俺ではない炎上のレビュー・感想・評価
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情報拡散への責任感を薄れさせるSNSというツール、振り回される私たち
主人公の泰介が容疑者としてネット炎上し逃げ惑う様が一見コミカルタッチで描かれていたが、私はネット民の軽率さに恐怖し、泰介の受難に胃がキリキリして、ホラーを見ているような心境になりほとんど笑えなかった。それほど、特に序盤の展開には嫌なリアリティがあった。こんな素っ頓狂な濡れ衣がリアリティを持つなんて……大丈夫なのか現代社会。
泰介の家の倉庫から死体が出てきたあたりから物語の生々しさは若干薄れ、怪しく見える人物が二転三転したりして(かなり力技だなと思う部分はあれど)ミステリっぽい面白さが味わえたのはよかった。原作未読なので、叙述トリックにもまんまと惑わされた。
想定外だが阿部寛の肉体美も拝めたし、夏川結衣との「結婚できない男」ペアが久しぶりに見られたのもちょっと嬉しかったし、キャスティングもそこそこ満足。
時系列をいじった叙述トリックは、上手いこと出来ていてまんまと引っかかってしまい楽しかった。11年前のえばたんが夏実の家でネット検索する場面を見ている時はてっきり彼が夏実のために泰介について検索しているのだと思ったが、あれはどうやら自分の父親について調べていたようで、これは上手い目くらましだった。
一方でよくわからない部分もあった。泰介の娘の夏実についてネットで調べたすみしょーは、彼女の正体を殺されたパパ活女の友人で苗字が「さくら」だと言っていたが、あれは結局すみしょーの誤解だったということでいいのだろうか。終盤「からにえなくさ」の廃墟にあった遺体が、その「友人のさくら」のものだったということなのか。
最初から夏実が、子供の頃作ったアカウントが殺人事件の犯人らしき人物に乗っ取られたと警察に相談していればよかったのでは?と思わなくもないが、そこをひっくり返すと話の大半が消えてしまうのでとりあえず目をつぶる。
妻の芙由子が、「たいすけ」アカウントを娘が作ったことを知っていたのになかなか警察に言わなかったのは……うーん。娘を守りたかったというが、夫が冤罪で捕まったら結局娘も受難する事態になると思うのだが。
えばたん、のちの青江が、子供時代に友達(夏実)から話で聞いただけのよその家の父親(泰介)の行き過ぎた懲罰を11年間根に持ち続け、当時見た鍵のありかやパスワードを記憶して、その父親の取引先の企業に就職し、あまりに手の込んだ加害行為をするのも、そもそも不自然に思えた。この不自然な経緯を「父親の犯罪のせいで闇堕ち」という設定だけでほぼ心情描写なしに通そうとしたため、「トリックに都合のよいキャラ」感が出てしまった。原作にはもうちょっと色々描写があったのかもしれないが。
あと、泰介の家への嫌がらせで何故長ネギが使われたんだろう。何かの伏線かと思ったら何もなかった。
すみしょー(藤原大祐)はSNSにおける匿名(仮名)アカウントの無責任さを象徴するようなキャラだ。彼は大学では若者の政治参加について真面目なディスカッションをするなど、社会に対する問題意識のアンテナを張っているつもりの、悪意のない人間だ。そんな彼がSNSというツールを介した自分の行動(リポスト)に関しては、当事者家族から「諸悪の根源」と指摘されても全く反省出来ない無責任さを露呈する。
だが彼の態度は他人事ではなく、SNSを使う誰もが陥りやすい状態なのではないだろうか。顔も本名も開示しなくていい、自分の発信を受け取る相手や炎上の被害者の顔も見えない空間で、自分の言葉を添える必要さえないリポストをする時、面と向かってものを言うのと同等の慎重さをもってその是非を検討する人間が果たしてどれほどいるだろうか。
また、多くの人の拡散行為の連鎖で起こる炎上は、拡散した一人一人にとっては責任が分散されるような錯覚をもたらす。だから大半の人は「僕は悪くない」で止まってしまう。
夏実がすみしょーをガン詰めし「お前が諸悪の根源なんだよ!」と啖呵を切る場面は、夏実の台詞というより作り手の主張を芦田愛菜が代弁しているような印象を受ける点においてはちょっとどうなのかなと思ったが、無責任ムーブをかますSNSユーザー代表のすみしょーを言葉でボコってくれたという点ではちょっとスッキリした。
ただ、最終的に「僕が悪いかもしれない」と自分の責任に向き合えた彼は、ユーザーの中でもだいぶまともな部類なのかもしれない。
この映画は、すみしょー無責任だなーといったような他人事的感想だけで終わるのではなく、他山の石としなければテーマを理解したことにならない。SNS上のセンセーショナルな話題、義侠心に訴えるような書きぶりのポストは特に拡散欲を刺激するが、その時に手を止めて芦田愛菜の啖呵を思い出すことができるだろうかと、まずは自分に問うべきだろう。
……私? SNSはそこそこ閲覧するけどROM専なんで……あらためて、ポスト・リポストは絶対するまいと思いました。怖いところやでSNS界隈は……
正義という名の凶器
使い方によっては加害者側にも被害者側にもなってしまう可能性のあるSNSの怖さ。正義感が時に凶器となる怖さを感じました。
罪はきちんと償うべきだ、これ以上犠牲者が出ないことを祈る。そんな気持ちなのかもしれない。けれどその正義感こそが、その情報は真実ではないのかもしれない、そのせいで誰かの人生が狂ってしまうかもしれない。ということを忘れさせてしまうのかもしれない。
長尾謙杜くんの演技に引き込まれました。
目から、表情から、声から、伝わってくる感情。
彼のこんな役を見たかったので嬉しいです。
俳優陣の演技が光る
もっと
もっとパワハラ男でも良いんじゃないかな?
これで会社や家庭内で理解されないパワハラ男で
事件のターゲットになっちゃうんじゃ・・・。
始まってからずっと警察に通報しない人ばかりで
走って逃げ始めるなんてダメダメ映画じゃん
予告にもあった芦田愛菜のシーンの相手が阿部寛じゃないの!!?
といい意味裏切られたのが一番の盛り上がりでした。
歳のせいかタイムループシーンがなかなか受け入れなく
なってきましたね。
まあ映画で言いたいことはしっかりわかりますが
やるならその後ネット書き込みに対して、訴訟を起こすとか
その結末(事実を元にしたフィクション)をしっかり描いたほうが
今の時代訴求力が有るんじゃないかな?また
最後のダチョウ倶楽部みたいなくだりは必要なのか?(笑)
いずれにしろ「相手の立場になって物事考える」
昔はよく聞いていた言葉が今は聞かなくなったのが
寂しく、怖い限りです。
喉元過ぎれば熱さを忘れる
各種SNSが登場し、賑わい始めてから幾星霜…
[3年A組‐今から皆さんは、人質です‐]や『神は見返りを求める』『裏アカ』『SNS-少女たちの10日間-』などなど、
ネットに蠢く人間の闇、心の穢さ、残酷さを、これでもかとテーマにした作品が今迄沢山発表されたのに、
未だに…SNSは、承認欲求を欲する余り、自分の恥すら自分で発信して、叩かれ叩いての繰り返し。
オマケに今じゃAIを使って精巧なコラ動画やデマ映像なんかも簡単に創られ、気軽に流布される時代。
デマに釣られて、無実の人を、薄氷が如き匿名性に胡座をかいて、ズタボロになる迄、散々叩きに叩いた挙句、
それが過ちだったと分かれば、誰も何も謝る事無く、蜘蛛の子を散らす様に退散し、まるで最初から何事も無かった様に、また新たな獲物を探す日々。
かく言う、私も偉そうに云えない。
バイトテロ、客テロ、カスハラクレーマー、毒親、迷惑系YouTuber、インバウンド不良外人…
怒りのままに思いついた感情を剥き出しに書いて、あとはポチリ…😮💨😓
人の振り見て我が振りなおせ、でも、簡単に、喉元過ぎれば熱さを忘れる
それが人間😢…されど、そこで諦めまいと自重できるのも人間🙇♂️
下手なホラーよりよっぽど怖い
炎ディングWANIMAの「🔥おっかない🔥」歌詞が総てを語ってる、素晴らしい!
温かいモノが恋しくなる季節 秋がやって来ました!
衣替えの季節ですね (。・ω・。)
よって劇場も新作公開が毎週殺到で大忙し。
今週見逃すと 来週はもう見れなく成る作品が出ちゃうので
気合い入れて鑑賞していきましょう!
今日は気軽に「俺ではない炎上」見ましたよ。
ネットSNSなどの炎上テ-マの話ですね。
予告では全編コメディかと思ってましたが・・・違いました、事件物です!
前半、何となく炎上に追い込まれ被害かと気軽に見てましたが
コメディ感覚は半分くらい。
後半、謎の女性?登場でなぜこうなったのか、真剣に考えなくてはならない話展開に事件の真相が徐々に見えてくるところは良かった。
人って裏腹有って怖いなと思う次第です。
評価は3.8ぐらい。
今考えるべき作品、とても良いと思いますね。
-------MC -----
山縣泰介(部長、父)役:阿部寛さん
山縣芙由子(母)役:夏川結衣さん
サクラ(娘)役:芦田愛菜さん
住吉初羽馬(SNS投稿)役:藤原大祐さん
青江(不動産社員)役:長尾謙杜さん
------------------
良かった点:
・阿部さんに夏川さんの夫婦役ですが、TVドラマ「結婚できない男」で好感があったんでこの役はピッタリかな。配役はイイ感じ。
かつ娘が 芦田さんなんで言う事なし。
”あんたが諸悪の根源だからだろうが!!”ここのセリフ。父に言ってたのかと思ってたが実は違うかった。そこ意外でした。
彼女の追う男とは誰なのか・・・そこが見ものですね。
・阿部さんの逞しい体を拝見。
高い高所からの飛び降り。ここまで脱ぐ?パンツ1枚姿に笑う。
なんでそう成るのかと、ハハハ。でも悩み自殺せず必死に逃亡して行く姿は考えさせられた。
いま一歩な点:
ガス爆発場面ですね。やっぱしあれは無いかな。
見せ場としては良いけども 着火するのは都合良すぎと感じます。
褒めたい点:
エンディングの曲が良かった。
WANIMAのファンでも何でもないし日頃はこの手の曲は聞かない。
エンディングにこの激しい曲??って最初思ったが
歌詞が耳に入り 上手くこの映画の問題点と世の中の不条理な叫びを語ってる事に気が付いた。私の中では一番にテンション盛り上がった時でした。
ご興味ある方は
是非! 家族、友人揃って
今の内に劇場へ どうぞ!!
SNSの闇と人間の本質
■ 作品情報
浅倉秋成の同名小説を原作としたサスペンスミステリー映画。監督は山田篤宏、脚本は林民夫。主要キャストは、主演の阿部寛をはじめ、芦田愛菜、藤原大祐、長尾謙杜、夏川結衣らが名を連ねる。
■ ストーリー
大手ハウスメーカーの営業部長・山縣泰介は、ごく普通の生活を送っていた。しかしある日、SNS上に彼のものと思われるアカウントから女子大生の遺体画像が投稿され、自身が殺人犯であると拡散されてしまう。身に覚えのない冤罪に戸惑う山縣は無実を訴えるが、ネット上の根拠のない情報は瞬く間に独り歩きし、世間から追われる「炎上」状態に陥る。彼は必死の逃亡を続けながら、自身を陥れた真犯人を見つけ出そうと奔走する。謎の大学生サクラ、インフルエンサー、取引先の若手社員、そして妻ら、さまざまな人物の思惑が絡み合い、事態は混迷を極めていく。
■ 感想
本作は、現代社会が抱えるSNSの恐ろしさを真正面から突きつける、非常に衝撃的な作品です。ごく普通の一般人が、ある日突然、何の根拠もない情報でネットリンチの標的となる恐怖。主人公が味わう理不尽な怒り、焦り、そして社会から隔絶されていく絶望感は、まるで自分自身の身に起こっているかのように心に迫ります。阿部寛さんの演技が本当にすばらしく、単なる被害者としてだけでなく、人間が持ちうる身勝手さや弱さや葛藤もリアルに表現されており、感情移入せずにはいられません。
娘をめぐる描写や、終盤に向かって巧妙に仕掛けられた謎解き、そして犯人の真相が明らかになる展開には、最後まで目が離せませんでした。構成の巧みさが光り、サスペンスとしての緊張感が途切れることなく持続します。
近年、SNSでの無責任な発信が引き起こす社会問題に警鐘を鳴らす作品が増えていますが、本作もその一つとして重要なメッセージを発しています。しかし、観終わった後には、単なる警鐘ではもはや足りないのではないかという強い危機感を抱きます。人の良心に訴えるだけでは解決できないほど、私たちの社会は分断され、思いやりを失ってしまっているのかもしれません。
この映画は、他者を安易に裁くことの危険性、そして情報に流されやすい現代人の脆さを痛感させます。と同時に、「自分は大丈夫か?」と自らを省みるきっかけを与えてくれます。私たち一人一人が、SNSとの向き合い方、そして他者への想像力を問い直すべき時が来ていると強く感じさせられる、そんな深く考えさせられる一本です。
惜しくて残念な推理劇。
ネットの炎上が巻き起こす悲喜劇
まずまずの出来かと思います。なんか何かに巻き込まれていることに気がつかない無自覚さにそこの描き方にスリルやらサスペンス感が希薄なとこか多少イライラしました。少し安っぽい作りは邦画だから仕方ないのかな、「白雪姫殺人事件」の方がまだマシかも。
そもそも事件の発端が子供を叱る時昔ながらの叱り方だと根に持つと言うのか怨恨を残すんですね。それに勝手にSNSでアカウント作られてそれを知ってる友達が犯人だったと言うかのもなんかなあ、
そんなもんなんでしょうね
ネットって巻き起こす事件なんてそんなものなんでしょう。
還暦超えオヤジには耳の痛い話
身も蓋もない話をすれば、まずは警察に出頭すれば話はそれで終わります・・・って事を言っちゃ絶対に駄目(笑)それにしてもSNSの恐ろしさ、面白さがよく描かれていました。
基本コメディですが、ブラックユーモアというものでもなく、世代間の考え方の違いっていうのもめちゃわかりやすいのですが、今の若者達を育てたのはもちろん昭和生まれの親たちであり、私のような年金受給者にとっては耳の痛い話でもあり、もちろん阿部寛演じる主人公の考えに近いわけで。
でもまぁ、自分が若い世代にどんなに嫌われているかを感じない、主人公のその強さには感服します(笑)
余り書くとネタバレになるので書けません。
一つだけ書くと・・・190センチ近い阿部寛と160センチ超えの夏川結衣の子どもが・・・
ありえないかな(笑)
インターネットリテラシー啓蒙映画
伏線回収からの鳥肌がすごい
SNSやってなくても明日は我が身
笑えない社会風刺コメディ映画
エンディングのWANIMAの「おっかない」まで含めて一貫して作られていて、「笑える」けれど「笑えない」。
ミステリーサスペンスとかとして見るよりもコメディ映画として見たほうが正解かも。
そのコメディ要素の中に社会風刺が刺さってくるのでは、と思った。
一つアブナイなと感じたのはいつかどこかの誰かが「正義」のためにネットのつぶやきを簡単に裁く法律でも作っちゃいそう。
予告編で芦田愛菜が吠えていたけれど、あれはてっきり阿部寛に吠えていたと思っていた。やられた💦
もう一回みて伏線回収したい映画
コメディかと勝手に思っていたらそうでもなかった
そしてまた、なんから散らばっているものが、ちゃんと回収されていない気がするし。
オイラがおじさんだからなのか、理解しにくいシーンも多々あったし。
部下の塩見のくだりが1番面白かったのだが、犯人じゃないと分かってからの社員の手のひら返しで塩見が出てこなかったのはダメでしょ 笑
原作?を含め製作側は世間にメッセージを与えたかった作品なのか?
テーマは共感できるが、説得力に欠ける作品
現代社会における「誰にでも起こりうる恐怖」を描こうとした作品だと思います。しかし、殺人の疑いをかけられて逃亡する主人公の行動には、どうしても納得しづらい部分がありました。
SNSや誤情報の拡散による“炎上”の怖さや、匿名の無責任さといったテーマには共感できるものの、拡散した人々の罪や「一度広まった情報は消えない」という現実などを、もう少し掘り下げて問題提起できていれば、より説得力のある作品になったのではと感じます。
全体としては、伝えたいことがうまく伝わらず、訴求力が弱い印象でした。物語を進めるためにキャラクターや展開が都合よく動いてしまう点や、真犯人の動機や説明に弱さがあり、納得しにくい部分も残ります。
ネタバレを避けて多くは書きませんが、テーマ性、キャストは良いだけに、もう一歩踏み込んでほしかった作品です。
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