TOKYOタクシーのレビュー・感想・評価
全97件中、61~80件目を表示
キムタクシー
原作がよかったのでキムタク主演に少し不安もあったが、なかなか悪くなかった。
話はほぼ原作通りで、高齢者施設への道程で寄り道しながらすみれの過去を振り返るもの。
歴史的な背景も少し絡むが、上手く落とし込んでた。
旦那に腹が立つのも、“制裁”を胸のすく思いで見るのもそのまんま。
道徳的にアレとはいえ、トイレ休憩で渋滞起こして悪態つくシーンがなかったのは残念。
行き先を訊く前に発車したり、上野から全然進んでなかったり、細部に瑕疵はある。
原作の雰囲気を拾いすぎていて、昭和歌謡が浮いて感じたりも。
風景の差し込みや画質の変調、警官が最後に目線を交わすところまで映すなど、つくりは非常に丁寧。
反面、ケレン味に欠けたり台詞で語らせ過ぎたり終盤が冗長になったりもした。
小切手はいくらなんでも一桁多い。
葬式に妻や娘まで連れてくのはサスガに不自然。
さんまと大竹しのぶの起用や、優香のシュークリームの食べ方などは狙い過ぎで少し冷める。
倍賞千恵子は途中もよかったが、施設に着いてからの表情が抜群で、蒼井優は20代まだいける。
キムタクもいいけど、やはり彼だとカッコよ過ぎた。
二枚目でも永瀬正敏とか、朴訥とした方向で加瀬亮とか、若いけど奥野瑛太なんかで観たい。
『侍タイムスリッパー』の山口馬木也もいいな。
どうやら自分の求めるリメイクでは、タイトルは漢字で『東京』の方が似合いそうだ。笑
原作に寄せすぎていて、「舞台を変えただけ」という印象は否めないが、単体で観たら佳作。
少なくとも劣化はしてないと感じた。
映画館に足を運ぶ理由
全然レビューと関係ないんですけど、私は子どもが生まれてから映画館に行く回数が少なくなりました。
それまでは週一ぐらいで行ってた気がします。
本作品はソフィーとハウルの掛け合いを見たくて、ママに子どもを預けて見ました。
私は早めに席着いていたのですが、山田洋次監督とあって、見られる年齢層も高齢な気がします。
予告編始まって、薄暗い闇の中気をつけてトボトボ階段を上がる方、映画始まってもコソコソ会話をされる方、上映中美空ひばりの着メロが流れる方、そしてそれを怒鳴って注意する方、なんだか山田洋次作品の中に入った気がして、これも映画館に足を運ぶ醍醐味だなと感じましたww
重要な映画の中身ですが、先は読めてしまえど、懐かしい映画、最後は心がほっとする素敵な映画でした。
安心の山田洋次監督作品‼️
フランス映画「パリタクシー」を、山田洋次監督がキムタクと倍賞千恵子さんのコンビで東京を舞台にリメイクした作品‼️これはロードムービーですね‼️目的地へ向かう車の中でキャラたちの意外な過去が明らかになる‼️健さんの過去が明らかになり、素晴らしい感動を盛り上げてくれた「幸福の黄色いハンカチ」を思わせる‼️キムタクはともかく、倍賞さんが過去がある女というのはミスキャストというか、ちょっと合ってない気がするし、その衝撃の過去も想定内のレベルだし、キムタクの妻や娘ももうチョット人間描写にひと工夫あればさらに感動的になったと思うし、ラストのキムタクの涙もヨカッたんですけど、もうチョット余韻に浸りたい気もする・・・‼️でも相変わらず山田洋次監督の演出力は安定感があって、とても「黄色いハンカチ」はじめ、過去の名作たちには遠く及ばないけど、安心して観ていられる作品ではありますね‼️
泣きました。
山田洋次さんの作品は、初めて観ました。木村さんは、かっこいいし、倍賞千恵子さんは、きれいだった。亡くなるのが、早すぎないか?などと、思いました。女性は宇佐美浩二が見た幻だったのではないかと思いました。すみません。私の妄想です。すみません。すでに施設に入ってて前からからだの具合が悪くて外出など禁止だから、高野すみれの思いだけが、木村さんのタクシーに乗り込んだのではないかなどと思いました。妄想です。すみません。泣きました。迫田さんが演じた小川さんも、何だかかわいそうに思いました。
風土が合わず、残念。渥美清はパリでは寅さんとして共感されない。
オリジナルのフランス版『パリタクシー』では、米兵との恋と妊娠だったが、邦画としては(山田洋次的に相当だと思うが)北朝鮮へ帰国運動で帰ってしまった在日朝鮮人の子供を妊娠、というアレンジ。その後の男への殺人未遂は、行為としては同等だが、ラテン系エモーションによる納得感が、日本人の心根では<そこまでしないだろう>という違和感が先に立つ。またタクシードライバーの切羽詰まり方も、フランス(ヨーロッパ)の回復不能な格差の底辺と、明日食うには困らないレベルの日本人社会の切実感が、映画のオチとなる大逆転への主人公の感動が共感するには、物足らない。さまざまな人生ドラマの粗筋だけを日本に置き換えても、和魂洋才の名作にはなり切れなかったと断言する。
名匠・山田洋次が紡ぐ、東京の街と人生の灯火
キムタクと倍賞千恵子、奇跡の再会がもたらす至高のロードムービー
日本映画界の巨匠、山田洋次監督の最新作『東京タクシー』は、単なるフランス映画のリメイクという枠を遥かに超えた、深く心に染み入る傑作として完成しました。フランスで大ヒットを記録した『パリ・タクシー』(原題:Une belle course)を原案に、舞台を現代の東京に移し替えた本作。しかし、そこにあるのは紛れもない「日本の今」と、私たちが失いかけている「心の触れ合い」です。
本作の最大の話題は、なんといっても主演の二人の顔合わせでしょう。無口で不愛想、人生に疲れ切ったタクシー運転手を演じるのは木村拓哉。そして、彼が乗せることになる、終活のために施設へ向かう老婦人を演じるのが倍賞千恵子です。この二人の共演は、宮崎駿監督の『ハウルの動く城』(2004年)での声優としての共演以来、実に21年ぶりとなります。「ハウルとソフィー」が時を超え、実写映画というフィールドで再び巡り合った事実は、映画ファンにとってそれだけで胸が熱くなる出来事です。
寅さんの山田洋次監督が描く、現代の「人情」
『男はつらいよ』シリーズで知られる山田洋次監督の手腕は、90歳を超えてなお冴え渡っています。原作の『パリ・タクシー』が持つドラマティックな展開を尊重しつつも、山田監督はそこに日本的な情緒と、現代社会が抱える孤独を巧みに織り込みました。
木村拓哉演じる運転手は、かつての寅さんのような愛嬌のある人物ではありません。借金を抱え、家族ともうまくいかず、ただ淡々と東京の街を流す男です。しかし、倍賞千恵子演じる老婦人との対話を通じて、彼の堅い表情が徐々にほどけていく様は、木村拓哉の新境地とも言える繊細な演技によって見事に表現されています。一方、倍賞千恵子は、波乱万丈な人生を歩んできた女性の強さと優しさを、圧倒的な存在感で体現しています。
「あの頃、私たちの国は元気だったわね」
——名女優の一人語りに涙する
映画のクライマックス近く、首都高速を走りながら老婦人がふと漏らすセリフがあります。
「あの頃、私たちの国は元気だったわね」
高度経済成長期、バブル、そして失われた30年……。昭和から平成、令和へと移り変わる東京の景色を車窓から眺めながら語られるこの言葉には、単なる懐古趣味ではない、重厚な響きがあります。倍賞千恵子の静かでありながら力強い語り口は、観る者自身の記憶をも呼び覚まし、気づけば涙が頬を伝っていることでしょう。それは、彼女自身の人生と、彼女が演じてきた数々の役柄が重なり合う、映画史に残る名シーンと言っても過言ではありません。
総評:人生という長い旅路への賛歌
『東京タクシー』は、目的地へ向かうだけのドライブが、いつしか人生そのものを振り返る旅へと変わっていく物語です。フランス版の洗練された感動とはまた違う、湿度のある温かさがこの映画にはあります。
21年ぶりの再会を果たした木村拓哉と倍賞千恵子、そして名匠・山田洋次。この三者が織りなす化学反応は、閉塞感のある現代日本において、私たちが忘れかけていた「他者への想像力」と「優しさ」を思い出させてくれます。
エンドロールが流れる頃、あなたはきっと、大切な誰かに電話をかけたくなるはずです。タクシーのメーターが上がる音とともに深まっていく二人の絆を、ぜひ劇場で見届けてください。
倍賞さん×キムタク=今年一心に染み入る名作!
年末に今年一心に染み入る名作を観ました!
老人ホームに引っ越しする老女と、彼女を乗せる無愛想なタクシー運転手の話で、見納めにと東京の思い出の地をタクシーで巡る、ある意味バディ行の映画です。
原作の仏映画「パリタクシー」にストーリーの大枠はのっとっていながら、なんといっても役柄とほぼ同じ年齢の倍賞千恵子さんと、木村拓哉さんの掛け合いが凄く良い!
お二人とも「素」で演じてるように見せながら、徐々に心が通じ合う様がとても納得感があって、心が素晴らしく温まりました。原作の主人公二人も仏の名優でしたが、本作の倍賞×キムタクの方がグッと来ました。また、劇中の倍賞さんの歌がエモい!倍賞さんのチャーミングさ、木村さんの優しさが全編に渡って溢れている一作でした。
原作であった説明不足の点(倍賞さんのネイルサロンで成功した話や笹野さんのくだり)を丁寧に埋めている点も原作以上に良かったです。
監督の山田洋次さんは、代表作である「男はつらいよ」はちょっと相性が良くなかったんですが、本作はベストマッチ!
ヒットして、是非続編を出して頂きたい名作です!
まさか、こんなに泣かされるとは 人生で見てきた景色とオーバーラップ
原作のパリタクシーは見ていません。
それほど期待なく見ていました。山田洋二監督の作風だなぁと思いつつ、東京に住んでいたらすぐに「あそこだ」とわかる景色は楽しめました。
レインボーブリッジからの横浜の夕景が素晴らしい。自分自身はハンドルを握って見る景色。
葉山の高級老人ホーム 入所予定時間から大幅遅刻での到着。
施設スタッフのそっけない対応。(電話の時からその雰囲気はあったが。)
すみれはタクシーの料金を払おうと自動ドアにかけよるが開かない。
ここで突如、私の涙腺が崩壊しました。一挙に感情移入?(こんな人、この映画見た人にいますか?)
妻の母親(故人)が入所した施設を思い出した。老人ホームの玄関ドアは入所者の安全のために自動では開かないのです。(但し母の入所した施設(木下の介護)はみな人が暖かかった。)
数えきれないほどの回数、施設に通いました。私は”ドライバー”です。義母が入所する前はいろいろなところをクルマに乗せて行きました。
義母が危篤との連絡。帰らぬ人に。施設からの退去。葬儀。主がいなくなった部屋の片づけ。
この思い出が、私の脳内で映画の進行とシンクロして”上映”されてしまいました。
住む人がいなくなった実家の解体問題も抱えています。その家には、かつては人が集まった。
映画で流した涙はエンドロールが終わるまでになんとかごまかしているのですが、今回は涙の「第二波」が襲ってきました。こんな姿は人に見られたくない。クルマに逃げました。
それなりの長さを生きていると、楽しいことのほかにつらいことや悲しいことも見ている。
だから襲ってきた涙なのでしょうね。
キムタクファンには申し訳ありませんが私はキムタクはあまり好きではありません。
不覚にもキムタクに泣かされてしまいました。しかしながらタクシードライバー宇佐美浩二のキムタクは好きです。
バイキンマン、股間を焼かれる(汗)
印象に残ったことは、倍賞千恵子さんの演技が良かったことです。まるですみれさん本人が、演技ではなく素で語っているかの如くある意味”自然”。すっとこちらに入ってきます。
キムタクさんは、最初は不器用な感じのタクシードライバーを演じていましたが、途中からキムタク。やっぱり…ですが、悪いとは言いません。キムタクさんらしくない演技を、誰も、特にキムタクさんファンは望んではいないのです。山田監督もそれを望んで配役したのでしょう。キムタクさんはいつものキムタクさんの感じでやってね…みたいな。
さて、私は途中から何だかこの映画はラジオドラマのようだな…と思いました。なんでだろうと自分でも思いましたが、途中蒼井優さん演じる回想劇などもありますが、お話のストーリーがタクシーの中の会話中心であることからそもそも絵的に地味という問題があります。言い過ぎかも知れませんが、要は、音声だけで成立してしまうのです、お話的に。ですから、わざわざ映画館のスクリーンで見なければならない必要性は特にない気もしてしまいます。
さてそんな今作ですが、お話の筋立てには若干ムリがあるかなあと思いました。
私がちょっとこれは…と思ったのは、蒼井優さん演じるところの若き日のすみれさんが、DV夫の股間をアツアツ油で焼いてしまう所でした。なんで股間?みたいなところは、夫の過剰な性欲がイヤだったという解釈で良いとしても、そんなに嫌だったら逃げた方が良いのでは?と単純に思った次第。なぜ計画的に復讐したのかが気になる所です。
DV夫を、殺したいほど憎くなる理由は”子供を虐待したから”が主であるのでしょうが、DV夫がサイコパスで一方的に”悪”なのでしょうか。もちろんDVは良いことではありません、それは絶対そうです。しかし良いことではありませんが、それには理由があるのではないでしょうか。なぜ理由を考えるのが必要なのでしょうか。それは、理由がわかれば予防もできるかも知れないし対処ができるかも知れないからです。
すみれさんにとっての”一番”は、今目の前にいる夫ではなく、以前の恋人の子供だったのです。もしかしたら裏を返せば以前の恋人が”一番”だったのかも知れない。DV夫もそれに気づいていたようであります。好きで結婚した女性の心の中に、自分ではなく過去の幻影がある。朽ちることもなく汚されることもない神格化された”偶像”の男性がいる。そんな偶像に勝てるはずがないのです。
DV夫の苦しみはどれほどのものでしょうか。DVをすることは、DV夫の”戦い”なのです。幻影としての過去の恋人との戦い。幻影とは戦えないので、代償としての目の前にいる子供がターゲットになったわけです。いわばスケープゴート。しかし、いかに子供を虐めようとも幻影としての元恋人に勝てるはずもなく、むしろ余計すみれさんの心を自分から離れさせてしまう結果になる。分かっているでしょう、DV夫も。でも、そうせざるを得ないその哀しみ。
すみれさんもまた、不器用な人です。”DVを受けることになったのが、すみれさんのせいだ”とは、もちろん言いません。どんな理由があろうとも、いじめはいじめる方が絶対的に倫理的に悪いのと同じように、DVはDVをする方が絶対的に倫理的に悪いのです。しかし、すみれさんはもう少し今目の前にいる夫を理解しようとして、どうすればもっと事態が良くなるのか現実的な方策を考えて実行することができれば、最悪の所まで追い詰められずに済んだかも知れません。
結局は暴力に暴力を返すことになりました。哀しい結末です。すみれさんは、自分がこうであると決めたこと・思ったことは曲げない性格であるのかも知れません。それは良く見れば、”自分がこうだと思ったことを曲げずに最後までやり遂げる意志が強い女性”ということでしょう。しかし裏を返せば、”例え間違ったことでも、自分がこうだと思ったら軌道修正ができず、柔軟に物事に対処できない人”になってしまう危険性はあります。
何事にも、その背後には理由(reason)があります。
不幸にも、そうまでしてすみれさんが守った元恋人との子供は、グレて事故死してしまいます。なんで不良になってしまったのでしょうか?すみれさんは、”マスコミや世間のせいだ”と言っていました。しかし子供の立場とすれば、マスコミや世間がなんと言おうが、そこまでして自分を守ってくれた母親に対して「自分を身を挺して守ってくれてありがとう。愛する母親は自分が守る。世間から守って自分が幸せにする。」と思うのが普通ではないでしょうか。…でも、そうしなかった。
子供が追い込まれた理由はおそらく、すみれさんの「あなたのために、私は罪を犯してまで守ったのよ」という思想だったのではないかと思うのです。子供としてはこれは重い。世間の嘲けりには耐えられても、これは耐え難い重い十字架です。直接言わなくても、そのすみれさんの思想が伝わったのではないでしょうか。そしてよくあることですが、「あなたのため」は実は「あなたのため」ではなく、親自身のためであり”親自身の言い訳”の隠れ蓑に過ぎないことが多いのです。
この世の中には、完全な善や悪というものは存在しません。特に人間というものは善と悪が共存した存在なのです。人は時として罪を犯す。でも、それはそうせざるを得なかった理由があるのです。勿論、犯罪を犯せば、また他人に迷惑をかければ、そのこと自体は悪いことです。罪を犯してしまったら、罪を償わなければなりません。それが大人の、人間として他者と共に社会で生きていかなければならない存在としての義務です。
しかし、理由も知らず知ろうともせず、善悪の、特に悪のレッテルを貼って罰して蓋をすることで、単純に不安を和らげようとする行為は、自分自身の中にも悪が存在し時に抗うことができない”不自由な”人間としてはカッコ悪いかと思ってしまいます。
アンパンマンは割と無表情で機械的に圧倒的な力を持ってバイキンマンを罰します。しかもその顔は取り替え可能なのです。つまりアンパンマンは、anonymousとしての”不特定多数の民衆の、正義という名の暴力装置”と見ることもできます。対するバイキンマンは表情豊かで、時に男性としての欲求に素直に従ってドキンちゃんに媚びる、人間(バイキンですが)臭いキャラクターです。
物語としてわかりやすく・勧善懲悪を宿命付けられているので、バイキンマンはいつもやっつけられるわけですが(しかも過剰に)ですが、罪に対して罰を執行する大人としての僕らは、やはり単純にではなく、その背後にある理由を考え続けることを捨てる安易な道を歩むことを慎むべきではないかと僕は思います。
バイキンマン(DV夫)は悪いことをしたので、股間を焼かれました。めでたしめでたし…終わり。…それで良いのですか?
最後に幻想的に、すみれさんと元恋人は踊ります。最後に心で2人は結ばれたのねと、涙する人は僕のレビューはお好みではないでしょう。でも、あくまで幻想と踊るすみれさんに、ちょっと背筋が寒くなる人は僕のレビューに共感していただけるのではないかと思います。
100人いたら100人違った見方や楽しみ方ができるのが、映画の良いとことだと思いますので、それぞれの心に感じたことを大事にしていけば良いと思います。…たかが映画、されど映画。ですね。
Thank's, all Cast and Staff ! :‑D
山田洋次ワールド
山田洋次監督が好きな人には良いのかもしれないが、最後のオチ以外は
決してほのぼのでも良い気分でもありません。
タクシー車内の会話場面が長いとつらく感じます。
カット割りに関しては良く練られていると思いました。
エンドロールの出演者を見て驚いたこと2つ。
1. 優香が別人化してて分からなかった。
2. 小林稔侍がどこにいたか全く思い出せなかった。(後で調べたらレストランで誕生祝いをされてたお爺さんらしい)
パリには遠く及ばず
個人タクシー運転手の宇佐美浩二は、85歳の高野すみれを東京・柴又から神奈川県葉山の高齢者施設まで送ることになった。すみれから、東京の見納めに、寄ってみたいところがある、と頼まれた宇佐美は、すみれの望む場所へタクシーで寄り道をした。彼女の思い出の場所を一緒に訪れているうちに、すみれは浩二の優しさに心を許し、彼女の意外な過去を語り出した。夫の死、再婚相手から自分と最愛の息子へのDV、復讐と裁判、刑務所での服役、息子の死、など。タクシー運転手と客として偶然出会った2人が、心を通わせ、すみれの終活に向かう半日を描いた話。
2022年のフランス映画、パリタクシーが原作なので、大まかなストーリーとラストを知ってて鑑賞。
パリ版と比べるとちょっと内容が薄かった。
時代が違うから比較するのは良くないのかもしれないが、すみれも浩二も過去がイマイチ弱かった。
すみれの過去について、わからなくも無いが、定規で打たれた、よりタバコの火を押しつけられたとか、もっと酷い事にすれば憎しみも湧くのに、と残念に感じた。その息子の死因も、バイク事故?それじゃあ自業自得って思ってしまう。
浩二がお金に困っている姿にしても、パリ版はリアル感が有ったのに、東京版は娘の音楽???
もう少しなんとかならなかったのかぃ、と感じた。
それと、東京の景色はもっと良い所は無いのか、とも感じた。
すみれ役の倍賞千恵子は歳とったなぁ、って思った。声と演技は相変わらず良かった。
運転手・宇佐美役の木村拓哉はパリ版の様な心境変化の様な部分がほとんど無く、ホテルの件だけ。脚本にも問題が有ったと思うが、もっと違う役者にすべきで、合わなかったと思う。
若き日のすみれ役の蒼井優は良かったし、宇佐美の妻・薫役の優香と娘役の中島瑠菜も優しさが溢れた演技で良かった。
エンドロールに明石家さんま、って出たけどわからなかった。
佐田の声???
キムタクシー
【所感】
タクシー運転手(以下、運)
「お客さん、どちらまで?」
酔爺(以下、酔)
「隣町までお願いします。近くて恐縮です。」
運「買い物のお帰りですか?」
酔「いえ、映画を観た帰りです。」
運「映画ですか、いいですねぇ。わたしも休みの日には映画観に行きます。」
酔「今日は、「TOKYOタクシー」 を観てきました。」
運「キムタクと倍賞千恵子のやつですね。私も明日観ようかと。どうでしたか?」
酔「では、なるべくネタばれしないように。」
運「私は気にしませんよ。」
酔「主人公の宇佐美浩二(木村拓哉:以下、キムタク)は、毎日タクシーを走らせながらも、娘の学費、賃貸住宅の更新料、車検費用のプレッシャーに悩む中年ドライバーです。」
運「私と同じ中年ドライバーなんですね。」
酔「もうひとりの主人公は、高野すみれ(倍賞千恵子:以下、さくら)は85歳という年齢で、高齢者施設に向かう途中で、自分の人生を振り返りながら、東京の思い出の場所を巡ることを望みます。」
運「すみれの花ではなく、さくらの花の小旅行ですね。」
酔「キムタクは、彼女の願いを受け止めて、都内を巡ります。」
運「面白そうですね。」
酔「正直、期待せずに観たのですが、予想以上によかったです。」
運「どこがよかったのか、少し教えてください。」
酔「まず、この1日の行程は、単なるさくらの送迎ではありません。彼女の人生の思い出をキムタクが聞きながら運転していくので、観客もキムタクと一緒に、彼女の話を聞きながらタクシーに乗っているような気持ちになります。」
運「まさに、臨乗(場)感ですね。」
酔「また、東京の思い出の地の描写は、観光的でもあり、隅田川や言問橋、夜の横浜などの風景も印象的でした。」
運「観光タクシーですね。」
酔「思い出の地で、すみれが過去の苦労と喜びを語る描写にも見入ってしまいました。」
運「シーンとするシーンですね。」
酔「キムタクも、彼女の話を聞きながら、自分自身の生き方を見つめ直すようになっていくのも自然な流れでした。」
運「清聴して成長するんですね。」
酔「タクシー内の撮影はほとんどセットですが、キムタクの運転する背景処理も不自然に見えませんでした。リアルさを追求するために新しい撮影技術が導入されたそうです。」
運「キムタク(卓)越した技術ですね。」
酔「物語は、ほとんど車内と回想を中心に進むので、物語が単調になるかと思いましたが、そんなことはありませんでした。」
運「回想(送)車ですね。」
酔「衝撃的だったのは、さくらの過去が想定外にかなり悲惨なこと。なので、次はどんな悲惨なエピソードが出てくるのか、ひやひやしました。」
運「冬なのに余計に寒かったでしょうね。」
酔「原作のフランス映画も同様に、マダムが悲惨な過去を語るようです。」
運「ところで、キムタクがタクシー運転手とは似合いませんね。」
酔「そうなんです。キムタクはやはりどう演じてもキムタクにしか見えません。かっこいいです。これがマイナス。」
運「ナイスガイなのに、マイナスガイ。」
酔「私的には、大泉洋が演じたほうが、もっと物語に笑いと涙が醸し出されたのではと思いました。」
運「陰ではなく、洋(陽)の物語になったでしょうね。」
酔「といいつつ、若い頃はかっこよかった男が、今は初老のタクシー運転手という役柄も合わないことはなかったですが、スター性、抜群の華、強いオーラ、姿勢・表情・声の説得力は隠せませんね。」
運「他の役者はどうでしたか?」
酔「さくらは、さすがの演技でした。失礼を承知で、ちょっといつものさくらさんより顔の年輪が目立ちますが、たぶん少し年輪足しているのではないかと。声はとても85歳と思えないほど若い時と同じで、劇中の「星屑の町」「とても静かな夜だから」の歌声もよかったです。」
運「さくら(すみれ)、百まで歌声忘れずですね。」
酔「笹野高史は、先日観た「港のひかり」の役柄と似ていて、ちょっと昨日の今日なので混乱しました。まあ、いつも似たような役をしていて、寅さんの時から山田洋次のお気に入りの俳優ですが。」
酔「蒼井優はなかなか熱演ですが、山ちゃんは気が気でないかも。さくらとは全然似ていないので、そこはどうかと。」
酔「DV迫田孝也は超むかつきました。彼はむかつく演技が似合っていますね。でも、DVの贖罪方法は想像を絶していて、少しかわいそうになりました。」
酔「子役は、アンパンの柳井たかしの子ども時代の子役ですね。」
運「人生いろいろ、役柄もいろいろですね。」
運「全体的にどうでしたか?」
酔「「人生の厳しさ」「人生のやさしさ」「記憶の重み」「人と人とのつながり」「贖罪」というテーマは心に響きます。山田洋次監督からのメッセージは力強く、キムタクシーならず、ヤマタクシーですね。」
運「いろいろ、ありがとうございます。あとは、観る時にタクシ(託し)ーます。」
運「大変すみません。映画の話に気を取られて、うっかり、遠くまで来てしまいました。」
酔「大丈夫です。戻るまで、今度は私の思い出話を聞いてください。」
<補足>
・ラストクレジットの山田洋次の字体は、寅さん映画の字体では?
・劇場は、ほぼ満席でした。観客は70歳から80歳代がほとんどでした。
・原作のフランス版も機会があれば観てみたいです。
・さくらが、寅さんの思い出をキムタクに語る話にすれば。おっと、それでは「お帰り寅さん」になりますね。
・ラストは賛否両論になるかもしれません。私的には、このラストは・・・。
いろいろ書きましたが、結構泣けました。キムタクシーに乗りたい方はぜひ劇場でご覧ください。
11/23 酔爺
日本人をほっこりさせる作品は、山田洋次監督が一番ですね。今回も安心して大笑いして、安心して泣くことが出来ました。
注:パリタクシーは鑑賞していないので原作無視のレビューです。だってフランス映画が苦手なんだもん。
まず、迎車で向かう先が帝釈天っていうのが自然ですよね。事業でそれなりの資産のあるすみれだったら、田園調布でも麻布十番でもいいのに、あえて人情物の聖地を選ぶのが、粋というか洒落ていますよね。予告で高齢者施設に行く事は判っていましたが、そこは釣りバカ日誌で出てきた金沢八景の太田屋の近辺じゃないかなと勝手に予想していましたが、あの辺は釣り船屋と関東学院大学しかないので無理筋でした。
最初はお互いに心を開いていない宇佐美とすみれですが、タクシーの車内でぽつりぽつりと会話をしていくうちに話の輪がドンドン広がっていきます。タクシーの中という狭い空間で、顔を合わすことなく背中越しに会話をしているのが、かえって良かったような気がします。地元が横浜なんで、良く知っているロケ地で食事をしたり腕を組んで歩いたりしているシーンが心に刺さりました。
やっと到着した高齢者施設のスタッフの態度、あれにはちょっとカチンときましたね。大事な利用者を迎える態度じゃないし、横浜のホテルで一泊したくなるすみれの気持ちも分かります。睡眠時間をつぶして運転したので疲れてすみれの頼みを断ってしまい、それを悔いて車の中で泣いている宇佐美の気持ちも痛いほどわかります。
パリタクは観ていないのに王道のオチはすぐに判りましたが、その部分は単純すぎるので、「幸せの黄色いハンカチ」みたいな山田洋次監督独自の味付けが欲しかったです。
人情ドラマが好きな人は好きだと思う
倍賞千恵子と木村拓哉というと、ハウルの動く城を思い出しますね。
とてもわかりやすい導線と、わかりやすい予定調和。
所々のフラグ的なシーンも「あぁ、こうなるんだろうな」と先のことがわかりやすいので、物語としてストレスなく楽しめました。あまり難しく考えず、万人がストレートに出来事を受け止められる映画だと思います。最近の映画は余韻を残して観客に問い掛けるものが多い印象がありましたが、そんなことはなく。まったりと「良かったな」で終われました。
最後に残された宇佐美さんの後悔も、きっと残りの人生でずっと蟠りとして残る後悔なんだろうと思うと、人生の在り方だなぁ……。こういうどうしようもなかった、でもあと少しどうにかできたんじゃないか、って後悔を重ねていくのが人生なんじゃないかな……なんてしんみり振り返ってみたりしました。私の人生に残る後悔はなんだろうか……。
少し年齢高めな層が楽しめるんじゃないかな。
エンディングテーマ曲は倍賞千恵子さんの若い頃の楽曲。きっと、すみれさんが一番激動の中に居た頃と同じくらいの年頃の倍賞さんのお歌かなぁ。なんて思いながら。
良い意味で古き良き日本映画というか……。
まぁ、山田洋次監督だものね。想像を超えるどんでん返し!スペクタクルストーリー!を期待して行く人は居ないとは思いますが……。私は好きです。
悲しいハッピーエンド!?
まず、わかりやすい内容だった。偶然の出会いから施設へ行くまでの1日の行動がメインとなるのだが2人の過去そしてキムタクの涙でのフィナーレ。ヒロインの死と遺言。結果的にいくらだったかもう1度見て確認したいくらいだが、必要だった「百万円」以上はあったと思われる遺産。最低でも1千万円だろうと思う。娘の推薦入学の入学金、授業料他。最後は少し涙した。しかしハッピーエンドであった。
喜怒哀楽だらけながらも癒し効果大
山田洋次監督映画を映画館で初めて鑑賞。
ロード厶ービー好きなので景色等も含めてとても面白かったです。
いつもは過激な映画を観る事が多い私は、劇中流れる音楽とキムタクさんと倍賞さんの声のトーンが私的に心地良いらしくウトウトしてしまう中、いきなり昭和のDV始まったり波乱万丈な人生語られたりと人生が1日の車内で盛りだくさんの内容であり…
最後はやはりお金って言うのがリアルでスッキリしましたが、私が思っていた金額より桁が一桁多くて〜宇佐美家の10年後が観たくなりました(笑)
一客千金
マダムの過去が少しずつ明らかになって
しかも意外な過去だったので面白かったです
昭和の阿部定事件かと思ったが違うかった
最後キムタク悪くないよね
ホテルに連れて行ってあげればよかったって悔しがってたけど自分もBBA面倒くせいなって思ってたので
旅の最後に待ち受ける奇跡ってなに
お金貰ったこと?
それともマダムが死んでお金貰ったこと?
最初学費の100万が払えないのwってちょっとマウント状態やったけど最後大金貰ってて妬みしか湧かないですね
小切手0いくつあったよ?
普段見慣れない額だから一瞬じゃわからないよね
レビュー見ると一億円らしい
続編あるとしたらパリピタクシーやな
『棚から牡丹餅』金運上昇の波。キター
キムタク 家庭。金、金、金。。大出費で 八方塞がり。。
喉から 手が出るほど 「大金」 が 一気に 欲しい。。。ところに。
ホストの お客様。。では なく。 タクシー ドライバー での 変わった 珍しい 乗客が。。話を 聞いてあげて お互いの 呼び名までも 決めたりして。。そして 食事に お土産付きで 目的地に 送り届ける 。。夢の 商売(笑)
「イケメン」 タクシー ドライバー だからこそ ラストに 訪れる 『棚から牡丹餅』現象が。。
終始 地味で 暗く。 人生 「どん底」を 味わう。そんな お互いの 話の 内容や 映像ばかりでしたけど。。男に 泣かされ続けた半生。。男好きも 相まって。この歳に なって やっと 理想の 「ド タイプ」の 彼に 出逢えて。。超~ 短い間の デートでしたけど。老婦人の ハートに 火を 着けちゃいました。。長い間 苦しみ ばかりでしたけど。。独り身で 話す事もなく 伏せていた 過去を さらけ出し 何もかもを 話せた事で 解き放たれました。やっと ここに来て この人なら 信頼して 身を任せられる 彼に 出逢えて。。何故か 穏やかで 静けさの中に 『心 暖まる』ラストに 心 打たれました。。
「パリタクシー」よりも描写が丁寧
上映時間わずか90分で途中に3回ほど曲だけ流す雰囲気シーンで穴埋めしている「パリタクシー」よりも、「TOKYOタクシー」では木村拓哉の家族描写が加わって、シーン数が多い。
山田洋次作品なので、古臭いセリフになっているかと思ったら、原作どおりスタイリッシュに描いていて、良かった。金に困っている状況も、「パリタクシー」では電話で兄に金を無心している描写だけのところを、「TOKYOタクシー」では具体的な状況を描いていて分かりやすい。だから、最後に小切手をもらうのも、「パリタクシー」より「TOKYOタクシー」のほうが、必然性を強く感じられて納得できる。
設定の違いは、以下のとおり。
2022年当時92歳→2025年当時85歳
舞台衣装係→大衆食堂
ナチス占領下のパリを制圧したアメリカ兵→在日朝鮮人二世
アメリカで家族を作っていた→在日朝鮮人の帰還事業
3500グラムで50センチ→同じ
溶接バーナー→あつあつの天ぷら油
禁固25年(後に短縮)→懲役9年
赤信号無視→一時停止違反
戦場カメラマンで死亡→バイク事故で死亡
老人ホームの電話対応がきつい→同じ(笑)
女性権利活動家→ネールサロン事業家
昨日死亡→二日前に死亡
何号室か教えてください!→同じ
101万ユーロ→1億円
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