か「」く「」し「」ご「」と「のレビュー・感想・評価
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青春とは、いわば異世界転生異能モノであったかと
観終わった後に、現実を忘れて心が洗われた清々しさがあり、とても楽しめました。
爽やかな清涼剤のような青春世界を見せてくれる、素敵な作品だと思いました。
前情報は予告編だけで、原作も作家も知らずに、気まぐれで映画館で観ました。
誰しも思春期に「自分って、恋愛って、どうすれば良いんだろう」と不安や葛藤に突き当たります。自己肯定感が低いのは、知能に経験が追い付いていない未熟さです。そして未熟だからこその純粋な心によって織りなされる、人間模様や内面世界が青春だと考えています。
逆に「わからない」「いやちがう」と思う人がいても当然です。
例えば劇中では家庭環境などは描かれませんし、生々しい人間や複雑な現実社会の問題解決がある訳ではありません。より複雑で深刻な悩みを抱えている現実の若者へのメッセージを期待される方には合わないと思われます。
しかし私はこの作品のお陰で、恥ずかしながら至極当たり前の事に気が付けました。例えば若者の悩みに対して、大人が「こうすればええやん」と解決しても、そんなのはむしろクソ喰らえで、全然青春映画じゃないのだと。
彼ら自身が、彼らの視点から、精一杯の答えを出していく、そしてその過程、その瞬間瞬間こそ、最も尊い青春なのだと思います。自分の人生という、わからない事だらけの異世界の旅に放り出されながらも、自分の能力と気持ちを使って、手探りで世界を獲得していく姿が胸の透くような存在に映るのかなあ、なんて、そんな事を考えた貴重な作品でした。
心の機微//作劇についての持論
“少しだけ人の気持ちが見えてしまう”ことを漫画的に描くので
最初はファンタジー系ラブコメなのか?と思ったけれど意外に
ちゃんと心の機微を描いた作品だった。
”人の気持ちが見えてしまう”と言っても、テレパシーのように
頭の中に思い浮かべた内容まで分かるわけではない。
この人は顔は平静を装っていてもものすごく動揺しているとか、
顔は笑っているのに心からの笑顔ではないとか、この人は平然と
噓をついているとか、映画じゃなくても直感で分かってしまう
ことは誰しも経験があるだろう。
映画では誇張して描いているだけで人の感情を察知する能力が
人並外れて高い人なのだと解釈すればそれほどファンタジー色が
濃いとは感じない。
普通の高校生の普段通りの学生生活が描かれる。(自分にとっては
遥か昔のことだけど今どきの高校生活を疑似体験する気分で鑑賞)
普通の生活の中で感じる機微。普段の会話の中に込めた思いや、
逆に言葉にできない思い。映画の題は特殊能力を隠し持つという
以外に本心や本音をなかなか打ち明けられないという意味もある。
高校生が5人いて鍵括弧が5つ。「」の中は空だ。それぞれが言葉に
出せない思いがあるというのを象徴した印象的な題。そしてよく
見ると5つ目の鍵括弧は閉じられていない。もちろんこれには意味が
ある。どんな意味かは観てのお楽しみ。
主要な5人に絞って物語が展開していて良い。それぞれの視点から
人を評価したり、あるいは自分が人からどう思われているかを気に
したり。多感な高校生の心の中を巧く描いていると思った。ただ、
小説の映画化だからなのか本人の独白が若干多いと感じた。
でも許容範囲。
5人の高校生の話だが出演者の名前で一番目が奥平大兼(大塚京)
だから一応彼が主人公か。陰キャだな。 ”草食系男子”という言葉は
今でも使われているのかどうか知らないけれど、この手の男子を
主役にした映画が増えているように感じる。時代を反映しているの
だろうか。彼のような人物の方がより共感を得られやすいとか?
自分自身内気な性格で特に女子に対して奥手だったから彼の気持ちは
良く分かる。でももっと活発な男子を描いた話の方が観たいと思う。
演者はそれぞれ良かったと思う。役者の序列で2番手になった出口夏希
(ミッキーこと三木直子)はまだ主演映画というのは無いようだが、
いつ主役を張ってもおかしくない存在感と演技力があった。陰キャを
演じた奥平大兼よりも強く印象に残った。
全体としての印象は良かった中で一部カメラワークに不満があった。
大事な局面であえて手持ちカメラで微妙に画面を揺らす撮り方。
不安定な気持ちを描きたかったのかもしれないが、それは演者に任せて
演技だけで伝わるようにしてほしかった。他に「なぜそこだけ本人
目線?」と違和感を感じる場面があった。
終盤の盛り上がりはありがちな展開ではあったけれど、それまでの
もやもやが一応解消する内容で良かった。
普通の高校生活が題材だけに物語の起伏があまりなくちょっと冗長に
感じた。この中身ならもう少しテンポよく進めて上映時間を詰めた方が
印象が良くなった気がする。
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別の映画のレビューでも触れたが作劇に関する持論を書いておきたい。
・どのようなジャンルであれ、登場人物が大病を患ったり理不尽に
殺されたり交通事故で死んだりしない物語には好感が持てる
・大病・殺人・交通事故は簡単に物語を動かせる三種の神器
・最近の”感動させたい”系邦画は大概このいずれかに頼っている。
たくさん観た中の数本だけならまだしも多すぎて辟易する。
・今年1月~5月に観た映画だけでも(感動させたい系かどうかの
分類は独断)11本中 9本が該当。その内交通事故が発生するのは
6本である。(店を破壊する物損事故を含む)すごい確率だ。同じ
映画の中で殺人と事故の両方、事故と病死の両方、というのもある。
・まず交通事故当事者の運転手は登場しない。 作者にとっては
誰かを物語から強制退場させること(あるいは店を破壊すること)
だけが目的だから運転手の人格とか事故を起こした経緯とかは
どうでも良いことなのだ。
・殺人事件にしても"なぜ?"は有耶無耶にされる
・必然性なし 悪い偶然が重なったわけでもない ただ突然に
それは起こる
・人が喜怒哀楽を感じる時というのは何も人が死んだとか大きな
出来事が起こった場合に限らない。平凡な日常を送っていても
それは感じられるものだ。
・人間観察ができている人は何気ない出来事を通してでもそこに
ドラマチックな要素を見つけ作品に反映させることができるだろう
・人と人との関係がドラマを生むと考えたい。外的要因で物語が
強制的に動かされても感銘を受けにくい
・その点で今作は日常で感じる心の機微が巧みに描かれていて
好感が持てた次第だ
突っ込んでもいいの!?
とても良かった! 設定的に心象全振り映画だけど、君等人生何周目やね...
登場人物の自己肯定感の低↓さ↓が気になるが よくできた青♠️春❤️群♦️像♣️劇
清鈴(せいりん)高校という名の高校に通う 仲良し5人組 ミッキー(演: 出口夏希)、京(演: 奥平大兼)、パラ(演: 菊池日菜子)、ヅカ(演: 佐野晶哉)、エル(演: 早瀬憩)の青春群像劇で、物語はミッキーと京の恋愛模様を軸として進みます。この5人にはそれぞれ特殊能力があるのですが、まあ感受性の強い一般の高校生なら多少なりとも持ってそうな能力ではあります。割と鈍感なほうの私でも高校生時代にはクラスメイトの誰が誰に恋心を抱いているかぐらいは勘づいていましたから(それが社会人になるとからっきし駄目になって身近な同僚同士が社内結婚してびっくり、てなことになります)。今思えば、それだけ高校生時代は人のことをよく観察していて人付き合いも丁寧だったんでしょうね(でも、クラスメイトがシャンプーをかえても間違いなく気付けなかったとは思います)。
この物語のいいところは、登場人物それぞれが互いに相手を思いやる気持ちがあって、大事なところで利他的な行動をとることです。けっこう、皆、いいヤツなんですよね。気になったのは、登場人物が自我がうまく確立できていないというか、自己肯定感が低いということです。で、自己肯定感が低いとこの年頃では虚勢を張るという方向に進むと思うのですが、ヅカとパラはそのことに自覚的でこの年齢にふさわしいだけの精神年齢に達していると感じました。ミッキーはと言うと、虚勢を張ってることに無自覚でただただ幼く見えてしまったのですが、まあ人に親切で元気な小学生みたいでそれが魅力なのでしょうか。京は虚勢も張らず、自己肯定感が低いことを隠しもしません。繊細で優しくてとてもいいヤツなんですけど、ただのウジウジしてる優柔不断なヤツにも見えます。エルは不登校を乗り越えたせいかどうかはわかりませんけど、5人のなかではいちばん自我が確立していて大人になっている感じがしました。ちなみに、自分が清鈴高校の男子高校生なら、いちばんお近付きになりたいのはエルです。
ということで、幼いふたりの恋愛模様を見守る 多少は大人になってる周囲の3人とも感じたのですが、どうなんでしょうかね。私の目からは物語の中心にいる二人のキャラがそれほど魅力的だとは感じませんでした。奥平大兼と出口夏希がやってるから、恋愛モノとして成立しているような感じ。一昔前の青春モノだったら、この5人なら、ヅカとパラを中心に展開してゆくのでは、とも感じました。あと、青春モノの大きなテーマのひとつに主人公の成長というのがあると思うのですが、ここではなんか二人の成長度合いが小さかったような気もします。これからの恋愛を通して二人はもっともっと成長してゆくのだ、ということなのでしょうか。
何はともあれ、ちょっと令和っぽさを感じる青春映画、楽しませていただきました。
キミスイの住野先生原作で鑑賞
原作の不満点解消、ほぼ満点
原作を読んで、
魅力的なキャラはパラとミッキーだけ、
ストーリーは後半失速、
そして隠し事の各仕事である「能力」は
著者がウケをねらったギミックでしかない
と思ったが、
中川駿監督の料理のしかたと、俳優陣の演技は
どんなもんかと観に行った。
そしたらーー
内容的に不満のあった4・5章は、
4章カット、
5章も大幅に設定変更。
それ以外にも、細かく中川脚本の手が入り。
京くんと宮里さんのキャラには、みごとに命が宿り、
ミッキーは想像通り、パラは増強さえしてた。
(ヅカは、ちょっと違う、と思ったけど)
そして「能力」は、ほんのスパイス程度。
でも効果的に使われてた。
つまり、ワタクシが不満をもったところは、
ほぼ全部、改善されていたのであります。
そしたらほんと、素晴らしい映画になった(手前味噌だなw)。
観てよかった!
中川監督、グッジョブ!
(ただし、最初の古文の問題、見間違いでなければ後ろが形容動詞だったから、答えは「いみじ」じゃなくて「いと」だと思うぞ)
綺麗に恋をしようとし過ぎ。疲れないか?
相手の感情が見えるというのは良い側面もあるけど悪い側面もやはりある...
察すること、思いやること
原作は読んでないけど時間が足りてない感じ
期待の中川駿監督作品で住野よる原作。ちょっと捻った青春もの。中身を全く知らずに見たが、人の心を可視化してみれる特殊能力を持った5人の仲間を通じての誰かが誰かを好きで、その矢印が追いかけっこになるというヤツ。「超能力」はあるが「超能力もの」ではない。エスパーものでもないのに何でよりによってそんな能力を持った人間が集中的に集まってるのかはわからない。登場人物の章分けで進んで、各章主人公がナレーションを読み上げながらリレーしていって、最後はようやくメインの2人がどうなるか、に至る。
見ながら思ったのは原作はおそらくもっと細かに盛られているのだろう。しかし2時間尺はそれを許さないであろう。なので映画としては物足りない。そして各人の能力を思えば、あの時は何が見えてるのか、それ見えてないのか? とか最近の坂元裕二ファンタジー映画同様、いろいろ思ってしまう。特殊能力が簡単にクロスしない。それによってもっと大きなアクロバットがあるのかと思ったら、散々CGで心模様を捉えていた世界から、最後はしゃべってはいけない図書館でノートの切れっ端に書き込みしあって、ついには声をあげてしまう、というもの。その設定はいいのだけど、そこに至るまでの特殊能力の悶絶がそこまでうまくいってないのでカタルシスがそこまでない。
逆に予想に反してよかったのが、ちょっとふっくらし過ぎてはないかと思った奥平大兼がそのふっくらっさも活かしてかなりよかったこと。一方の出口夏希はどこからどうみても人気者、美少女っぽくはあれど、その魅力がなかなか伝わらない。伝わらないのはもちろんその設定ゆえ。早瀬、菊池、佐野に比べて負の要素が表面上ないから。なので最後の図書館でようやくその魅力がグッと出てくるがそれまでキラキラし過ぎていてドラマのメインとしての魅力が掴みづらい。思えば特殊能力らしきものはみな幻のように描かれていて、それを外せば本当にたわいもない話なのだが、各キャラクターをじっくり描くには2時間半は必要だろうな。
ひたすらキラキラ青春が眩しくて羨ましい!それだけ!
眩しい…!眩しすぎるキラキラの青春…!
“人の気持ちが少しだけ見えてしまう”5人が織りなす高校生活。気持ちの見え方はそれぞれで異なるし、お互いにそれを知らないので、すれ違いや衝突もある。そのあたりにフォーカスした作品かと予想していましたが、ちょっとファンタジーエッセンスのある王道青春ムービーで、なんかもう羨ましいという感想以外出てきません。笑 友達と遊んだり一緒に勉強したり、気になる人の一挙一動にドキドキしたり、進路に悩んだり、みんなで協力して成し遂げる文化祭、学校の謎の伝統に乗っかる修学旅行、なんだこれは!楽しそうでしかない!!
主要キャスト皆さん演技も良くて、出口さんがひたすらに可愛かったです。
映画としては先が読めるのにテンポが悪いのが残念でしたが、まぁなんてゆうかもうキラキラが眩しいという本当それだけです。笑
悪くはない
久しぶりに眩しいヒロインを楽しんだ
10年くらい前は、邦画に次々とニューヒロインが登場し、ストーリーはクダラナクても彼女たちをスクリーンで拝むだけで楽しいという作品がたくさんあった。しかし。近年は人材の枯渇なのか、そういう作品の需要が無くなったのか、理由は分からないが希少になってしまった。 「知らないけど観てみよう!」という若きニューヒロインがなかなかスクリーンに登場しない。
この出口夏希も23歳だし、俺が釘付けになった“舞妓さんちのかまないさん”からも既に2年半経過しているのでニューヒロインとは言えないけれど、昨今の状況では相対的にまだまだフレッシュ!
と言うわけで、作品の内容紹介には目もくれず、出口夏希を鑑賞するためだけに劇場に足を運んだ。
【物語】
高校生の京(奥平大兼)はクラスの人気者・三木(出口夏希)に思いを寄せていた。しかし、内気で臆病な性格であることに加え、人の気持ちが見えてしまう特殊能力を持っているために、三木に近づいて彼女の自分に対する気持ちが見えてしまうことが怖かったからだった。親友のヅカ(佐野晶哉) が三木と幼なじみであるため、彼女を「友達の友達」と思うことにしていた。
実は京だけでなく彼を取り巻く4人のクラスメート(出口夏希、佐野晶哉、菊池 日菜子、早瀬 憩)は“少しだけ人の気持ちが見えてしまう”という特殊能力をそれぞれ隠し持っていた。彼ら男女5人の思いが交錯する、もどかしくも切ない日々を描く。
【感想】
ストーリー展開は、「まあ、そんなもんか」くらい。 設定にちょっと無理を感じるところはあるが、青春時代ならではの初々しく、もどかしく、じれったい恋模様は描かれている。大人向けの作品ではないが、元々期待もしていなかったので・・・。
唯一の目的のヒロイン、出口夏希については存分に目を楽しませることが出来た。これまでも演技が良いと思ったことはないが、彼女を眺めているだけで楽しくなる。最近味わうことができなかった映画の楽しみ方が出来たので、それだけで大いに満足。
出口夏希の役があまり魅力的でない
原作は未読。「御上先生」の奥平大兼が良かったので、鑑賞。
皆さんと同じで本筋である能力があるということがさして話に関係していないような。
私はどうも主役の二人の役が好きになれず、話にも入り込めなかった。
特に出口夏希演じるミッキーが魅力的でない。明るくて優しいのはわかった。でもしょうもないニックネームつけたり、部活もやっていない(と思う)、進路も真剣に考えていない。同性に好かれるタイプなのか?
登場人物が皆いい奴で平和で何も起こらない。
この空気感が好きな人はいるはず。
ただ菊池日菜子演じるパラは良かった。
思春期特有の思い込みの激しさからある人を敬遠してしまったり、余計なお節介を焼いたり。
パラと佐野晶哉演じるヅカの物語の方が面白そう。
二人のシーンは今作の見どころだったと思う。
早瀬憩に注目!
珍しく学園恋愛ファンタジーを観て来ました。特徴としては、登場人物それぞれが、それぞれに人の心を読める”特殊能力”を持っていて、それが記号として表現されるところで、その点は中々面白い工夫だったと思いました。ただ、不登校の理由が同級生からシャンプーを変えたことを聞かれたからとか、流石に違和感がありました。また、心の声を語りとして入れており、この辺は分り易すくて誤解がない反面、想像する自由を奪われた感もあり、個人的にはもう少し謎の部分を残しておいてくれた方が良かったかなとも感じました。
俳優陣としては、ミッキー役の出口夏希がヒロインとして存分の活躍をしていましたが、特に注目したのはエル役の早瀬憩でした。映画デビュー作だった「違国物語」でも非常にいい演技をしていましたが、本作でも独特の雰囲気を醸し出しており、次回作品にも注目したいと思います。
そんな訳で、本作の評価は★3.0とします。
全95件中、21~40件目を表示
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