生インフルエンサー・初羽馬、取引先企業の社員・青江、泰介の妻・芙由子ら、さまざまな人物が絡み、泰介は逃亡しながら、無実を証明し、自分を陥れた真犯人を見つけようとしたが・・・さてどうなる、という話。
泰介がネットで犯人扱いされたのに耐えられず逃亡したところまではなんとか理解できたが、夜に家に帰って物置で遺体を発見した時、なぜ逃げたのか不思議だった。自分が殺したわけじゃないのに、逃げたら疑われるでしょ。あの時すぐに警察を呼んでたら・・・この作品にならない・・・よね。
ただ、そう思って観てたから、誰にも共感できず、中弛みして眠たくなった。
サクラが登場したくらいからは面白くなったが、あんな理由で殺人するか?
娘とサクラの関係がわかるまで、ホラーかと思った。
それと、ポストのネギ、何か意味有るのかと思ってたが、わからなかった。何だったのだろう?
山縣泰介役の阿部寛はやっぱりいつもの阿部寛だった。
大学生サクラ役の芦田愛菜は良かった。上手いわ。
藤原大祐はそこそこだが、青江役の長尾謙杜は不気味さが良かった。
夏川結衣、美保純、田島令子、とかつての色っぽい女優の揃い踏みも良かった。
ツッコミどころもありつつもなかなか良かった
まさに今の時代を反映させたような題材の作品。
初っ端の段階で会社も誰も主人公を信じようとも守ろうとしないのは酷すぎだしちょっとありえなくない?って感じでしたがまあそこはそういうものとして見ましたが(笑)
流れ的にはサクサクとテンポよく進んでいくので見やすいと思います。登場人物があまりいないのですがそれぞれ何者なのかよくわからないまま進んでいき最終的にいろんなとこが繋がったり判明したり解決したりしていく流れは見ていて面白かったです。
犯人に関しても最初にこいつだろって思って、やっぱり違うのかな?と、思ったらやっぱりこいつかい!って感じでまあまあそれも良かったかな。
内容とは関係ないけど阿部寛さんと夏川さんが夫婦役ってのは某ドラマが好きな自分としてはなんともニヤニヤしちゃう感じでした。
それと芦田愛菜ちゃんはとっても可愛くなりましたね。あと長尾君は去年あたりに出てた時代劇の作品ではちょっと演技力がまだまだだなと思ってましたが今作で見たらなかなか良くなってきたのではないかと思います。なので今後に期待です!
そんな感じで特別などんでん返し的なものはないけどなかなかに楽しめるエンタメ作品だったかと個人的には思います!
ま、サブスクで見るでも全然いいような感じはしますけどね。
話に違和感
叙述トリックや炎上の拡散など、個々の要素はそれなりに描けていた。
ただSNSが炎上し自宅の物置から死体が発見された時点で、警察に身柄を預けるのが最善策であろう。
それなのに逃走劇へ突入するという物語の主軸には最後まで違和感を覚えた。
制作側もそれを自覚しているのか、エピローグでSNSの書き込みによる「なぜ逃げた?」という言い訳めいた補足を入れている。
また阿部演じる山縣に対する周囲からの評価が散々なものとして中盤で描かれるが、実際にはそこまで酷い人間には見えず、このくだり自体が必要だったのか疑問に思った。
この手の人物をリアルに描きすぎると「とっとと捕まれクソ野郎」としか思わなくなり、話の切り口自体を根本的に変えなきゃいけなくなるのだが。
終盤で山縣が自殺を図ろうとする展開についても理解が追いつかなかった。娘が犯人だと誤解したから?
総じて「つまらなくはない」が、他に面白い映画が上映されている時期にあえて足を運ぶほどではなかった、というのが個人的な感想になる。
コメディとしても、ミステリーとしても、中途半端て弾けない
身に覚えがないのに殺人犯扱いされ、個人情報を晒される主人公の理不尽な姿にしても、不確実な情報を鵜呑みにして、独善的な正義で個人を糾弾するネット民達の無責任な姿にしても、どこかステレオタイプで、特段、目新しさを感じることはなかった。
ただ、自分が、無意識のうちに他人に不愉快な思いをさせていたり、自覚がないのに他人から嫌われていたことを、始めて知った主人公の姿を見ていると、「自分もそうかもしれない」と思われて、何だか身につまされてしまった。おそらく、主人公は、「察しが悪い」と語る妻の本音にも気付いていないのだろう。
序盤は、そんな主人公が巻き込まれる騒動に、「どうなるのだろう?」と引き込まれるが、主人公が、自宅の物置で死体を発見した時に、警察に通報せずに逃げる様子には、「逃げたら、益々疑われるのに」と大きな違和感を覚えざるを得なかった。
主人公が、「アカウントは削除できない」と言われただけで、警察を信用できなくなったとは考えにくいし、差出人不明の怪しげな手紙に「逃げ切ってほしい」と書かれていたことを、鵜呑みにするほど思慮が浅いとも思えない。
主人公が「逃亡者」になるところは、ストーリー上、最も重要な展開であると言っても過言ではないのだが、そこのところに説得力が感じられないのは、物語として致命的なのではないだろうか?
同様に、主人公が、座標(緯度・経度)を調べるためにスマホを借りたはずなのに、エゴサばかりして、ちっともそれを調べなかったり、男子小学生が、祖母が目撃した怪しい男のことや、その男が落としたメモのことを、警察官の父親と共有しなかったり、警察が、何の裏付けもないのに、主人公のことを殺人犯だと決めつけたり、女子大生やコンテナハウスの販売員が、いとも簡単に主人公の居場所を突き止めたりと、ミステリーとして、杜撰でお粗末だと感じられるところが少なくなかったのも気になった。
「誰が真犯人なのか?」という謎解きにしても、主人公の娘が、物置に閉じ込められた時点で、彼女が事件に関与していることが分かるのだが、小学生の女の子が大人の女性を何人も殺すことは無理だろうから、消去法によって、犯人が1人に絞られてしまう。
ただ、パンフレットの文言を修正するように言われたことが、犯人が主人公を陥れた理由だとすると、動機として、余りにも貧弱なのではないかといぶかっていると、女子小学生と女子大生が同一人物だったという、時間に関する「仕掛け」が明らかになって、ここは、素直に驚かされた。
その一方で、こうした「仕掛け」には、犯行に至る犯人のバックグラウンドが理解できたり、観客を幻惑したりといった効果があると認められるものの、犯人探しのミステリーとしては、本当に必要だったのだろうかという疑問も残る。
犯人や警察が「自分は悪くない」と思い込む一方で、主人公の一家の面々や、最初に犯人の投稿をリツイートした男子大学生が、「自分が悪かった」と反省するラストには、仄かな希望が感じられるものの、度々描かれる「今どきの若いものは」的な若年層批判は鼻につくし、前半の軽妙でコミカルな味わいが、後半になって影を潜め、暗くて重たい話になってしまったことは、残念に思えてならなかった。
全340件中、281~300件目を表示









