「極めて巧妙なミスディレクション」俺ではない炎上 とうきさんの映画レビュー(感想・評価)
極めて巧妙なミスディレクション
これはネタバレ一切なしで観てほしい。
このレビューも、一応ネタバレなしで書いたつもりだが、できれば観終わった後に読んでほしい。
炎上シーンは正直リアリティに欠ける部分もあって、途中まで「やりすぎ」「意味不明な行動や人物関係」が多くて、もしかしてハズレかも…と思った。けど、最終的にはちゃんと全部が予想外の形で繋がっていた!言葉の意味をわざとあるものと思わせたら、実は全然違うことを指していたとか、それぞれ登場人物の正体もその人だと思わせたら実はあの人でしたとか、久しぶりに高度なミスディレクションでいい意味でやられた!
ミステリーとしてもめちゃくちゃ面白かったし、ヒューマンドラマとしても魅力的。焦点はミステリー特有の「犯人の過去がかわいそう」とかじゃなくて、過剰な正義感、ジェネレーションギャップ、ネット世論の怖さ、自己認識と他者認識のズレ、責任転嫁しがちな人間性…などなど、語り出したらキリがないテーマが詰まっている。特に、ラストで妻が病院で言った言葉はとても興味深くてハッとさせられたから、ぜひ注目してほしい。
謎解きの部分は、細かいところまで完璧に説明しきれていない箇所も残っているけど、それでも十分驚かされて大満足の展開。作品全体で見るとめちゃくちゃ考えさせられるし、面白い一本だった!スタッフクレジットまでSNSのタイムライン風に見せる映像編集も面白かったし、阿部さんも60代とは思えないほど体を張っていて本当にすごかった。これは2度目観たら新しく発見ができそう!
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