TOKYOタクシーのレビュー・感想・評価
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「パリタクシー」をうまくリメイクしたが・・・・・・
フランス映画の名作「パリタクシー」は視聴済み。元映画の要素をうまく日本映画に置き換えていましたが、リメイク映画の常として「オリジナル」を乗り越えることはなかなか難しいと思いました。
・ドライバー役「木村拓哉」と乗客役「倍賞千恵子」の葛飾柴又から神奈川県葉山の老人ホームまでのロードムービーで、倍賞演じる女性の思い出の場所を巡りながら、東京都内、横浜などの名所を訪問しつつ、倍賞演じる女性の数奇な半生をつづるストーリーは感動するのですが、山田監督の映画のため「人情」ものの要素がオリジナル映画よりも強く出ているので、日本映画風な味付けをどうしても感じてしまいました。
・オリジナル映画のドライバーはいってみれば「三枚目」風な役者さんでしたが、本作は「木村拓哉」であり、木村としては映画の中では、子育てに追われる一般庶民の「父」「夫」を演じていますが、「二枚目」なドライバーに「倍賞」演じる老女が心惹かれるという感じがしてしまい、「人生最後の旅を提供してくれたドライバーに恩返しをする」という本作の重要テーマが少し薄れてしまったような感じがしました。
・本作での木村拓哉は、かつての「キムタク風」の演技は封印して、庶民的な人柄はよく演じていたと思います。
・倍賞の演技力が良く、高齢者層には「刺さる」映画だと思います。
・倍賞の若い時代の役を演じた「蒼井優」は数奇な人生を生きた女性役を好演していました。
山田洋次が描く東京ドリーム
ため息の数だけ思う、生きてきた道
さくら では無く すみれ
名前にあの映画が過ぎる。
彼女の持ち物と衣装に
普通の老女では無い何か
最後と云い思い出の地を巡る
それは観光では無く記憶の旅
心の奥底に有る記憶を戻す旅。
ため息の物語
彼女とタクシー運転手との交流
ぎこちない空気から打ち解ける。
明るく晴れやかな顔
過去を語る重いもの
交流の中、変わる顔
彼女の心情を表す顔と顔
別れの時のエレベーター
閉まる一瞬の顔の切なさ
山田洋次監督の周りには優秀な人が集まってくる。この映画は元の物語と違い、視線や言葉に温かみを加え、心に寄り添った作品になっている。老女の住処をあそこにしたのは意図してなのか。後半になって、ある台詞にドキッとした。
長い人生の最後の数時間、彼女の気持ちの流れ、感謝の心が優しく…。
あのエレベーターの顔、悔いる運転手の気持ちが後を引く。
年齢に関係なく、生きている人なら分かる
それぞれの「ため息」の意味。
最後は涙涙、勘弁して下さいと思った。
※
笑いと涙のバランスが絶妙
令和から見る昭和の価値観が見どころ
原作となった 2022 年のフランス映画「パリ タクシー」は未視聴であるが、この映画を見て俄然見たくなった。東京の名所なら、先日徘徊して来たばかりなので、東京駅や皇居周辺、国会議事堂など、リアルに感じられた。タクシーの運転手宇佐美浩二役がキムタクで、乗客の高野めぐみ役が倍賞千恵子というのは、21 年前の「ハウルの動く城」を彷彿とさせる組み合わせである。
柴又の帝釈天で映画が始まるのは、山田洋次ならではのパロディであろう。帝釈天から神奈川の葉山までだと、高速を使えば2時間ほどだと思うが、あちこち寄り道しながら一般道を通っているので、10 時間ほどもかかっている。その間、車の中で交わされる二人の会話が大きな見どころになっている。
すみれの語る身の上話は昭和感が満載であるが、それはむしろ昭和の生きづらさや男尊女卑の空気が強く残った思い出話で、必ずしも嬉しさを伴うような懐かしく思い出される話ではない。亭主とも子供とも縁の薄い人生を送って来た人物で、聞いていると深く同情を感じさせられるところが多く、令和の常識では理解し難い人生である。
宇佐美の方も個人タクシーでの生活は厳しく、中学生の娘は音大附属高校への推薦受験が認められているらしいが、出費が大きくて夫婦は頭を抱えていいて、信州にある妻の実家を売却しなければならないのではという切羽詰まった状況にある。
車内での会話は示唆に富んでいて、特に宇佐美が奥さんについて語る話をすみれが叱責する部分は、普段私が娘から注意されている内容で、非常に身につまされたが、昭和の男にはまず絶対に歩み寄れない部分であると思う。私は幸いにも意識の高い平成生まれの娘の薫陶を受けて、そういう価値観を理解できる珍しい昭和の男になっているので、こうした視点に注意が向けられる山田洋次は流石だと思わされた。
DV という言葉もない時代に、卑劣な男に復讐するすみれの気持ちはよく分かるが、行った行為は重罪である。事件が世間を騒がせたことで息子の生活にも大きな影響があったことは疑いない。多くの人が犯罪に手を染めることなく踏みとどまるのは、その行為によって自分ばかりではなく家族にも辛い思いをさせることが分かっているからであるが、彼女は我が子可愛さに踏み越えてしまったのだろう。ただし、その気持ちは、我が子には残念ながら伝わらなかったようである。
一時停止違反を巡回の警察官に見咎められた場面では、宇佐美がすみれの機転で救われており、このドライブでは宇佐美が一方的に世話を受ける立場になっている。宇佐美が真剣にすみれの話を聞いて同情してくれたのは確かであるが、例えば心臓発作を起こしたすみれを病院に運ぶとかの、すみれを助ける側のエピソードがあった方が良かったのではないかと思う。
人生において、自分の努力よりも大きく作用するのは、誰と出会うかであると思う。すみれが若い頃に宇佐美のような男性と会えていれば、きっと違った人生が送れたに違いない。すみれが最後に言った我が儘を宇佐美が厳しくたしなめたことが、宇佐美には決して消せない後悔として残ったはずである。その負い目を感じながらあんな手紙を読まされたら、心が震わされるに違いない。
明石家さんまと大竹しのぶが両方チョイ役で(さんまは声だけだったが)出て来たのと、小林稔侍がカメオ出演しているのにも驚かされた。それにしても、笹野高史が演じた司法書士が善良な人で良かった。彼が自分の懐に入れていたら最悪の結果になっていたところである。エンディングの歌は衰えを感じさせない倍賞千恵子の見事な歌唱が大変な聴きものであった。
(映像5+脚本5+役者5+音楽4+演出5)×4= 96 点。
パリ>TOKYO
大好きな蒼井優さんが観たくて公開初日の初回へ行ってきました。
以前観た 「パリタクシー」がとても良かったので期待せずにゆったり構えていたら、明石家さんま(声)登場で笑った!おまけに大竹しのぶまで(写真と声)木村さん保険かけ過ぎですよー。山田洋次監督は東京を映すのがほんとうにお上手ですね。
蒼井優さんが演じた役は30年前なら大竹しのぶさんがピッタリではないかな、と思いました。倍賞千恵子さんは大女優と呼ばれると思いますが、15年ほど前に観た「ホノカアボーイ」で憧れた頃が懐かしいです。木村さんの演技の感想は置いといて、「パリタクシー」のストーリーをなぞっている感じが物足りなさになり、設定の無理な部分も気になって、「パリタクシー」に感動した方へはオススメできません。
凄くいい話し。
宇佐美が女性を迎えに行ったのは葛飾柴又。 山田洋次監督らしいスタート地点だと思った。 この場所から横浜の目的地まではおおよそ50Kmくらいだと思うが、 普通に走れば2時間もかからないと思う。
封切り前の試写会で映画「TOKYOタクシー」を見た。
2025年製作/103分/G/日本
配給:松竹
劇場公開日:2025年11月21日
倍賞千恵子(高野すみれ)
木村拓哉(宇佐美浩二)
蒼井優(若き日のすみれ)
迫田孝也(小川毅)
優香(宇佐美薫)
中島瑠菜(宇佐美奈菜)
神野三鈴(高野信子)
イ・ジュニョン(キム・ヨンギ)
マキタスポーツ
北山雅康
木村優来
小林稔侍
笹野高史
阿部誠一郎
明石家さんま(佐田(声))
大竹しのぶ(圭子(声))
フランス映画『パリタクシー』のリメイク版らしい。
どんなストーリーなのか知らずに見始める。
宇佐美浩二は
東京の個人タクシーの運転手。
夜勤が明けて早朝に帰宅した。
アイマスクをして就寝する。
寝ているときにスマホが鳴る。
電話の主の代わりに今日の朝の9時半に女性を迎えに行ってほしいというのだ。
宇佐美が女性を迎えに行ったのは葛飾柴又。
山田洋次監督らしいスタート地点だと思った。
この場所から横浜の目的地まではおおよそ50Kmくらいだと思うが、
普通に走れば2時間もかからないと思う。
これはジャンルで言えばロードムービーだろう。
※ ロードムービー(road movie)は、映画のジャンルの一つで、旅物語。即ち、旅の途中で起こる様々な出来事を映画の物語にした作品である。
しかし女性の思い出の場所を巡りながらの道中になる。
結果的に目的地に着くまで10時間以上かかることになる。
2人の会話から、お互いのひととなりを徐々に知ることになるふたり。
浩二には妻と一人娘がいて、娘の入学金や車検代、家の更新料など次々とのしかかる現実に、
頭を悩ませていた。
生活は楽じゃない。
乗客である高野すみれのことも徐々にわかってくる。
高野すみれには一人息子がいたこと。
夫は帰還事業で北朝鮮に渡ったこと、
夫には2度と会えなかったこと、
未亡人になったこと、
別の男と再婚したことなど。
そして再婚相手の男との生活。
新生活はすみれにとっては困難を極めた。
息子を苛烈に虐待する夫、
夫のすみれに対する日々の暴力。
すみれは夫に復讐することにした。
試写会はカミさんと一緒に見たのだが、
すみれの復讐はオレとカミさんが想像したこと以上に凄惨なものだった。
すみれは獄につながれることになる。
見ている皆が驚くようなラストシーンがある。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
ほっこりです
親の心子知らず ※追記アリ
原作となったフランス映画『パリタクシー』は未見。舞台を東京→神奈川に変えることで、高野すみれの半生を辿るとともに戦前→戦後の日本を投影する作りにしている。とにかく彼女の半生が予想以上に過酷だったので驚く。「親の心子知らず」とはよく言ったものだ。
キャスティングに関しては、主演の倍賞千恵子もキムタクも定型的演技なので特に言う事ないが、若干くたびれた妻役の優香や、薄幸でも妖艶さを醸し出す若き日のすみれを演じた蒼井優といった、脇を固める女優陣が目に付いた。あとエンドクレジットで小林稔侍が出ていたと知り観直して、あの役だと知ったのが一番の驚き。あんなに老け込んでたとは…
オチはある程度予想出来ていたが、さざ波のような感動を呼ぶ山田洋次ならではの作品。というか逆にオリジナル版が観たくなった。
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※11/30追記
遅ればせながらオリジナルの『パリタクシー』を観たが、日本版もストーリーをほぼ踏襲していて驚き。もっとも、若き日のマドレーヌ(日本版でのすみれ)がやった事は日本版よりも容赦なくて笑った。
あとオリジナル版は人物背景をシンプルにしている分観やすい。だから日本版で感じた「親の心子知らず」も希薄だった。そして何より、主人公のタクシー運転手の疲弊感はオリジナル版の方が断然イイ味(堀内賢雄による吹替版も実にイイ)。キムタクはやっぱり悪い意味で若々しすぎる。
『パリタクシー』のスコアは4,0点といったところ。
心がほっこりする昭和ノスタルジー、人との繋がりの大切さを教えてくれる映画
少し気難しいマダム(倍賞千恵子)と都内で個人タクシーを営んでいる家族思いのタクシー運転手の主人公(木村拓哉)の心温まるヒューマンドラマ
初めて会った2人が話していくうちにだんだん心の壁がなくなって行く様子が人間味が感じられました
倍賞千恵子さんの優しく癒やされる語り口調に、田舎のおばあちゃんを感じ
それだけでもノスタルジックを感じます
マダムの昔の思い出は昭和を色々感じさせます
昭和をガッツリ生きてきた方には懐かしいのでは無いでしょうか
あまり昭和をこの身で体験した事のない私は今回、高校生の姪と鑑賞させていただきましたが
昭和の良いところ、悪いところを色々勉強させていただき、いい意味でのジェネレーションギャップを感じました
結構ショッキングな部分もあったりしましたが、昭和の方からしたら
現在も十分ショッキングで考えられない事も多いと思うので、お互い様ですね笑
たった1日でも人との出会い、人との繋がりの大切さを教えてくれる映画です
ラストの木村拓哉さんの涙に思わずもらい泣きをしてしまいました
仏映画の名作『パリタクシー』のリメイク作品で面白かった
仏映画の名作『パリタクシー』のリメイク作品。景色も含めて色々日本とは違うのでどうなるかと思いましたが東京を舞台に上手く落とし込めてました。流石山田洋次監督・脚本です。お見事でした!
家賃・車検代・娘の音楽系私立中学入学金と授業料と支払予定の出費が捻出出来ず頭を悩ますタクシー運転手(木村拓哉)が老人ホームに入居する老人(倍賞千恵子)をホームまで送るロードムービー。
ほぼタクシー内の会話劇だが面白かった。
夜勤明けでやっと家に帰って寝ようとしているところへ仲間から電話がかかる。ぎっくり腰で動けなくなったから予約のお客の所へ行って欲しいと頼まれる。最初は乗り気ではなかったが遠方で報酬が良いと聞き引き受ける。(電話の声が明石家さんまでニヤニヤしてしまった。)
夜勤明けで疲れているせいもあり最初は無愛想な運転手が、明るく楽しい老人の凄絶な人生を聞く内に優しくなっていくのが良かった。
老人の若い頃を演じている蒼井優も凄く良かった。戦後から昭和30年代くらいの感じがよく出ていた。老人の若い頃として違和感無く演じていて可愛らしかった。凄く良かった。
何処か懐かしい感じのする東京の景色と胸を打たれるラストも見どころ。是非映画館へ
元ネタが良すぎたので比べちゃうとあれだけど、 でも、観光案内っぽい...
元ネタが良すぎたので比べちゃうとあれだけど、
でも、観光案内っぽい感じもあったりして、
松竹記念事業の作品として悪くないと思います
2人の信頼感が構築されるまで、
もう少し深く描くともっと良かったかな
倍賞千恵子がかわいかった
こころあたたまるストーリーと波乱の人生のお話
キムタクシー
最高の1本
これはきっと、最後の恋
東京国際映画祭にて鑑賞。
激動の時代・昭和、そして平成令和を生き抜き、
最後に老人ホームに入る前に
タクシーで思い出の地を回りながら
『あの頃』に想いを馳せる女性と
それに振り回されながらも彼女の旅路を共にする
タクシー運転手の話。
ネタバレにチェックはしていないので多くは語らないが
最も印象的な感想はタイトルのとおりです。
倍賞千恵子さんの佇まい、セリフ、感情、存在。
とにかく彼女の全てがよくて涙を抑えるのが精一杯。
令和の作品なのにとても上質な昭和映画を見てるようでした。
今の時代、
『女は昔生きにくかった』と言うだけなら簡単だが
ともすれば少し説教くさくなってしまうところを
この映画ではそのような嫌らしさはなく、
とても自然に目や耳に、心に入ってくる。
それを昭和を代表する監督、昭和を代表する女優が
手を組んで表現しているのがとても良かったです。
もはや老害だ。
ネタバレ 「キネマの神様」もそうだったが、今回も「パリ、タクシー」の原作をぶち壊しの山田洋次監督。松竹はキチンと引導を渡せよ。見るに堪えない。救いは木村拓哉がそこそこ頑張ってうだつの上がらない中年パパ役をどうにかこなした点か。「グランメゾン・パリ」がいわゆるキムタク臭で窒息しそうだったので、今回は健闘したと思います。それにしても蒼井優は、訳ありの若い頃役が多いね。事務所は仕事を選ばないでいいのか心配だ。余りにもったいない。倍賞千恵子はさすがだとは思うが、余りに普通過ぎるのでは?ここは木村拓哉に対抗して吉永小百合がよかったのでは?無理やりブチ込んできた北の帰還話など「キューポラのある街」の後日譚みたいな流れで興味深く見られたのでは?と思った。
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