TOKYOタクシーのレビュー・感想・評価
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生きてこそ…人生
山田洋次作品である。はずれであるはずがない。
ぼくが20代、30代のころなら、この映画を見て「けっ」と思ったかもしれない。
しかし、、六十路も半ば近くのいま、そんな気持ちにはならない。
人生いろいろあるけれど、生きてこそ―である。
そう感じさせる作品なのだ。
山田洋次作品のほぼすべてに言えることかもしれないが、有り体にいえば、人間賛歌。人生、人が生きてゆくことを肯定的にとらえたうえでの映画なのである。
生きていれば、悪いことばかりじゃない、ということだ。
BSテレビ東京4Kで、「男はつらいよ」が週に1度放送されていたのを録画し、それを見たのをきっかけに、山田洋次という監督の偉大さを再認識した。ほかの山田作品も改めて何本か見ているが、ヒューマニズムというか、彼の描く世界には大いに共感ができる。
自分は、後ろ向き、ネガティブ思考の人間だけれど、少しでも気分を軽くし、前向きにさせてくれるようなこういう映画は大切だと思う。
エンターテインメントには、それは必要な要素なのである。
タクシー運転手役を木村拓哉ではない、もっと芝居ができる俳優が演じれば★を5つつけたかもしれない。
木村が下手だ、とは言わない。十分に水準に達してはいるが、何をやってもキムタクなのだから仕方ない。どうにも、軽いのである。
もう彼も50を超えて久しい。もうちょっと、人生の重み、渋みを表現できてもよさそうだが。そんなことは無理な要求だろう。
山田監督も、そんなことは承知の上で使っているのだろう。
芝居達者で、監督の要求以上に存在感を発揮する役者はいくらでもいるだろう。そんな役者を使わなかったところに、この映画の狙い、山田監督の意図があったように思う。
千葉の並以下の新設公立高校から専門学校にでも進み、いくつかの職業をへて個人タクシーの運転手になった―、もう一人の木村拓哉がそこにいるのだ。
作品中、一人娘がクラリネット奏者を目指して音大付属の中学に行こうとしている…なんてセルフパロディーもちゃんと受け入れて演じた木村を評価してもよいだろう。
11月に葛飾柴又であった「寅さんサミット」で山田監督のトークショーを見たが、木村のことを真面目な人だ、と評価していた。そう、木村拓哉ってまじめなんだろうな。きっとそうだと思う。つまり、人間的にはつまらないってことよ。
東京・城南地区のシネコン、封切りから1カ月近くたつ土曜の昼間に行ったが、そこそこ高齢者を中心に観客は来ていた。映画としては興行的に成功したのはご同慶の至りである。
こんなに泣かされるとは・・・
時代の熱を散りばめた良作。
大号泣 かなりやばい
さすがにキムタクではキツイかな
山田洋次監督らしい
告白と贖罪の物語
人生を振り返る最後の旅
94歳の山田洋次監督が日本中に優しさと感動というクリスマスプレゼントを届けてくれた。作品の起点である柴又は、山田監督作品・男はつらいよの舞台であり監督の特別な想いを感じる。その男はつらいよで主人公の妹さくら役・倍賞千恵子と山田監督がタッグを組んだ作品ならば良作だろうと確信して鑑賞した。予想を超える作品だった。昭和の残り香がふっと漂い、気づけば涙が滲むような人間ドラマだった。
個人タクシーの運転手・宇佐美浩二(木村拓哉)は85歳の高野すみれ(倍賞千恵子)を東京の柴又から神奈川の葉山にある高齢者施設まで送ることになる。すみれは見納めに東京の思い出の場所に行きたいと言い出し、東京各所を巡ることになる。そこで二人は徐々に距離を縮めていく。
タクシーでの浩二とすみれの会話劇が中心だが、昭和史を織り込むことで、昭和という激動の時代にすみれの人生を重ね、すみれの波乱の自分史を観ている感覚に陥る。また、すみれが心に秘めたことを徐々に開放し、過去から解放されるプロセスが極めて自然で無理がない。倍賞千恵子の語り口は演技を超えて、すみれそのものの人生を感じさせる。彼女は台詞よりも間で人生を語る。その沈黙が心に沁みる。
浩二役の木村拓哉も従来の木村色を捨て去りすみれの聞き役に徹している。自分の今をすみれに吐露することで、すみれの閉ざされた心を徐々に開いていく。新境地の素直な演技で倍賞千恵子を好アシストしている。
すみれの若い頃を演じる蒼井優は持ち味を活かした演技ですみれを巧演している。実写映画出演は久し振りだが、ブランクを感じさせない迫力ある演技で、すみれの過去の愛、憎悪、怒りを赤裸々に表現し、今のすみれにつないでいく。
ラストはある程度予測できたが、それでも胸が熱くなる。なぜだろう。それは、演者たちがそれぞれの役柄を演じるのではなく、倍賞千恵子、木村拓哉ではなく、今のすみれ、浩二として生きている姿を観ている感覚があったからだろう。
味わい深い作品だった。山田洋二監督94歳、倍賞千恵子89歳。命ある限り銀幕で輝き続けてほしい。そう願わずにはいられない。
私にとっては、初めてキムタクが格好よくみえた
うーん
今回もまた期待を裏切られた。名俳優陣を!とても勿体無い。キムタクが出るから今度こそはと意を決して観たが、やはり残念な気持ちになった。陳腐な脚本と演出で平凡な作品にしてしまっているのかな。「パリタクシー」を観た時の清々しさには及ばない。かなり差がある。原作頼と話題性頼みの作品としか言えない。
オープニングは良い、その後の前半はくどい台詞の連続。倍賞さんが何か気にさわる。台詞が説教調で棒読みに近い。後半はまあ観られるが。
「寅さんシリーズ」や「幸せの黄色いハンカチ」を見た時と同じ感動はなく期待は裏切られるだけだから。もう令和の山田監督作品はノーサンキュー。
後藤久美子を引っ張ってきた「帰ってきた寅さん」あたりから残念な気持ちが続く。周りがチヤホヤするからだろうか?裸の王様?プロの批評家もきちんと批判してほしいと思う。
オリジナルは越えられず
山田洋次が「パリタクシー」のリメイクに挑むと聞いて、目の付け所に「さすが」と唸った。おまけに倍賞千恵子と木村拓哉で、果たしてあの題材をどう料理するのかと期待したのだが、結論から言えばほぼオリジナルのままのストーリーだった。そしてそれがこの映画の最大の弱点になってしまっている気がする。
せっかく舞台を東京に移したのだから、東京だからこそ、という要素で大胆に再構成して欲しかった。特に、倍賞千恵子の生涯がオリジナルほぼそのままである必要はあったのだろうか?主題さえ維持できれば、完全に別の生涯でも良かったのではないか?
結果、オリジナルに比べて薄味な印象が否めず、役者の好演を考えると勿体無いとしか言いようがない仕上がりになってしまっている。
もう一つの主題でもある東京という街そのものの描き方にも、あまり山田洋次らしさが感じられなかった。原作の「パリタクシー」の映像がとにかく美しかっただけに残念。もっと堂々と山田洋次のテイストで攻め切ってほしかったと思うのは私だけだろうか?おまけに、柴又から葉山に行くのに、いくらなんでも一度渋谷まで出てから東京駅や秋葉原方面に行くだろうか?ベイブリッジを渡ってからみなとみらいに戻ったりするか?と、タクシーの走るルートも少々リアリティに欠ける気がする。
オリジナル未見の方には楽しめると思うが、色々惜しい一作。何故このリメイクを試みたのかが、残念ながら見えなかった。
今日は二度とやってこない
いろいろな監督・俳優の組み合わせで観たい
なぜ、美しくない?
ケイロウ
ファンタジーの中のリアル
「ハウルの動く城」の組合せ、往年の可憐さを持つ賠償千恵子さんと久し振りに見る木村拓哉さんの演技、山田洋次監督による「パリタクシー」、色々楽しみで見に行きました。
一番違和感無く見ていられたのは賠償さん、作り物めいたキャラも自分のものにしてしまう。
木村さんはどうしても疲れた個人タクシーの運転手には見えない。演技がどうというより、地味なジャンパーやズボンを履いていても絵的に宇佐美<木村拓哉なのは私の世代によるものか。
すみれさんのエスコート役としては完璧です。
宇佐美の妻や娘のリアクション、散りばめられたディテールで山田洋次監督作品そのものであることを実感。
夫が妻に暴力を振るっても離婚理由にはならない、すみれさんの人生に乗せて語られる戦後の日本社会はリアリティがありました。
最終手段としてすみれさんが夫に取った行動も、全体のファンタジー感に平手を食らわすようなかなりな衝撃です。
誰にでも徐々に、でも確実に迫る人生の終わり。
あらゆることに怖気づかなくなったと自負しても尚、華やかな思い出や後悔、孤独、恐怖が押し寄せてしまう。すみれさんは宇佐美との偶然の出会いで、そんな波立ちを半分ぐらい減らせたのかも知れません。
人生を折り返した層にはやけにリアルに響くテーマです。
すみれさんが若い女の子の様にはしゃいで宇佐美と腕を組んで歩く元町のシーン、一番のハイライトでした。
気になる点はあるが、良い作品
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