「恋の群像劇として面白い」か「」く「」し「」ご「」と「 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
恋の群像劇として面白い
原作は未読。
人の感情が見える能力は便利なように見えるが、実はとても面倒で辛い思いをしてしまう気がする。そんな力を持った京くんの片思いの話と思っていた。
ところが実際は、5人の視点から語られる物語で、全容が徐々に明らかになっていくという流れ。恋愛ミステリー的な要素もあるとは思うが、高校時代の恋心をちょっとした変化球で描いた物語だった。印象としては5人の群像劇に近い。
5人のキャラクターがキチンと描かれていたし、それぞれがとても魅力的だった。特にミッキー役の出口夏希がいい。ポジティブで明るいというだけでなく、苦悩している部分もうまく表現できていたと思う。これからいろんな役に挑戦してもらいたい。さらに菊池日菜子や早瀬憩(違国日記のあの子!)もよかった。5人の恋模様がとても愛おしい。最後、京くんだから許せるんじゃなくて、ミッキーだから許せるってことなんだろうな。そんな切なさの描き方もひっそりとしていい。
正直、結末に驚いたわけでもないし、京くんの自己評価の低さによる卑屈さに焦れったいを通り過ぎて軽い怒りすら覚えたことも確か。1つの両思いが成立するということは、いくつかの失恋が発生するということでもある。そんな片思いの切なさがあっても、両思いの成立は尊いものだ。新しい工夫といろんな要素をつめこんでいたが結局は恋のお話として面白かったから少し高めの点数にした。
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