「特殊能力の設定がなかったとしても、それぞれの感情がすれ違う群像劇として、十分に楽しめる」か「」く「」し「」ご「」と「 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
特殊能力の設定がなかったとしても、それぞれの感情がすれ違う群像劇として、十分に楽しめる
相手の感情が、固有の記号によって表示されるという特殊能力の設定は面白い。
ただし、せっかくの特殊能力も、特に、恋愛の場面で十分に活用されているとは思われず、果たして、こうした設定は必要だったのだろうかという疑問も残る。
最後で描かれる、好きな人が矢印で見えるという女子の能力は別にして、他の4人の能力については、どれも感情の表示のされ方が中途半端で、あまり、便利な能力とは思えないのである。
これだったら、そうした特殊能力の設定がなくても、十分に物語が成立したと思えるし、逆に、こうした設定にするのであれば、「特殊能力を持っているがゆえに、自分が思いを寄せている相手の気持ちを見誤ってしまう」といった展開を、もっと強調するべきだったのではないだろうか?
男女5人のそれぞれの主観で描かれるオムニバス形式の構成については、群像劇として分かりやすいし、メリハリがついていて楽しめる。
ただし、相手の鼓動が見える女子の視点で語られる修学旅行のエピソードは、やや冗長でテンポが悪く、「あと2人分のエピソードを描くのなら、上映時間が足りないのではないか?」と心配してしまった。
案の定、相手の感情がトランプのマークで見える男子のエピソードはあっという間に終わってしまい、物足りなさしか残らなかったので、5人のエピソードは、もっと同じ比重でバランス良く描いてもらいたかったと思えてならない。
相手の気持ちが「!」と「?」と「•••」で見える男子を演じた奥平大兼は、相変わらず眠たそうで覇気が感じられないのだが、卑屈で煮え切らない姿にイライラさせられるキャラクターにはピッタリで、そういう意味では好演と言えるのだろうか?
ただし、出口夏希が演じた、相手の気持ちが「+」と「−」のバーの傾きで見える女子が、彼を好きになった理由については、今一つ説得力が感じられないのだが•••
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