「出口夏希がとにかく美しい!ドラマの中と外に様々な葛藤が見え隠れする青春譚」か「」く「」し「」ご「」と「 よねさんの映画レビュー(感想・評価)
出口夏希がとにかく美しい!ドラマの中と外に様々な葛藤が見え隠れする青春譚
他の人が考えてることがちょっとだけ見える高校生の話なので、もう冒頭からそれを説明するモノローグがダラダラ出てきてこれもよくあるタイプの説明調なやつかぁ!そやろなとは思ってました!って頭抱えたんですけどこれは多分原作がそうなんやと。というのもその説明調を何とか回避しようとしてる感じがアチコチにあるんですよ。登場人物に語らせるんじゃなくて観客に想像させたい、それが見える。でも他人の気持ちが見える高校生の話だから全部それをやるわけにはいかないよなあという葛藤も見える。まあ観終わってから気付いたというかこのレビューを書きながら気付いたんですが監督・脚本は河合優実主演の『少女は卒業しない』を手掛けた中川駿。これは『少女は〜』とは勝手が違ったやろなぁと思いました。だから饒舌な原作の映像化としては大変な労作なんですよ。その辺の葛藤はキャスティングにも見えてて教師役にヒコロヒーがいるんですけどこれ正直全然要らん役なんです。多分これは吉本興業枠なんやと思います、TBSは吉本興業の大株主やからね。だって厳しい予算やろに別に芸達者なわけでもないギャラ高い吉本の芸人をわざわざ使う必要ないですもん。まあとりあえずおってもおらんでもええ役当てとくかみたいな感じやったんちゃうかなぁ。じゃあ何がええねん?ってそりゃあもう出口夏希です。彼女がもうとにかく美しい。彼女の魅力をこれでもかと引き出した感ありです。それだけじゃなくて高校生達の描写の仕方、友達同士の微妙な距離の取り方とか手が届きそうで届かないもどかしい感じがいかにも青春映画、ピーカンの青空ドーン!じゃない感じは『少女は〜』と同じ、そこはすごくグッときました。
鑑賞後の余韻はブレット・イーストン・エリス原作の『ルールズ・オブ・アトラクション』に近いかな。『ルールズ〜』はもっと残酷でエゲツナイんですが、そのエグ味をゴッソリ取り除いた感じ。ということでまぁまぁ週末に観るにはちょうどいいやつでした。
で、なぜこれを観たのかというとシネコンが入ってるショッピングモールがロケ撮影で使われているから。主人公の奥平大兼くんがCD買う店が私が今密かに応援しているバンダレコードだってことを王様のブランチで観て気付いたんですね。それなかったら興味もなかったでしょうね。危ないところでしたわ、中川駿監督作品って知らんかったので。
