TOKYOタクシーのレビュー・感想・評価
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トラさんかなぁ…
はとバスツアー
一桁違ったわ
フランス映画パリタクシーが原作ということですが、これが名匠・山田洋次監督による日本の映画なんだと感じました。
横浜に住んで30年になりますがそれなりに見慣れたTOKYOの街並みが楽しかったです。
柴又帝釈天の参道から始まる旅は山田監督のこの映画への愛情のように受け取りました。
個人的には特に親しみある丸子橋のシーンはうれしかったです。
監督は木村さんに「受け身の役は非常に難しい。立つ、歩く、座るというさり気ない姿を大切に映したい」と伝えたそうです。それを見事に演じられていたと見受けました。
実はキムタクが主役なのかぁと、見るのを躊躇う気持ちがありましたがそんな事は無く見て良かったです。
田舎の母親に東京横浜を案内してやりたくなりました。
素晴らしい👍
しみじみと心に沁みます
こんなに東京ってキレイでしたっけ? もちろん裏のダーティだって当然ありましょうが、美しいところも当然ある。その良きところだけを東京観光風に愛でて、ハートウォーミングにしてくれる。映画って本当にいいですね。
素晴らしい佳作です、ほっこりと心温まり、観て本当によかったと。昨年の今頃の撮影のようで、この晩秋にこそ観る価値絶大です。初日の鑑賞でしたが、随分と観客が入ってまして、山田洋次ブランドの威力を感じました。原作がフランス映画「パリタクシー」2023年 だとか、流れるクレジットを見て初めて知った次第。残念ながら私は観ておらず、ですが本の映画化と同じく、リメイクだろうと原作本(映画)との比較はさして意味がありません。一緒に観た多くの観客にとっても山田洋次の脚本・監督作として観ているわけで、原作をどう料理しようが構わない。ただ、お洒落なファンタジーの要素が非日本的に感じたのは確かでした。
御年94歳ですよ!日本の至宝監督の新作がこうして観られるなんて、有難い限り。実際、次は?次は?でここまで来ましたが、必ず「その時」は来るのですから覚悟は必要でしょう。だからと言って慰労の意味合いで本作を甘やかすのは失礼にあたります。シンプルな小品ですが、しみじみと心の温かさは確かなものです。
タクシーの運転手と客である老婦人の2人っきりの会話劇。基調は映画「ドライビング Miss デイジー」1989年 がヒントと思われます。当然に老婦人が主軸であって、倍賞千恵子が当然のようにキャスティングですが、「男はつらいよ」の印象からして庶民的な化粧っ気のない役から一転バッチリメイク、指先ネイルのテンコ盛りデコレーションのマダム風情に驚きましたが、まるで違和感ありません。ちょいと江戸っ子らしいストレートな物言いを演じ、小気味よい。ほぼ役と同年で殆ど座ったままの演技ってのも、配慮がなされれ、良く練られたものです。
対する運転手役の木村拓哉もいい味わいの役者になったもので。何を演じても「木村拓哉」と言われた時期もありましたが、苦節を感じさせ、老婦人への思い遣りを徐々に解き放つ優しさが秀逸です。音大付属高校への推薦入学とは、金が否応なくかかりますが、「娘があれ程喜んでいるのだから、やるっきゃないでしょ」のセリフは親心全開で、同時にラストに繋がる本作のベクトルとなるわけで。
老婦人の過去が少しずつ語られ、その都度フラッシュバックで描かれます。すっかり監督に気に入られた蒼井優が若き日のすみれに扮しますが、昭和っぽさが妙に似合います。夫役の迫田孝也は本当にクズ男の役が多く、イケメンなのにお気の毒としか言いようがありません。あそこに熱した油を掛けられたら、どんな表情になるのが、演ずる上で相当に悩まれたと思いますね。ただ、この「仕打ち」は浮気三昧のような馬鹿旦那に対する発想行為で、このシチュエーションには少々違和感を感じます。そもそも大陸的な大胆過ぎる行為で、間違えば逆・阿部定ですからね。だから翻訳ものなんだと納得してしまいます。
東京大空襲に始まり、北朝鮮帰国事業、家庭内暴力、男尊女卑など、「昭和」そのものを総括したようなエピソードに、山田監督御自身の総括のようにも感じてしまいました。柴又を出発点とし神奈川の葉山まで、10時間以上に渡るタクシーの料金ってのを聞いてみたかったのに、サッとそこをスルーしてしまうのであれ? でしたがそれを伏線にして1週間後の幻の再会に繋がる作劇が巧妙。都区内の土地と家を売るとなれば、あのくらいの金額は当然でしょうが、妻役の優香が驚き崩れるのもわかります。
監督のインタビュー記事によりますと、巨大で精緻なLEDスクリーンを背景に車内シーンをスタジオで撮影されたとか。まるで違和感なく、アングル替えても自由自在でリアルな撮影が出来るって凄いことです。監督も主演も高齢であればこんなのもアリでしょうね。もっともっとこのタクシーに乗っていたいと思いました。
ホテルへ泊まりたい
心に響く素敵な感動物語
フランス映画「パリタクシー」を原作にしてリメイクしたヒューマンドラマ。原作のパリタクシーは鑑賞済でストーリーは知っていましたが、主演の二人・倍賞千恵子と木村拓哉の演技が本当に素晴らしく原作以上の感動で自然と涙が溢れ出ました。
2025-169
元町を歩くお二人、素敵です。
95点/☆4.5
2022年のフランス映画「パリタクシー」を原作に、巨匠・山田洋次監督が男はつらいよシリーズで長年連れ添った倍賞千恵子と木村拓哉を主演に、東京・柴又から神奈川・葉山の高齢者施設への、たった一日のタクシーの旅を人生の縮図のように紡ぎ出すロードムービー。
3回涙した。素晴らしい。感動で胸が熱い。
オリジナルのフランス版は元々評価が高く、それを日本版としてリメイクした形だが、日本版を先に観た。
余韻に浸りたくアマプラ見放題にあったオリジナルを観ると、山田洋次が何を付け加えたかが痛いほど浮かび上がる。
倍賞千恵子でしか言えない言葉を、木村拓哉でしか受け止められない言葉を、それは必然だった。改めて日本版への感動が湧き上がってきた。
個人タクシーの自由と不規則な生活、家族と擦れ違う夜勤、無機質になっていく運転手の感情。それらが日本版では物語の厚みとしてしっかり息をしている。
明石家さんま・大竹しのぶという山田組ならではのゲスト出演も効いている。
倍賞千恵子の凄み。それは最初に会ったときの距離感。
「裕福そうだけど気難しそう」と思わせておいて、話し出した瞬間に明るくチャーミングに変わる。
その絶妙な温度差が、彼女の80年分の光と影を一瞬で説明してしまう。
それが出来る女優は少ない。倍賞千恵子に託した理由が分かる。
何気ない会話から彼女の波乱の人生が明るみになり始め、最初はお金のためと面倒くさそうに運転していただけの宇佐美が、次第に自分の身の回りの事のように彼女の身に起きた哀しみへ怒りを滲ませる。
何気ない会話から徐々に明かされる彼女の波乱。
戦争で奪われた父との別れ。思い合いながらも時代に阻まれた初恋。
シングルマザーとして生きる苦しさ。経済的な理由で選んだ結婚。声を上げられなかった時代の壁。そして、その選択が息子を苦しめてしまったという悔い。
フランス版では息子との再会が叶うが日本版では再会すらなく、息子の亡骸とも会えぬまま刑務所で歳を重ねる。
「会おうと思えば会えたのに会わなかった」という懺悔が、より痛烈に描かれた。
息子を失い、生きる支えを失った彼女に刑務所は「死ぬことすら許さない場所」だったという日本版独自の視点は、胸の奥を深く突き刺す。
東京の名所、整った並木道、懐かしさと都市の現代性が混在する風景──そこから離れていく旅路は、まるで彼女の人生の縮図だった。
一方で運転手・宇佐美の生活も丁寧に積み上げられる。
娘の進学費用、家族を幸せにできているのかという不安、初恋のマドンナへの卑屈さ。
その卑下する気持ちに彼女は突然怒り出すが、後にその理由が腑に落ちる構造も日本版らしい。
木村拓哉のキャスティングは説得力そのもの。
人生の終盤に訪れた、最後の予期せぬ恋。
彼女が最後に見せた行動も、不意に腑に落ちる。
惚れてしまったのだ。彼に。彼と過ごした、あの一日に。
「あなた、その時何してたの?」
「まだ生まれてません」
「……あ、拝んじゃった」
「お願い、あのホテルに連れてって」
日本版ならではの柔らかなユーモアと、彼女が女性としての時間を取り戻していく喜びが溢れている。
食後に後部座席ではなく助手席に座る仕草すら、デートを楽しむ少女のようで愛おしい。
施設に着いてからの別れのシーンは、日本版独自の痛みと温度がある。
ドアの機械音や職員の無機質さが、まるで彼女が再び収容されるようで、心がひりつく。
「こんな素敵な一日を、こんな終わり方で終わらせたくない」彼女の心の声が、画面の外まで滲む。
他人に大金を渡す展開は一見無理に見えるし、見たことのある展開かもしれない。
だが誰にも見送られず、誰にも面会に来ず、ひっそり消えていくはずだった人生に「温かい最期」をくれたのは宇佐美だった。
月が浮かぶ暗い夜を美しいと思えたのも、あなたと過ごした時間があったから。
息子が亡くなった歳は、宇佐美の娘と同じ。
生きられなかった息子の分まで娘を大切にしてほしいという願いが、言葉にされないままそっと響く。
「あなたは、思っているよりずっと素敵よ。笑うともっといい男」
彼女の想いは、ただの感謝ではなく最期の恋の告白だった。
歌手でもあった倍賞千恵子の透き通る声で歌われる歌。
日本版独自の余韻を残すエンドロールの並べ方。
たった一度の出逢い。
たった一度の旅。
それでも、片時も忘れられない時間は存在する。
忘れてはいけない出逢いがある。
あなたがくれた贈り物。
涙も出なければ感動もしなかった
「パリタクシー」からの脚色映画とのことだったけれど、そして「日本中が涙に包まれる」とプロモーションでは書かれていたけれど、全く涙も出なければ感動もしなかった。
ストーリーはありきたりで開始多分4分の1ぐらいでラストのオチまでわかってしまう。
言いたい事はわかる。
戦争は良くないものだし、昔を懐かしむ気持ちもわかるが、それを全部セリフで言わせてしまっては「説明」になってしまう。
まあ山田洋次監督だから、こういう映画が大好きな人には刺さるのだろう。
私には刺さらない、というだけのことだ。
木村拓哉さんだけれど、「何を演じてもキムタク」と言われているが、もはやそれでいいのではとこの映画を観て思った。
スケールは違うけれど、トム・クルーズのよう。
何を演じてもトム・クルーズだけれど、存在感があり、人を惹きつける。
ファンでも何でもないのにこう感じるぐらいだから。
実際中々ああいう50代はいないでしょう。
タクシー運転手を演じてもキムタクはキムタク。
それはそれで凄いことなのでは。
人間を肯定的な眼差しで見れるか
タクシーで思い出の場所を巡るとはいえ、
初対面の運転手に自分の過去を躊躇いもなく洗いざらい話すだろうか、
すみれさんにそうさせる特別な何かがタクシー運転手にあるか、
という基本的な設定に対する疑問にモヤモヤした。
もっと(車中からではない)街の景色をたくさん映して心象を想起させるとか、
黙り込んでもの想いにふけったりとか、逡巡、葛藤する様子とかがあまり無く、
波乱万丈の人生を語るにしては、構成、展開が滑らか過ぎる気がした。
もはや達観しているということか。
その語り口は、人間や物語世界に対する信頼の証であり、
人間関係が希薄で無色透明な世知辛い現代でも、
暖かい純粋なものは存在しているはずだという
監督の強い信念、願いだと思った。
全編に安心感があり、余計なことを考えず、
素直にシンプルに見れば、良い(映画として)幸福な作品だと思った。
キムタクでパリタク
結構原作に忠実なリメイクでしたね。まぁ、もともとシンプルで仕上がりすぎてる話なので、下手に手を加えたくなかったのかな?それでも所々変更された点が見受けられ、そこがまた原作とは違う味付けでとても良かったです。
とにかく倍賞千恵子がかわいい!こういう内面から滲み出る上品さや愛らしさっていうのは、年齢など全く関係ないんだなぁと驚きました。キービジュアルでも公開されていた腕を組むシーンなんかがそうですね。「婆さんが何やってんだ」とはならない。ロケーションもすごく良くて、原作より好きなシーンの1つですね。
キムタク演じる浩二が徐々に心を開いていく過程が丁寧に描かれていたのも良かったです。立ち上がるときに腕を貸したり、笑顔が増えたりしていくわけですが、すみれの影響なのか彼の中で少しずつ変化が見られるようになります。それをキムタクがどう見せるか。本作の見どころの1つと言えるでしょう。
こういうシンプルなプロットの作品のリメイクって、監督の持ち味が浮き彫りになるから面白いなぁ、と思います。落語で例えるなら、談志の芝浜は泣けるけど、5代目円楽の芝浜は笑える、みたいな。パリタクは泣けるけど、山田洋次のTOKYOタクシーはじんわり心に染みて、優しさに溢れた人情噺に仕上がっていたんじゃないかなぁ、と思いました。
⭐︎3.7 / 5.0
邦画は苦手
静かに泣ける大人の映画
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