TOKYOタクシーのレビュー・感想・評価
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人と関わる事を避ける現代との対比
個人評価:3.8
キムタクとTOKYOをドライブする倍賞千恵子。それだけで何とも見応えがある。
タクシーの待ち合わせ場所が柴又の帝釈天というのもにんまりポイントである。
人と関わる事を避ける現代と対比させ、タクシー運転手と乗客がお互いの人生に干渉していく。元ネタのパリタクシーは見ていないが、現代の価値観とは逆張りのいい設定だと感じる。
最近の邦画とは違い、やはり山田作品の台詞の言い回しや、演技がとても分かりやすく、一周回って新しいと感じてしまう。
御年92歳の山田監督。まだまだ現役の映画監督だ。
爽やかな映画で、観たあとは誰かに優しくしたくなる
木村拓哉さん主演で気になったので見てみました!
湿っぽい映画なのかなと思ってしまいましたが、爽やかな映画で観てよかったです。
面白かったポイント
■一緒にドライブしているような気分になる
浅草や横浜など、自分たちも一緒に東京・横浜のドライブを楽しんでいるような気分になります。
■演技派ぞろい
倍賞千恵子さんは、本当に品の良いマダムという感じで、見ていて自分の祖母を思い出しました。
誰にとっても、おばあちゃんを彷彿とさせる感じがあると思います。
木村拓哉さんはとてもカッコいいのですが、この作品ではムリにカッコよく見せない、ナチュラルな素敵さがあるなと思いました。
蒼井優さんも、その人の感情が乗り移ってくるかのような演技で惹き込まれます。
■ストーリー展開は予想できるが、それでも良い
ストーリー展開は途中から予想できてしまったのですが、それでも素敵な作品でした。
見終わったあとに、誰かに優しくしたくなる、良い映画でした。
存在感のある素敵な2人がすべて
各時代のトレンドを押さえた脚本が巧い
山田洋次監督91作目。御年94歳、流石にこれが遺作になるかも知れませんね。昭和臭漂う映画でしたが、観ている側も大半が昭和世代でした(自分も含め)w
2022年のフランス映画「パリタクシー」に着想を得た作品。舞台を東京に移し、住み慣れた街(東京・柴又)から神奈川の高齢者施設に入居することになった85歳のマダムを送り届ける道中、思い出の地を巡る寄り道に巻き込まれる事になったタクシー運転手との心の交流を描いた作品。最後はベタオチでしたが、優しさに溢れた佳作でした。
女性にとって生きづらい時代であった戦後の昭和から、平成・令和に至るまで激動の人生を歩んできた一人の女性の語り口が本作の見どころ。叶わぬ恋、シングルマザー、再婚、DV、復讐、投獄、渡米、ネイルで一発逆転・・・と、各時代のトレンドをしっかり押さえた脚本が巧いっすね。
女優・倍賞千恵子の花道を飾りたい。そして、大好きな街・東京を舞台に自らの映画人生の集大成を残したい。そんな思いの伝わる映画だったように思います。
本年度の日本アカデミー賞はコレで決まり!?
p.s.
冒頭のシーンで登場する、キムタクの同僚ドライバーの電話の声って、明石家さんまだったんですね。えらくベタな関西弁だなと思って聞いてましたw
ちなみに大竹しのぶもキムタクの姉役で声のみ出演。元夫婦をこんな形で共演させる所も皮肉が効いていて面白いなと。
心残り
山田洋二監督作の倍賞千恵子主演という事で鑑賞。
タクシーの待ち合わせが柴又の帝釈天前というのが、嬉しかったです。
全体的に落ち着いたトーンで上品な印象の映画でしたが、倍賞千恵子が語る過去の出来事で
ショッキングなシーンがあり、そこが強く印象に残りすぎて、鑑賞中にノイズとして邪魔になりました。
幼い息子に暴力を振るう夫への制裁が、鍋に溶かした睡眠薬を煮詰めて、濃度の高い睡眠薬を飲ませて死なせるのかと思いきや、煮詰めていたのは油(?)で、それを・・・
その元夫は現在も80代の老人としてまだ生きているのか?どんな人生を歩んだのか?復讐は考えなかったのか?とか、頭の中で元夫のスピンオフ映画ができそうなほど考え込んでしまいました。
終盤、倍賞千恵子演じる老婦人のわがままのような願い事、それに対する木村拓哉演じるタクシードライバーの対応が悲しかったですね。いつまでも心残りになりそうです。年老いた母親を思い出し、親のわがままは素直に聞こうと思いました。
原作の「パリタクシー」は気になりつつ見逃してたので何も知らずに鑑賞...
原作の「パリタクシー」は気になりつつ見逃してたので何も知らずに鑑賞。
東京の思い出の地を巡りながら目的地へと向かうロードムービー。
結末は読めてしまうけど、主演のお二人の会話が耳心地良く、画面映えもするから観ていて飽きなかった。
あと、想像以上に蒼井優の演技をたっぷり堪能できたので良かった。
すみれの人生を巡りつつ、倍賞千恵子の歴史と戦後日本の歴史も一緒に辿っているような内容にもなっていて、山田洋次監督らしい人情喜劇ではあるけど、そういう歴史も残したかったのかなと感じた。
終盤は私の祖母のことを思い出して少し胸にきてしまった。
木村拓哉は、お疲れ気味の中年男性役にしてはかっこよすぎるけど、受けの芝居も悪くはなかったので、脇役とかでもっといろんな役が観てみたいな〜と思った。
どうしても華や存在感があるし、世間のイメージ通りの役を求められてしまうのかもしれないけれど。
パリタクシー
そうか、原作はパリタクシーだったのか!
それを東京に置き換えて、東京の風景が見られるのはいいなと思った。
1番良かったのは、倍賞千恵子の声! お齢を重ねられてもとても素敵な声です😊
そして、蒼井優。たおやかな健気な戦後の時代を生活する女性を素敵に演じられていました。いいことばかりではありませんでしたが、、、
キムタク、優香、娘さんも良かったです。
あらすじも知っていたのでどう描くか、気になりました。
残念ながら、さんまさんやしのぶさんはトゥーマッチでした。
あと、お金で始まりお金で終わるのが、残念でしたねー😢
おばあちゃん詐欺師かと思いました
原作見てません
脚本が適当に会話を書いてる
ストーリーへの考え方が甘すぎる
日本の映画やドラマの悪いところが全て出ていた
それは情報を適当に扱うということ
脚本をまともに作れる人は全員アニメにいるから仕方ない
脚本の拙さで監督のひどさ
詐欺師のおばあちゃんをのせたのかと思ったレベル
▶️脚本が適当に会話を書いてる
1まずいらない聞き返し
キムタク 住所ありますか?
ばあちゃん 住所?
見てる側はすでに分かってますから住所なのは
どこに入れたかしらにしてください
作中何回も聞き返しがあります
2そこまでやるか?と思わせた
夫のものを使えなくしたが
そこまでやるか?と思わせました
▶️血の繋がりのない子を大切にするという約束を反故にされた
これ確かに酷いです
しかし彼は元は残酷ではなかった
そしてそれを認識してるからこそ
貴方の好きだった男を思い出せるから憎いというんです
変わってしまった自分に悩んでなきゃ
理由なんか考えないでしょ?
何かを残酷に裁くときは
相手も残酷でなければならない
貴方の好きだった男を思い出せるから憎い人は
子供を作らず死ねやという価値観はおかしいです
彼は自分の子なら可愛がれる人ですから
▶️想像力が貧困なやつは残酷をかくな
まず虐待された子供は親を恐れます
怖いんです
部屋に入って何かを触ったりしません
貴方はクマがいるといわれるスーパーに
買い物に行きたいですか?って話
そして虐待されてなくても
人の部屋に入り人のものを触るのは
よくないことでしょ
旦那の芯に残酷性がない
残酷性とは理由なき加虐です
息子が大切なものを捨てるとか壊すとか
ご飯を食べる間も大きな音を出して圧をかけ続けるとか
母親を遅いといって殴るとかやらなきゃだめです
生きてるだけでお前らは憎い責められつづける
そういう環境を作ってよ
▶️彼女の追い詰めが足らん
彼女には逃げられるという選択肢があったのでは?と私は感じてしまったんです
だから彼女はお母さんに逃げたいと
相談するがお母さんにも他の女性にも
止められるシーンが必要
➕むしろいい旦那じゃないかあ〜と言うやつを出してください
それにより誰も助けてくれない環境がわかります
旦那の残酷は誰も気づかない
時代の変化とは何か?
男性が女性を殴らなくなるんじゃなく
男性が女性を殴ると責められるということ
なんも考えずに適当に
善悪と時代の変化に触れられると
すごくムカつきます
▶️うそつきばあさん現る
キムタクが警察官に止められて
おばあちゃんが嘘でキムタクを助けてくれました
心臓にペースメーカーが入ってるとか
のちにおばあちゃんの
息子は実は死んでいたことがわかります
そしておばあちゃんは私は死にたかった
でも刑務所ではそれは許されないと泣きました
私は戸惑います
刑務所でてから死ねばいいじゃん?
何ペースメーカーつけて生きようとしてんのや
うそつきだなあ
もしかして全てが嘘でキムタクは長野の家とられんじゃねーの?ってレベルの矛盾
子供の死と
死にたいを軽く捉えてる
これは息子に憎まれてたけど
あとあと日記がでてきて
実は恨んでなかったみたいなことがあり
生きて行こうとした的な何かがないと
子供が親を憎む状態で
死なせたなら死んだ方が良い
お前が旦那の子供ができないようにしたように
お前は精神虐待したんだから
お前も死ねと感じた
なんで暴力と精神に違いをつけるんだ?
貴方を救うためなら何をしてもいいと?
でもその悪は貴方が連れてきた
自分には甘い自分にはとことん甘い
▶️キムタク 金を忘れる
うわっ!え?
キムタク詐欺られちゃうの?
数日後 会いに行ったら
死んでいました
ああ、よかったと思いました
1973年からずっと 山田洋次 ファン
幸せな気持ちになれる映画
印象に残ったシーン
1.タクシーの座席で若き日の自分と手を繋ぐシーン
すみれが運転手浩二に自分の犯した罪を話すことで懺悔し罪が償われたのだと思う。若き日の自分とようやく向き合えたことが手を繋ぐシーンなのだと思う。
2.夜になり施設に到着した2人が、ガラス1枚隔てて話しているシーン
わずかガラス1枚だけなのに、1日を一緒に過ごした2人が別々の世界にいることになってしまった切なさを感じた。
3.部屋の窓から満月が見えているシーン
浩二との出会いですみれの清々しい気持ちへの変化を表していると思った。
4.最後に浩二がタクシーを運転しながら涙を流すシーン
浩二自身もすみれと出会うことによって自分のいる場所、人との出会いの大切さ、別れの大切さを感じ、成長したのだと思った。
『高野すみれ』という映画
ザ・ヒューマンドラマ!
個人タクシーしてる宇佐美浩二と奥さん、その娘が高校で音楽学校に行くのに私立でバカ高くて
その上車検とか家賃の更新とかもあってお金が無い、となる。
とある日、高野すみれというおばあさん(85歳)をタクシーに乗せるが
その人が東京から神奈川のめっちゃ海沿いまで行きたいとか言うて、実はその海沿いが介護施設で
そこに行くまでに1日、色々その宇佐美とすみれが東京や神奈川を色々回って
すみれが自身の過去を語りつつ、最終的に親切にしてくれた宇佐美へお金を遺す話。
映画を、見た、という感じ。
ショーシャンクの空に、に近い終わりかも。それよか切ないですが。
すみれの過去は壮絶で
・東京空襲から始まり、父を失う
・飲食店を経営している母で暮らしてた
・北朝鮮人と恋に落ちたけど、その人は復興で北朝鮮戻らなきゃで お互い好きあってはいたけど結局国に戻っちゃって、でも実はお腹に赤ちゃんいました!北朝鮮人のその男とは二度と会うことがありませんでした。
・しばらくしてその赤ちゃん(勇くん)育てながらまた普通に恋愛して、結婚した
・しかしその男がとんでもなくクズで外面いいけど家庭内暴力、結婚前は勇くんを自分の子供のように育てるって言ったのに、実際はすみれが給食費とか足らないからもうちょっとお家にお金入れてほしいって言ったらあいつ俺の子供じゃねーし、お前の金でやれ。ってめっちゃ冷たく当たってる(なんなら普通にすみれのことも殴ってた)
・そのくせ「俺との子供作ろう」って何度も何度も迫ってて、二人きりになりたいってしつこいから、勇はおばあちゃんのところあずけて旅行へ
・旅行から帰ってきたらおばあちゃんが「勇の体にとんでもない跡がある、問い詰めたらあの男にめっちゃ殴られてる、でもお母さんには言わないでって泣きながら言ってた」って聞いてしまう
・その夜、勇をおばあちゃんのところに預けてすみれは睡眠薬を男に盛る
・「勇はずっとおばあちゃんの家に預けておこうよ」と男は言いつつ、すみれに迫る
・事後、火にかけてた煮え湯を男の股間にザッパーン!
・すみれが言うには「あの昭和の時代は家庭内暴力は普通だった」「旦那が妻や子供に暴力を振るうのは多々ある話だった」とのこと
・時代が時代だから(これは時代関係あるのか?とは思いましたが)殺人未遂で刑務所に9年入ってて、やっぱり「家庭内暴力で男の股間に煮え湯をかけた女」として大々的にニュースにもなった
・勇くんも後ろ指刺されて、グレちゃって仲間たちとバイク乗ってて事故って亡くなった
・すみれは出所して、美容室で働いてたときにネイルのきれいな海外のアスリートをテレビで見てネイル、これは流行る!って一人でアメリカ行ってネイル技術学ぶ
・日本帰ってきてネイルサロン経営して生きてきた。
強い女すぎる。
最終的に、老人ホームに着いて 「私、やっぱりまだこの1日を終わらせたくない。どこかホテルに泊まりたい」とすみれが言うんだけど
宇佐美が「わがまま言わないでください」って怒ってしまい。
そのまま別れるが、閉まった自動ドア越しに「あっ!タクシー代払うの忘れてた!」ってすみれが思い出し
「俺また来ます、今度は妻も連れて!」ってお別れしたあと、1週間後にその施設へついたら、もうすみれさんが亡くなっていると発覚。
葬式行ったらお手紙預かってますと言われ……
最初のシーン、介護施設に行く前に家を引き払うシーンがあるのですが
ネイルサロン経営や家を売ったお金、私にはもう必要ないから、親切な運転手さんありがとう、って言う感じの遺書と共に大金の小切手が同封されていた。
葬式帰り、家族を乗せた宇佐美がタクシーを運転しながら涙を流して…のシーンで終わる。
北朝鮮人との恋。後ろ指刺されるだろうに。
子供を抱いた日。そも、昭和のあの時代にシンママをするという気概。
DVに立ち向かった夜。やっぱり女は男に直接は勝てないから自分が殺されたって仕方ないのに。
煮え湯をぶっかけた瞬間。息子を守るという母の心。
息子を失い刑務所を生き抜いた9年間。看守さんには監視の目がつくけど葬式に行ける、と言われたけど行けるわけない、自殺も考えたけど刑務所内では簡単に死ねない、トイレで声を上げて泣いた、としっかり「人としての覚悟」を持ってる。
アメリカ行きを決めた瞬間。普通これを学ぼう!って思ったときに海外の片道切符だけ取って実際に行っちゃう探究心・行動力。
最期の遺書。それを人に分け与えることが出来る優しさ。
高野すみれ、最高にロックです。
ただ☆5にしたかったんですけど、☆4にした理由としては
個人的にこの作品における他の女が好きではなかったです。
その描写、必要ある?と思ってしまったのもあります。
高野すみれを上げるために、宇佐美浩二の妻と姉を落とした感じがしちゃって。
最初、宇佐美の妻が「ねえ、お義姉さんにお金借りられない?」「もう私の実家売るしかないわね、もう私の妹にも話つけてきたから。あーあ、妹も悲しんでたわ」って言ってたり
宇佐美の姉も「私も育ち盛りのが二人もいてそんなに金貸せるわけないでしょ!?(それは本当にそう)」とか
それを狙っているのであればうまい作り方してるけど、それをする必要があったのかな?とも。
どうしても宇佐美が「お金がないです!!」っていう描写をするならもっとあったのでは…?
そんなことしなくても、高野すみれという人物は十分に魅力的だったし、この映画のスポットライトを浴びてる主人公のひとりだったと思います。
人の優しさにじんわり
TOKYOタクシー
パリタクシーを2回観ていたので
結末は分かっていました
あの2人を
倍賞千恵子さんと
木村拓哉さんがどう演じるのか
どのように脚本されているのか
非常に楽しみでした
パリタクシーでもタクシー運転手が金の無心をしているシーンありましたが
(そちらでは兄に無心していたような)
TOKYOタクシーでは
木村拓哉さん演ずるタクシー運転手の浩二が
何故お金に苦労しているのか
何にお金が必要なのかがちゃんと伝わって
娘の高校推薦の為に
何とか頑張ろうとする父親の姿を
木村拓哉さんが好演していました
それに加え
車検や更新費も工面しなくてはならないことに焦りを感じ
ボヤきながらも
浩二を支える妻役の優香さんも良かったです
何よりも
倍賞千恵子さん扮するすみれさんが
すごく良かったです
浩二のタクシーで高齢者施設に向かう途中
浩二に心を許し
自分の過去を話し出すすみれさん
やがて衝撃の過去を明らかにする
もちろん当時のすみれさん役の
蒼井優さんも素晴らしい
なんでしょう
嵌り役です
ですが
最初から最後まで
倍賞千恵子さん演ずるすみれさんが
本当に良かったです
戦前戦後を生きてきた人の
辛み悲しみ
ささやかな幸せ
当時の女性の生きづらさ
何度じんわりきたことか
最後
高齢者施設に着くも
「今日の最後をここで終えたくない」と
浩二にわがままを言うすみれさん
泣けました
その時に「それはできない」と
すみれさんのわがままに答えてあげなかったことを後悔する浩二にも涙しました
結末は分かっていましたが
すみれが浩二に
浩二の家族に遺したものが
2人の間にできた
絆の大きさを
物語っていました
劇中で流れた倍賞千恵子さんの歌声も
良かったですね
「大人のお伽話」と「都市が紡ぎ続けるフィクション」の二重構造
本作の物語には現実的でない点が多い。
偶然の出会いから奇跡のようなひとときを過ごし、唐突に別れ、さらに金銭トラブルへと類型的に流れ込むプロットは、既視感を拭えない。また木村拓哉は、役柄であるタクシー運転手よりも「木村拓哉本人」として画面に立ち現れてしまい、リアリティの構築を阻む。
これは演技力の問題というより、彼が数十年かけて積み上げたキャラクター性の強さゆえであり、作品がそれを打ち消す方向に舵を切らなかったことで、リアルな設定の重心がそもそも成立しない。
しかし、本作の興味深さはまさにその不成立の中にある。
タクシー内の会話や関係性の運び方は、現実ではなく、東京という都市が日々生み出しては消していく無数の物語の断片のようだ。
人物が類型的であること、展開が現実からふっと浮いてしまうことすら、東京という街がもつ「物語化の力」の表れだと考えると、突如として作品が鮮明に読み解けてくる。
ここで重要なのは、木村拓哉という役からはみ出すスター性が、逆説的にこの「都市的寓話性」を補強していること。
観客は彼を「タクシー運転手」ではなく、「東京という巨大な舞台に突然紛れ込んだ木村拓哉」という形で受け取ってしまう。
すると物語は現実ではなく、都市が紡ぐフィクションの層へと自然に移行する。
これは欠点がそのまま作品の質感を形成してしまうという、映画ならではの逆説的な魅力である。
また金銭的な件は、“都市では人間関係が名前も素性も曖昧なまま唐突に切断される”という、匿名化した都市の構造を象徴している。
本作は、出会いと別れのドラマに見えて実は、都市が個人の物語をいかに脆く、置き換え可能なものとして扱うかを描いた寓話でもある。
つまり「TOKYOタクシー」は、リアリティの尺度で測れば確かに粗が目立つ。しかし「都市が持つ物語的レイヤー」として作品を捉えると、その虚構性はむしろ精度を上げていく。
タクシーの窓ガラスに映る街の光のように、現実と虚構が二重に重なり、観客に淡い夢の残り香を与えてくれる映画であると感じる。
パリでは泣けても東京では泣けなかった
オリジナルは鑑賞済み。
結構好きな映画なので山田洋次監督、倍賞千恵子、木村拓哉でリメイクされることに不安はあった。たしかに人情物語だけど。その不安は一部当たり、一部はむしろうまくリメイクされていた印象だ。
残念だった点。まず、タクシーの運転手がスマートすぎた。パリではもっとダメで少し嫌なヤツだったのが、実はいいヤツだったと印象が変わる。その変化が少ない。最後のホテルに泊まるかどうかのくだりも、ほんのり恋愛要素が臭ってしまうのもキムタクだからこそ。ただ、彼の演技はよかった。他の作品のようにカッコつける要素がないからかとても自然体に感じた。
そしてタクシーに乗せた女性の人生が若干薄かった。年代的に戦争を絡めることに限界があったり、日本社会の問題としてウーマンリブを強く押し出せない部分があったのはわかるが。ただ、若い時のすみれを演じた蒼井優はよかった。芯の強い女性演じるのが本当にうまい。
次によかった点。上映時間をそれなりに確保した(パリは少し短め)から、浩二とその家族が少し丁寧に描かれていた(仕事中に電話をかけてくる娘はどうかと思うが)。パリを観て少し不満に感じていたことだったからよかったと思う。
設定は少し変えているが、基本的にオリジナルから大きく逸脱しない作り。でも、パリでは泣けても東京では泣けなかった。ラストの展開を知っていたからではない。山田洋次監督の人情演出が個人的にはあまりハマらなかっただけ。「キネマの神様」の時もそうだったが、リメイクや原作ありの作品はよろしくないのかも。
初めて映画館で泣きました
感動する作品はこの世にたくさんあるけど、私が実際に映画館に足を運んで観た映画で初めて泣いた作品です。
登場人物の人生は波乱万丈のようでもあるけど、これがリアルな人生でもあるのかなと感じました。
俳優さんたちのお芝居も本当に素晴らしかったです。
景色や人の感情など全てが綺麗な作品だと思いました。
全510件中、161~180件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。








