「なるほどと面白く、空気感も内容も好みだったのですが‥」か「」く「」し「」ご「」と「 komagire23さんの映画レビュー(感想・評価)
なるほどと面白く、空気感も内容も好みだったのですが‥
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(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
(レビューが溜まっていたので短く)
結論から言うと、今作の映画『か「」く「」し「」ご「」と「』を、なるほどこういう話ですかと面白く観ました。
各登場人物も瑞々しくそれぞれ今を代表する若手役者陣でもあり、魅力的で映画の空気感も素晴らしさがあったと思われます。
ただ、物語の設定上、それにより青春表現がよりクリアにそれぞれの魅力が増している一方で、対立のドラマ性は削がれているとは思われました。
例えば、修学旅行の時に、三木直子(ミッキー)(出口夏希さん)が黒田文(パラ)(菊池日菜子さん)に、渡せばずっと一緒になれる(この時のミッキーは恋愛ではなく友人として皆に渡していたのですが)鈴を渡す場面があります。
この時に、ミッキーとパラのそれぞれが観ている「+―のバー」や「拍動の数字」の心の感情が観客に同時に見えたとしたら、途端に今作の映画の世界観は壊れてしまうと思われます。
なのでこの映画は、5人はそれぞれ別の章として、それぞれの想いはその章の人物の一方的な想いとして描かれることになります。
すると、映画で重要な、登場人物同士の対等で結果的に上下関係が形成される、対立のドラマ構造が作られ難くなるのです。
(この弱点は、是枝裕和 監督の映画『怪物』の前半でも見られたと思われます。)
その点が、空気感や若手俳優陣の演技の瑞々しさの個人的な好みに対して、食い足らない点として、僭越今回の点数となりました。
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