「話に違和感」俺ではない炎上 トーキングさんの映画レビュー(感想・評価)
話に違和感
クリックして本文を読む
叙述トリックや炎上の拡散など、個々の要素はそれなりに描けていた。
ただSNSが炎上し自宅の物置から死体が発見された時点で、警察に身柄を預けるのが最善策であろう。
それなのに逃走劇へ突入するという物語の主軸には最後まで違和感を覚えた。
制作側もそれを自覚しているのか、エピローグでSNSの書き込みによる「なぜ逃げた?」という言い訳めいた補足を入れている。
また阿部演じる山縣に対する周囲からの評価が散々なものとして中盤で描かれるが、実際にはそこまで酷い人間には見えず、このくだり自体が必要だったのか疑問に思った。
この手の人物をリアルに描きすぎると「とっとと捕まれクソ野郎」としか思わなくなり、話の切り口自体を根本的に変えなきゃいけなくなるのだが。
終盤で山縣が自殺を図ろうとする展開についても理解が追いつかなかった。娘が犯人だと誤解したから?
総じて「つまらなくはない」が、他に面白い映画が上映されている時期にあえて足を運ぶほどではなかった、というのが個人的な感想になる。
コメントする
