「思春期にはいろいろあるよ」か「」く「」し「」ご「」と「 Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
思春期にはいろいろあるよ
これラストに『実は、ミッキーは京くんが好きでした』ってやるんだけど、「そんな描写、ここまで全くありませんでしたからね!」って気分になんの。なんか突然、ミッキーが京くんのこと好きだよね。
よくよく振り返ると京くんは宮里ちゃんと話すとプラスに振れるってところで、ミッキーが少し残念感だす描写はあったけど『そこで描写したから良いでしょ』ってことにはなんないよ。
それで宮里ちゃんが『決定的な何かがあったわけではなく、(ミッキーは京くんに)少しずつひかれていった』って解説入れてくるんだけど、それで無理矢理感は消えないよ。
オープニングから、京くんとミッキーの能力が明かされるところまでは面白いんだよね。
二人とも能力があるが故に、気持ちを読み間違っちゃうところも良かった。
イケてるミッキーに対して、京くんのイケてなさもスゴイね。衣装もちょっとヤボッたくしてるし。そしてなんといっても奥平大兼の演技がすごい。キラキラした芸能人がここまで冴えない男子高生の演技ができるとは。
そこから『実はパラも……』ってやるあたりでダレるね。「どうせ皆なんか能力持ってんだろ」って気分になるの。最後は誰の能力で話のケリつけんのかなって、興味はもうそこだけ。
パラ、ヅカの能力を紹介してくんだけど、話者も変えてることもあって、物語の軸がボケるんだよね。京くんはミッキーを落とせるのか?ってのが主軸だと思うんだけど、どっかいっちゃうの。少しでもそれを避けるために、ヅカの能力はほぼ全カットだけど、それでもボケるね。
そして宮里ちゃんの能力紹介。
恋愛物だからね。宮里ちゃんの能力あったら、他はいらないよ。最初からこれ紹介しろって。
そして唐突にミッキーと京くんが結ばれ、めでたしめでたしと。
なんか作品テーマとして「別にイケてなくても、周囲の人に対して気をつかえれば、イケてる女子のカレシになれるよ」ってのを感じたな。そんなことねーよ、現実は、と思ったな。
みんな「何かが見える」っていう能力を持ってるんだけど、思春期のときって「誰が誰を好きだろう」って、見える気するよね。そして作中の能力のように読み間違う。
みんな、何かが見えた気になって、行動やめるんじゃなくてさ、聞けって、直接。そういうことだな。それができないから、色々と物語があって面白いってところもあるけど。
そんなわけで、話のヌルさは気になったけど、役者さんはみんな良くて、それを観られただけで良かったよ。
出口夏希と奥平大兼は《赤羽骨子のボディガード》で共演してて良かったから、この作品観ようと思ったんだよね。そして良かった。なんでラウールは呼んでもらえないのさとも思ったけど、まあ、キャスティングの基準、そういうことじゃないだろうしね。
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